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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

今年の畔塗り

2024-05-11 23:53:19 | 農村環境

 このところ毎年田植えが6月にずれ込んでいた。我が家には田植え機がないため、委託している。ところがわずかな田んぼのため後回しにされ、6月にずれ込むを繰り返していた。もっと早く田植にしたいところなのだが、相手のある話なので思うようにいかなかった。6月だからといってこちらも準備が遅くなっていたのだが、準備だけでも早くして、5月中にやってもらえるように段取りだけはしておきたいと、今年は連休に水田の準備をした。2010年には「田ごしらえ」を記しており、当時も連休に今年と同じような準備をしているが、畔塗りまではしていなかった。近年は連休に忙しかったのも段取りが遅くなった理由だった。近ごろは水田耕作をする人が減って、連休でも暇な人が多くなって、当たり前に連休に行事が入ったりする。この後も一層そうなっていくのだろう。

 恒例の小型畔塗機での畔塗りである。毎年この時期には「1年でたった1時間だけ使う小型畦塗機」のアクセスが多くなる。また3年前には「1年でたった1時間だけ使う小型畦塗機は動かなかった」を記した。故障して畦が塗れず、その年は昔のように手で畔を塗った。故障した畔塗機を製造元に送って見てもらったが、結局また中古品を送ってもらって翌年から畔塗機での畔塗りを再開した。やはり「1時間」程度で畔塗りは終わる。容易ではあるが、鷹岡工業所のホームページにあるYouTube動画のようなわけにはいかない。うっかりしていると機械が逸れて行ってしまうため、畔側(操作側から見て右側)へ意識としては機械を向けながら前進していく感じに押さえるように操作する感じだ。YouTubeの動画ではすらっと立った姿で機械を操作しているが、とてもこうは行かない。とはいえ、たった1時間ほどで畔が塗れるから、ありがたい機械であることも事実。

 連休中に近くの水田では、近所の年寄りが息子2人に畔を繕う作業を指導していた。ずいぶん大声も挙げていたので何事かとも思ったが、年寄りは漏水しないように丁寧な畦繕いを目論んでいるようだったが、息子さんたちにはその丁寧さがどう映っていたか。我が家では100メートルほどの畦が漏水対象になる畦で、畔塗りをする長さになる。古い畔を削り取って槌で叩く作業を畔塗り前にする。この畔塗り作業前の作業と同じような作業をその息子さんたちはやっていたが、その家では畔塗りはしない。したがって漏水しないように時間をかけて畔を繕っていたということなのだろう。年寄りの言うとおりには次世代にはできないだろう、そんなことを思って遠くから見ていた。

 

 

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