生産技術科の一日

設計・製図・加工・制御・・・メカニカルエンジニア達の記録。現在名・・・メカニカルエンジニア科

価値生産方式(29)現場での価値生産

2006年02月11日 | 2005
リーダーシップについて話をしています、価値生産方式の導入のベースはこのリーダーシップの運用が重要になります。

前回、価値生産の実施には職場のリーダーの小さな成功体験を連続化させる事だと話しました。

もう一つ重要な点は、リーダーの成長サイクルを上げて行く事です、成長サイクルを上げるとは、リーダーは6ヶ月ぐらいで目標達成をした後に職場を変わるようにします。

とにかく、現場から人を抜きます、変化を連続化する必要があるのです、変化の連続は進化につながります。

4人のチームが3人で、以前と同量の仕事をこなす、実施以前には不可能と思えた作業内容が価値生産の導入後は無理ではなくなります。

もちろん6ヶ月程度で3人で仕事をこなせるようなワークデザインを計画的に導入しておく必要があります。

価値生産組織の基本は自己組織化が前提となります、そのためには組織の新陳代謝が重要なテーマとなります。

1年かけてやるのではなく6ヶ月程度で今の組織活動を変化させて行く必要があります。

またテーマを絞り込んで、例えば「仕掛在庫」一掃といったテーマを確実にクリアーさせるために、専任とユニットリーダーが具体案と実施計画をはっきりさせて実施することで効果が期待できます。

専任は、仕掛在庫が発生する原因を明確にして、工程間での調整や部品調達の問題と生産計画など直接現場ではどうすることも出来ない問題にトライします。

ユニットリーダーは現場の仕掛量の定位化(決められた場所に仕掛を置く)や定量化(決められた量を置く)を行いながら、ネックとなる作業の改善や生産の流れを変えたりする事に集中します。

現場の問題解決で一番のネックとなるのは、責任関係があいまいな領域に手が付けられない状況を放置している点です。
自分たちでは解決不可能な問題があり、そうした他責の問題を理由に自らの職場の問題解決も回避している事がよくあります。



価値生産方式(28)現場での価値生産

2006年02月11日 | 2005
現場の生産性を見る一つの方法としてワークサンプリングの実施方法を話しました。
4~5名で構成される生産ユニットを運用する場合、現実的な問題として、リーダーシップスタイルをどのように行うかが悩みの種になります。

リーダーシップスタイルとはリーダーがワンマンで自分の考えだけでアイデアや目標をユニットの人たちに押し付ける場合や、その反対にリーダーにリーダー意識がなく、いたずらにミーテイングを行い、意思決定をしない場合など、リーダーの個性と能力に左右される分野です。

この問題は、リーダーの補助となる専任がきちんとサポートする必要があります。
専任はユニット単位で実施される作業やレイアウトの改善プランを、実施前に計画化してユニットの所属する現場単位で、わかりやすい図や絵を使って、イメージを共有化しながら、リーダーへの負荷を軽減させておく必要があります。

またリーダーを作るのも、価値生産を実現するためには不可欠な内容となります。
ある程度のプレッシャーを目標としてリーダーにかける事も重要です。

リーダーのレベルにあった目標設定も重要になります、価値生産システムの本質が参加する人たちの小さな成功体験を連続化する事で可能になりますから、失敗したという体験でなく出来るだけ成功体験を積ませるようなプログラムを専任とユニットリーダーが協議して作成していく必要があります。

職場が活性化しない原因として、失敗を責める体質が大きな原因となっている場合があります。
盛岡にある大手コンデンサー製造会社では、小さなチャレンジをみんなで率先して仲間をお客様と同じように考え、お客様に喜んでもらえるアイデアを現場事務やパートのおばちゃんまで考え実施して、職場を楽しくしていました。

現場の女子社員も自分で出来る一輪ざしの花を工場の廊下に名前を入れて飾っています。

暗くなりがちな現場も考え方次第で、毎日が楽しい職場に変わる事も出来ます、要するに、そこに働く人たちが職場を作り上げているからです。