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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

「大祓」後編

2024-07-01 23:01:34 | 民俗学

坂下神社茅の輪

 

五十鈴神社茅の輪

 

大御食神社茅の輪

 

 五十鈴神社の「大祓」について触れたが、五十鈴神社の宮司のブログがあって、かつては頻繁に更新されていた。「大祓」について触れた記事も多くあり、最も古い記事は2007年のもので、当時は6月末の日曜日に実施されていたようだ。近年ブログの新しい記事が公開されなくなって様子がはっきりしないが、2016年までは月末の日曜日の午後に実施されていたようだが、翌2017年には平日の30日に実施されている。もしかしたら以降現在まで、6月30日の本来の大祓の日に実施されているのかもしれない。「大祓」のこと、「茅の輪」のこと、いずれについても宮司のブログに内容が記載されているので参照するとよい。

 「大祓」は半年に1度行われるもので、6月と12月の末日に行われるのが本来であるが、せっかく「大祓」といって穢れを拭う目的の行事を行っても、人がいなければ意味がないということで、休日に実施されているところが現在は多い。今年は30日が日曜日ということもあって、「大祓」を行うところがあると見込んでのことだったが、五十鈴神社でそれが見られたのは幸いだった。とはいえ、昨日はいくつかの神社を訪れた。ひとつは中崎隆生氏が『伊那路』に報告された伊那市坂下神社である。2016年に調べられたものといい、毎年6月30日に近い日曜日に行っているとあったので、昨日実施されるのではないか、と想定して出かけたが、既に茅の輪が境内に掛けられていて、昨日が当日ではなかったよう。聞いてみると前週に行われたといい、必ずしも30日に「最も近い日曜日」ではないようだ。少しの時間、境内にいたが、その間にも二組の家族が茅の輪をくぐってお詣りをされた。茅の輪の脇にくぐり方の説明があり、昨日五十鈴神社で行われた茅の輪くぐりと同じ作法だが、3回くぐって元の位置に戻ると、もう1回くぐって神前にお詣りするとある。小雨だったこともあり、町の中にある神社にはお詣りする人が少なからずいる。同じ町の中でも、山寺白山神社や荒井神社には茅の輪はない。

 その後帰路五十鈴神社に立ち寄って昨日午後実施されることがわかったわけであるが、同じ駒ヶ根市のもうひとつの大きな神社である大御食神社にも立ち寄ってみた。やはり茅の輪が掛けられていて、神社入り口の告知板には、昨日午前中に行われたとあった。実は大御食神社と五十鈴神社は同じ宮氏が神事を行っており、昨日も触れた通り、いずれも宮司によって始められた神事のよう。大御食神社でもしばらく身を置いていると、何組、あるいは何人かの方がお詣りに来られた。あいにくの雨模様だが、それほど強い雨ではないということもあり、休日はこのように参拝される方がいる。さすがにマチに近い神社は違うと思った次第。同じ宮司ということもあり、いずれの神社も入口の鳥居の足元にも茅が巻かれており、作りも似ている。ちなみに五十鈴神社の茅は、昨日鼠川の南の川で採ってきて昨日茅の輪をこしらえたという。五十鈴神社宮司のブログでは、かつては鼠川でも採っていたようなので、近在の川で採取していることは間違いないようだ。昨日は箕輪町木下の南宮神社でも茅の輪くぐりが行われたようで、やはり大きな神社ではこの行事が盛んに実施されているようだ。

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