ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

26-13 貴様らは十把一絡げで田舎っぺだ!

2022年12月29日 | 第26話 婿になった修道士

 

 ハリソンさん、
大層ムカッ腹のエクターニュ侯爵閣下から
生まれ育ちをケチョンケチョンに
されちゃってます。

 とはいえハリソンさん、
エクターニュ家程には古い家柄では無くとも、
遡る事16世紀に某英国王の野育ちの姫を
妻に迎えた男子の子孫で、
一応王様の子孫でもあります。

 ハリソンさんが
「トリストラム・シャンディ」の事を
うやむやにしたままで死んでしまうと、
また謎が残ってしまうので、
誰にも影響無しなのかどうか…?

 ローレンス・スターン氏が
未完で終わらせたせいで
スッキリしない人って世界中に
それなりにいると思うんですけどね。

 それから
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 ユベールさんも実は前に一度登場しています。
20話の6ページで、
夕食中のハリソンさんとマルセルの
お給仕をしている人です。

 おかみさんはこの人を
とても気に入っていて、
娘婿になってくれたら♡と
内心期待しています。

 ところが、
〈この両親にしてこの子あり〉
な展開で、
リュシエンヌがーー。

🍁 続きは1月1日(日)。




 

26-12 おめえら、みんなまとめて小僧だっての!

2022年12月26日 | 第26話 婿になった修道士


 
 マルセル20歳、アラン君13歳、
エクターニュ侯爵閣下21歳。

 マルセルもハリソンさんも
閣下の年齢は聞いていませんが、
見た目で大体どの世代かは分かってます。

 この約40年後、マルセルは
ジャン・ジョゼフ・メルディエ・
エティエンヌ・エズシェル・デクターニュ改め
ジョーゼフ・ヘクター氏へと
「もうみんなまとめて爺婆ばっか!」
と言う事になるのでした。

 閣下、今度はド平民連中に囲まれ、
フラれるわ、いじくられるわ、
ディスられるわでー。

 本心では
帯剣してたら振り回し、
ピストル所持なら乱射してたであろう程の

屈辱感を何とかこらえている所なのでした。

 容姿端麗なら心も優美だとか、
賢いとか、身分が高い人は立派だとか
…この話、ホントそういう人出て来て無いな。


🍁 続きは12 月29日(木)。

26-11 スパイだーヲトコ

2022年12月21日 | 第26話 婿になった修道士



 一旦部屋に戻ったものの、
こんな蜘蛛みたいな
再登場の仕方
するもんで、
ハリソンさんから
「やっぱりコイツは
〈王様の御庭番がお仕事〉なんじゃないのか?」
と更に疑われてしまうのでした。

 確かに、エクトル氏は
Mr.ハリソン、ムッシュー・トロワと
呼び、「あなた」とか「君」も丁寧な
vousの方を使っていました。

 一方、マルセルは25話で
エクトル氏の名を呼び捨て、
ハリソンさんもついさっき呼び捨てに
してます。

 で、遂に「ふざけんなよ!」
この後、エクターニュ侯爵閣下の
毒舌の逆襲が続きます。


 今まで○○ヲトコとあだ名が
付いて来た人が何人かいました。



▲ 小賢しヲトコ(第4話初登場)
本名 ウイリアム・ブラウン
飲食店でハリソンと音楽の話をした青年。
高揚感溢れるドイツ系音楽、
特にヘンデルの熱狂的ファン。



▲ ゴシックゴシップヲトコ(第8話初登場)

本名 ホレイショ・ウォルポール
中世ゴシック期に心酔する一方で、
世間の噂話や有名人のゴシップもよく知っていて、
大勢いる友人にそういった内容の手紙を書きまくっている。
「トリストラム・シャンディ」を酷評した時の
ハリソンの態度から接点を疑うようになる。



▲ 単純ヲトコ(第15話初登場)
本名 フレデリック・ハモンド
ウォルポール氏の遠縁。
仕事でリヨンに来ている。
「トリストラム・シャンディ」の愛読者で
ハリソンと解釈を巡り激論した。



ニワトリヲトコ(第16話初登場)
本名 ヘンリー・ブルック
ハリソンが知人を訪ねて行った家の執事。
神経質なので後に〈コッコマン〉と
ハリソンから陰で呼ばれる。


 この4名、第3部英国編では
チームになってハリソンさんと敵対します。

 要するに○○ヲトコとあだ名が付くヤツラは
みんなハリソン氏の敵かライバルなのでした。


🍁 続きは来週。

26-10 私はこんな人物を推薦できない!

2022年12月19日 | 第26話 婿になった修道士



 前編8話でハリソンさんはウォルポール氏と出会い、
同じ日にマルセルはエクトル氏と出会いました。

 そして9話で
お互いその日にあった事を
語り合っています。

 その事と
マルセルが25話でエクトル氏と
話していた内容とで
ハリソンさんは真相が分かってしまいました。

 けれども、
こうして反エクトル側を宣言した事で
マルセルVsエクトルが
ハリソンVsエクトルに
シフト変更して行ってしまうのです。

 なぜならエクトル氏がーー。

🍁 続きは12月21日(水)

26-9 惑わす女達

2022年12月15日 | 第26話 婿になった修道士



 ノアイラさんは
情緒的に理解を示す方から攻めて来ました。
その上で
「…でもね、貴族の誰もが悪い人じゃ無いと
思うの」

 リュシエンヌお嬢も
「私もそう思う」

 そして二人で
「だから…ねぇ…」

 ―とかいう方へ
話を持って行こうとして
いたんだろうと思われます。

 ところが、ハリソンさんに
肩スカされ、二人で
 「💢はぁ?!」
となってしまいました。

 デノワ氏、愛妻と愛娘の姿に
「お客だからって、
そういう〈おもてなし〉する?」
と正直思っています。

 この母娘、もう以前から
これと見た男性客に必要以上に接近して
親しくなろうとする事を繰り返していました。
(ノアイラさんは前編21話で
ハリソンさんを気品があると絶賛していて、
ここではつま先を押し付けた後、
二人がかりでベタベタ触っている)
 
 しかし、デノワ氏は
婿の立場、母娘の一枚岩の団結、
そして修道志願者時代に身に付いた
聖フランソワ様の教えの一つである
「忍耐の心」もあって、
強硬な態度には出られず、
されど「貞潔及び姦淫の危機」
を招きかねない接近に、
これまた聖者様の禁じ事に抵触するのでは?
…と心もそぞろなのでした。

🍁 続きは来週。