湯西川日記

fbやツイッターで一年サボりましたが、やっぱりブログです。2016年から復活します。ツイッターの長い版みたいな感じです。

定額給付について

2008-11-12 19:57:43 | 学習

定額給付で景気浮揚効果があるかどうかいろいろマクロ経済的に考えている。

教科書的には
Y=I+C+G+EX-IMである。つまり、GDP=国民総生産=国民総支出
=民間最終消費支出+民間総資本形成+政府支出+輸出ー輸入である。

政府支出が増えて、民間消費が増えれば、定額給付の分だけ国民所得は増えるのだが、そうはいかない。政府支出といってもインフラや研究開発に支出しているわけではなく、定額給付はただ国債を増やしておかねをばらまいただけだから政府支出が増えたとはいえない。

それで民間におこづかい的にクーポンが回ってきて、それをワシらがめいっぱい消費すればそれなりに効果はあるのだろう。ただ、財源が政府債務の増加であることが明らかなうえに、選挙を控えての票集め的なもくろみもかいま見えるし、消費税の税率アップがみえみえな状況で個人消費が増えるのか疑問である。

もうひとつ定額給付のイメージを悪くさせるのは99年の地域振興券。あんな下品な手法で何か明確な経済効果があったという人はいなかったはずだ。地域振興券で個人消費のわずか0.1%押し上げ効果があったらしいが、成果として挙げられるまでのものとはいえない。

今回の定額給付の財源は約3兆円らしい。3兆円といえば奇しくもあの数字と一致するのが皮肉であるが、それはともかく、こういった経済政策がまったくテンポラリーな効果しかない点や、福祉や医療、中小企業の資金繰りといった喫緊の支出機会を逸することからもまこと無能な政策といわざるをえない。