ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

29-18 革命へのカウントダウン

2024年06月26日 | 第29話 続・スパイとインボウ論
   


 前年には
ボルテール氏が
「自分の見る物全部が
必ず起こるだろう
革命の種を蒔いている」
という手紙を
書いていました。

 ルソー氏もまた
革命の予言を
「エミール」の
中でしていました。

 フランス王国は
英国やプロイセン
との間で敗戦したため、
莫大な賠償金を
支払った上に
海外領土の幾つかも
失いました。

 1757年には
国王ルイ15世の
暗殺未遂事件も
起こっています。

 ブルボン王家への
不信感は本物語の
頃には既にそこら中で
湧き上がって
いたのです。

 「ジェヴォーダンの獣
事件」
もまた「中央政府は
当てにならない」という
印象を人々の心に追加して
しまいました。

 その後も王家は
アメリカ独立戦争に
首を突っ込んだり、
後継ぎとその妻選びにも
失敗した
と解釈され、
税政にも疑問を持たれて
遂には臣民が国民として
覚醒してしまい、

「もう王様なんていらん、
自分達で国を運営してく」
となって行くのです。

 マルセルは
ハリソンさんに
言われた事とは
関係無く、
23話にあるように
建国期のUSAへと
移住する事になります。





 ↑この人
(軍隊時代の先輩で親友・
独立戦争に加わった後、
極地探検家にもなる)
―の誘いに乗ったから
なのでした。

 それで最終的には
「閣下」と呼ばれる
地位にまで上り、

一方、革命で貴族の位を
剥奪されて
「閣下では無くなった」
エクトル氏を前に

高笑いをする
事となります。

 …が、ある時
ハリソンさんに
縁 (ゆかり) のある人物が現れ、

ハリソンさんから
受けた仕打ちが
また繰り返されるのでは…
とビビりまくるのです。


✹続きは来週。
 またしても急転直下のオチが…🥲


29-17 光届かぬ場所

2024年06月24日 | 第29話 続・スパイとインボウ論
  


 パリなどの都市部で
文化人達が、
どんなにあれやこれやと
「中世から引き継がれた
様々な世の闇」

追い払おうと奮闘しても
地理的条件などから
その恩恵が受けられない
人々がいるのでした。


 現代の日本だと、
若者が故郷を捨て
都会ヘ行き、
TVのインタビューで
田舎に対して
「何それ今時、江戸時代かよ?
と思ったから」
と答える
…ような感じか?

 18世紀には
現代人が理解できるような
考え方をする人も
かなり出て来て
います。

 科学の進歩も
著しい一方で、
まだまだ発見されて
いない事も沢山
ありました。

 魔術的世界観については
「それは本やオペラの中の
話だろ?」

と思う人が多数派と
なっていました。
(それだからこそ
ウォルポールさんみたいな
ゴシック作家も出て来れた?)

 それでも未だ、
現代では魔術関係書で
やっとこさ
名前が見つかるような
人物が偉人として尊敬され、

流行の学問になって
いたりもしたのでした。


 ✹ 続きは明後日(26日)。



29-16 魔獣退治は過剰演出?そして諸外国は…

2024年06月21日 | 第29話 続・スパイとインボウ論
  


 ハリソンさんの
言っているように
国王ルイ15世が
思っていたとしても
実際の結果は
正反対だった
ようです。

 諸外国では
「たった1匹の獣に
手こずる偉大なる王国」

とジャーナリズムが
嘲笑い、
人々は意地悪な
好奇心の目を
向けていました。

 ハリソンさんの
祖国である英国は
フランスとは
敵対関係なのと
国内にはもう狼が
いなかった
という事情もあり、
特にその傾向が
激しかったのです。

 もう一つの敵国
プロイセンでも
フランス王国の
魔獣退治の難航ぶりを
人々が愚弄していました。

 
  


 ハリソンさんとしては
前回のフランス旅行で
取られた通行税
(王家の収入となる)
には今だに納得が
できていません。

 そうでなくても
ルイ15世には
「オスマン帝国皇帝じゃ
あるまいし」

…あのお年で衰えず…
溢れる**で…
――な、巷の噂もあって、
あまりいい印象を
持っていないのでした。


 ✹ 続きは来週。
  


29-15 魔獣なのか劇場型犯罪なのか?

2024年06月19日 | 第29話 続・スパイとインボウ論
  


 1765年9月21日に
標準より多少大きな狼が
国王に使える貴族の
軍人により射殺され
ました。

 その後死体は
ベルサイユに運ばれ
剥製となって公開され、
貴族達が見物に
集まったそうです。

 今年の春から特に
日本各地で起こった
熊騒動からすると、
ジェヴォーダンの獣
事件も本当に
野生動物の襲撃
だったとも思えるの
ですが――。

 夜7時からTVで
「アンビリバボー」を
見ていたら
スキンウォーカーという
UMAが出て来ました。


 その生物は北米に
出現するのだそうですが、
それ以外の地に
似たような怪物が
いたって別に変じゃ無い
と思ってしまいました。

 
 ✹続きは明後日金曜日。


29-14 シン・ジェヴォーダンの獣 Ⅹ 〜有名人コメントに突っ込んでみました〜

2024年06月18日 | 第29話 続・スパイとインボウ論
  


 本ページはわざと
エッセイ漫画っぽく
描いてみました。


 この描き方だと
自分内比で2倍速。
相当時短なのは確か。

 ウォルポール氏、
18世紀中頃の欧米では
相当な有名人。
モーツァルトに完全圧勝の
国際的超セレブで
インフルエンサーでした。


  

 
 会う前から引け目を感じ、
そんなにいい印象を持って
無かった本人に実際会って
ハリソンさんは
モヤモヤ倍増。


  


 しかし、
相手方もそれは
同じでした。


  


 それが何なのかを探して
暗躍するウォルボール氏。


  


 又従弟を強力な味方に
引き入れ、その後英国に
戻ったハリソンさんを
追い詰めて行く事に
成功するかと思いきや――。


 ✹ 続きは明日。
  「人は基本ヘンタイって事?」
  と、自分で描いてて
  思いました。