Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

福寿草が咲く

2007-02-08 08:13:29 | 自然から学ぶ


 「在来タンポポが厳冬に咲く」で触れたように、世の中冬だというのに在来タンポポが咲いている。黄色い花を見るとタンポポか、なんて思ってしまう。中条村と小川村境の標高750メートル付近に太田という集落がある。そこの県道を走っていたらその黄色い花が見えたから、タンポポかと思って車を止めてみた。タンポポにしてはまぶしいほど黄色い。福寿草である。そこから長野市七二会にむけて県道を走ったが、ところどころでこの福寿草が咲いている。ちまたでも福寿草の話題がニュースになるくらいだから、そんな季節なんだろう。

 福寿草は、キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草である。晩秋に芽を出して冬に花が咲き、晩春には種を落とし枯れる。ガンジツソウと呼ぶ地域もあるという。旧暦の正月ころ咲くことからそんな呼び方があるのだろう。花らしき花としては、ちまたでは最も早く咲く花かもしれない。まさに春を呼ぶ花、という印象がある。これほど黄金色に光っていると、冬という雰囲気ではない。今年の咲き具合は、やはり暖冬のせいか、一週間くらいは早いということをよそでは聞く。この花を見つけた中条村太田というところは、村内でも標高の高いところである。南向きの日当たりの良い斜面であるが、雪が少ないといわれる今年ではあるが、だいぶ雪が残っている。まだ田んぼの面にも雪が残る。昨年ならこのあたり、今ごろ1メートル近く積雪があったのかもしれない。だから昨年にくらべたらずいぶんと早く咲いたにちがいない。福寿草たけではない。そのまわりの草のなんと青々した姿だろう。まさに春そのものである。

 長野県では福寿草が咲いたというニュースをよく聞く。それだけ福寿草の群生地がけっこうある。わたしの知っているところでは、諏訪と伊那を結ぶ有賀峠から少し南側に下ったところの群生地を訪れたことがある。まだあまり福寿草の群生地があまり知られていなかった時代であった。「信州の福寿草SPOT」というページがある。ここで紹介されているもの以外にももっとたくさん群生地があったように記憶する。黄色い花は福寿草の季節に限らず、一年中多種多様に咲くが、この花は輝いているといった方がよいかもしれない。それほどどの黄色い花よりもまぶしい。写真のものは、よそで見た花よりも大輪であった。たくさんの株はなかったが、本当に県道沿いの目立つ場所に輝いていた。まさに「見てほしい」という感じに・・・。

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