ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

童謡「月の光」にまつわるエトセトラ&c. 〜& 結論へ〜

2023年09月26日 | 各話開始前エッセイ


☝️ 更に時代が進んだ令和だとこうなる?!



 でも待てよ?
深尾須磨子版の中で
男の子が「おばさん」と
呼びかけている年齢不明の女性は
どんな人?

①未亡人
②仕事で帰りが遅い夫がいる
③独女

 前ページでは①か②の線で
イラスト上げましたが、
深尾須磨子氏は
明治21年(1888)生まれの人。

 明治といえば、
文豪・夏目漱石(1867〜1916)。
英語教師していた頃に
生徒に教えた “l love you” の訳し方は
「月が綺麗ですね」
だったとの事。

 深尾須磨子氏がこのエピを
知っていたのかどうか?
もし、知ってたら歌詞の中に
「きれいな月夜ですよ」
なんて坊やが隣家の御婦人に
語りかけるなんて設定には
してなかった?!

 そして、
御婦人にもリフレイン
なんてさせてないよね?!

 とんだマセガキだな!
実は好き者な御婦人?
…と深尾氏にそんな意図が無くても
深読みされかねません。

 そしたら、
せっかく子供に歌わせるために
原作から歌詞を変えた
意味が無いんじゃ…?

 一方、芙龍明子氏は
昭和・平成の教育音楽に
携わった方らしい。
裏の意味あり気な原作、
時代が進んだ事で
詳細を勘繰られ
イジられそな日本語版。

 でも、メロディーは本当に美しい。

 なら、全く関係無い歌詞に
全入れ替えすれば?
メロに釣り合う
美しい風景を描けば
余計な事考えずに
歌えるのでは?


 ――ってなったんでしょうか?
今の所、
芙龍明子氏が語っている文献、
インタビューの画像等は
私には見つかっていません。


 結論として、
小学校で習った
童謡「月の光」は
「訳詞」とあっても実は
麗しの「替え歌」だったって事さ!



 何か冒頭のイラスト、
他のとは雰囲気全然違って
仙厓和尚さん
(1750〜1837)の
ゆるふわ禅画風だな!

 ともあれ2023年の
十五夜はもうすぐ、
9月29日との事。

 良いお月見を!

 

童謡「月の光」にまつわるエトセトラ&c. 〜訳詞様々〜

2023年09月22日 | 各話開始前エッセイ
 どうも私が小学校の教科書で
覚えていたのは
芙龍明子作詞版だったようです。

 他にも深尾須磨子作詞版も
存在する事が最近分かりました。
「石井好子・生誕100周年
フランス こどものうた」
というCDの中に
「つきよ」のタイトルで入っています。

 故石井好子氏は海外経験も豊富な
シャンソン歌手で、
加藤登紀子氏らのお師匠でも
あったとの事。

 小さな男の子が隣家の
おばさんに挨拶し、
一緒に歌おうとさそいますが、
おばさんは
一人で静かに月を見ている所。
だからそっとしといてね?
…って意味か?





☝️ 歌詞のイメージ画はこんな感じ。

 
 原作では
脳の機能が衰え、
妄想の歯止めが効かなく
なって来た助平ジイさん達を
刺激して止まない単語が続出。

 でも、メロディーは本当に美しい。

 そういう歌曲を
子供でも歌えるように
しようとした場合、
歌詞を変えるしか無い
という訳で
上記2様の歌詞が
作られたんでしようか?

 深尾須磨子さんは
明治生まれの詩人・作家との事で、
19世紀の西洋が舞台っぽく
描いてみました。



童謡「月の光」にまつわるエトセトラ&c. 〜これでも子供に歌わせられるか?!〜

2023年09月21日 | 各話開始前エッセイ




 リュバンが心配なピエロは
何度か様子を確かめるために、
しばらく窓から
月明かりに照らされた
外を眺めていました。

 その後
寝床で横になったり
起きて窓を見たりを
何度も繰り返して…

 結局リュバンは
明かりをもらって
隣の家から出て来る事は
無かったのです。

 隣の家の道化師となり、
奥方をはじめ家中の人々を
笑顔にしたいという
ピエロの夢は
伊達男リュバンの出現で
閉ざされてしまいました。

 隣家に迎えられたリュバンは
食事を振る舞われ、
カードゲームや音楽、
談笑で夜を楽しく
過ごしている事でしよう。

 そして、
それ以降の日々も――。

 取り残されて
悲しくなったピエロは
ギターを手に取り、
自虐シャンソンを歌いました。

 そして、それこそが
この歌「月明かりの下で」
なのです。

   ༎ຶ⁠‿⁠༎ຶ

 ――って、
こんな内容、児童に歌わせられっかー!?
(⁠ ⁠≧⁠Д⁠≦⁠)

 ちなみにパリで童(わらべ)
なモーツァルトが
貴婦人の歌(Au clair de la lune)
の伴奏をした時、
貴婦人が歌ってたのは
1番だけでした。



童謡「月の光」にまつわるエトセトラ&c. 〜ドアが閉まった後〜

2023年09月20日 | 各話開始前エッセイ



♪Au clair de la lune,
 On n'y voit qu'un peu!
 On chercha la plume,
 On chercha du feu.
 En cherchant d'la sorte,
 Je n'sais c'qu'on trouva,
 Mais j'sais que la porte
 Sur eux se ferma! 


(扉が開く)
リュバン :
(にっこり微笑み)
この私、
愛の神のために!

 侍女:
面白い事言うのね!
名前は?

リュバン :
リュバンと申します。

侍女:
(モノローグ)
声も素敵だけど姿もなかなか!

困ってるってけど、
奥様もあなたを助けるのを
多分、嬉しいと思うんじゃ
ないかな?

後で奥様や私に
ちゃんとお礼が
できるんなら
家の中に入って。

(モノローグ)
さあさあ!
奥様の新しい
「奉仕の騎士」さん。
いずれは私の夫にもなって
もらうんだからね!

(ドアは閉じてしまった)


 侍女の人の名前、
ひょっとしたらコロンビーヌとか
いうのかもしれないけど、
前編別ブログの
「トリシャンカノ紳バージョン・
人物紹介にある、メイドのスージィに
そっくり。

 それから、
ありゃりゃ〜、
ピエロさんはどうなって
しまうんでしょか?
🤡





童謡「月の光」にまつわるエトセトラ&c. 〜美男が企む一勝負〜

2023年09月19日 | 各話開始前エッセイ



♪Au clair de la lune,
 L'aimable Lubin
 Frappe chez la brune;
 Ell' répond soudain:
 ― Qui frapp' de la sorte?
 Il dit à son tour:
 ― Ouvrez votre porte,
 Pour le dieu d'amour!


 リュバン :
(呟き)これはお隣さんとやら、
なかなかの家じゃないか!
そもそも書こうとしていたのは
世話焼き従者の自己紹介書。
上手く行けば…ともかく、
ここは勝負所と
やってみるしかない!

(トントンとドアをノックする)

 侍女:
そんな風に叩いてるのはどなた?

リュバン :
困っている者からの
切なるお願いがございます。
どうか
あなたのドアを
開けては頂けないでしようか?


 今で言えば就職用の
履歴書や自己紹介カードを
書こうとしていた
美男リュバン。
良家の奥方への奉仕役の
仕事を探してた。

もしかしたら、
明かりを借りるのはもちろん、
面倒な書類書きその他も
全部省略する事ができるかも!
そんな彼がした事とはーー。