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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

問題の所在は…

2022-09-06 23:00:00 | 信州・信濃・長野県

 昨日の信濃毎日新聞朝刊第一社会面に「共同募金の支払い町会予算で」という記事が掲載された。「赤い羽根共同募金を巡り、松本市城北地区の一部町会が、全世帯分の戸別募金を町会予算から一括支出し、県共同募金会(長野市)に支払っていることが4日、分かった」というもの。「戸別に集める手間を省くため」に町会予算から払うことにしたもので、町会員の同意は得ていたという。「募金したくない人らの思想良心の自由を侵害する恐れがある」という批判を紹介し、さらに受領側の県共同募金会の「募金の趣旨に反する」という意見も掲載した。そして同意は得ているとはいうものの、「町会内の住民たちは納得しているのだろうか」と、記者は地区内住民に聴取し「日中は留守宅が多い。募金集めは大変そう。全世帯が公平に負担することになるし、違和感はない」「生活が苦しく募金はしたくない。まるで税金のよう。町会予算を募金に充てるぐらいなら町会費を減らしてほしい」といった賛否を紹介。そのうえで県共同募金会の「自治会内に募金に賛同しない人がいれば募金の趣旨に反するから見直しが必要だ。各地区とともに検討したい」と話している」という言葉で締めくくっている。

 記事の主旨はどこにあるか。「声のチカラ」シリーズの記事であり、町会長の疑問視する言葉を掬い取ったことから、そもそも募金の仕方への問題点を示した、ということなのだろう。違和感は末尾にあげられた県共同募金会の「見直す」の背景だ。見直しとはどのようなことを対象にしているかがはっきりしない。記事としてはタイトルを目立つように配す新聞記事の作り方からして、「町会予算から一括支出した」ことを疑問視しているようにも受け取られかねない。問題の所在は、そもそも目標額を定め募金を依頼している県共同募金会のやり方にある。目標額があれば、当然それを前例として受け止め、集める側は集める。一戸当たりの目標額を記せばなおさらのことだ。

 同じような集金は年間いくつか自治組織に通知されてくる。すべて同じで、集める側はあくまでも個人の自由だと解釈しても、目標の額を示してあげないと集めづらいだろうし、手間もかかる。むしろ金額は小さくても集める側の負担が大きい活動であって、無駄を省こう考えれば、町会予算から支出するのが最も簡単で、労力を使わない。ようは理想なスタイルとも言える。もはや「集める行為」が人々の絆になるなどという意見はないだろう。とすればそもそも募金など辞めて、税金で払えば簡単なこと。ところが主旨がことなるから、そうはいかない。結果が同じなら過程はどうでも良いじゃないか、といかない不合理な社会活動は山と存在する。多忙な者からしたら「こんな無駄な労力はない」と思うのだが…。そしてこの新聞記事の表現方法だ。近ごろの信濃毎日新聞は、こんな表現ばかりだ。タイトルと、事例としてあげる「人の言葉」と、記者の記事構成方法と、短い文脈に問題多数と捉える。


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1 コメント

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Unknown (猛虎過江)
2022-09-08 19:51:26
自治会(区)の集金業務の件、同感です。みどり・赤い羽根募金、社協会費、赤十字、PTA協力金等々、行政から区に丸投げされています。組(班)に集金依頼~町内会で集約~区で集約~行政に提出と、昔からずっと行われてきました。組では、集金業務せず、世帯数分を一括で支払いします。このことを踏まえて、2度目の副区長兼町内会長をやっている小生が、区会の席で、集金業務せず、区費(年間3000円)中から支払ったほうがいいのではないかと提案しましたが、結論は出ませんでした。”町会予算から支出、労力を使わない理想なスタイル”税金で払えば簡単なこと”とべられていますが、同感です。
話は違いますが、区の役員、民生委員、その他行政から役員・委員の選出要請が区にあります。6月末までに、二人、民生委員を選出しろということで、区長と三役で3か月探して説得したが、行政・教職OB、仕事をしていない者は、どうでもいい言い訳をして逃げまくり、受ける人は皆無。よって、暇でない6役を背負っている小生が、責任を取れということで、一期3年、やることになりました。これっておかしいと思いますよ。。。

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