生産技術科の一日

設計・製図・加工・制御・・・メカニカルエンジニア達の記録。現在名・・・メカニカルエンジニア科

技能とは?

2006年04月30日 | Weblog
 試作のスターリングエンジンは完成しました。先生の指導で、いよいよ自分達で仕様を決めて設計です。計算式と睨めっこです。
 ところで、新二年生達は、既に加工と製図の技能を身につけているはずです。技術ではないか?いいえ、技術とは定量的に記述でき、後に続く人に伝えることが出来ます。でも、技能というのはその人固有のものです。今2007年問題で言われているのは、長年の仕事で身につけた経験に基づいた技が後輩に受け継ぐには時間がかかり、簡単に定量的な記述ができて伝えることができない難しさあるからです。技能はオンリーワンの別名かもしれませんね?

完成しました

2006年04月27日 | Weblog
実は、今回投稿のお手伝いをする新米です?訓練生の製作したスターリングエンジンは昨日完成しました。
ところが最初は回りませんでした。出力軸のベアリングの入る穴の勘合が隙間ばめになっていました。その結果、出力軸が滑らかに回らず、トルク不足で回転しませんでした。試しにベアリングにテープを巻いて組上げたところスムーズに回りました。最終的には、ベアリングと穴の勘合をポンチで攻めてガタを無くしました。
 写真の回転計での数値は、フライホイールに測定のためのマークを一つしか付けませんでしたので倍の回転数を示しています。
 試作品は完成です。次なるトライには、野次馬根性で報告させていただきます。

スターリングエンジン製作

2006年04月26日 | Weblog

試作品、第1号機のパーツ加工を進めています。

本で紹介されていた図面を基に製作していますが、一つ一つのパーツが小さく、かつ軟らかい材料(アルミ、銅)が多いので加工にとても気を使います。

写真は、ピストンとコネクティングロッドをつなぐアダプタの溝入れと穴あけを行っているところです。このパーツのポイントは溝と穴が互いに直交するようにしなければならず、ワンチャックで加工する必要があることです。

加工法について考えましたが、フライス盤のテーブルに割り出し盤(インデックス)を取り付け、垂直・水平状態で加工しました。溝幅は5ミリ、穴径は4ミリです。加工途中、溝加工用の4ミリのエンドミルを折ってしました。当然材料もオシャカ。
原因は切込みが多すぎたこと・・・注意!

スターリングエンジン製作

2006年04月19日 | Weblog

Aグループがバーチャルカンパニー課題として取り組んでいるスターリングエンジンですが、その歴史は古いものの、高効率で環境にやさしいという特徴より、現在注目されているエンジンです。自作のための本や組み立てキットなども出ているようで、これを購入して組んでみたいとの意見もありましたが、さすがにこれは却下で、本で紹介されているモデルを参考にして試作品を作ってみようということになりました。

これで、スターリングエンジンの原理やを構造を知り、次に自分たちのオリジナリティーを盛り込んだ2号機を設計・製作しようという段取りです。

納期は2ヶ月の予定で6月中までにオリジナル機を作ろうと思っています。

バーチャルカンパニーの設立

2006年04月14日 | Weblog
クラスを2グループに分け、それぞれでバーチャルカンパニーを設立しました。概要説明の後、役割分担(プロジェクトリーダー、設計リーダー、製造リーダー、生産管理リーダー)の選任、テーマの設定、生産計画の作成などなど準備の作業を行いました。

Aグループのテーマは「スターリングエンジンの製作」、Bグループは「カム・リンク機構によるメリーゴーランドの製作」に決定しました。

どちらも面白くなりそうな感じです。

準備完了

2006年04月12日 | Weblog

旋盤エリアのペンキ塗りも終わり、いよいよ加工準備完了です。今年度は機械加工3級(普通旋盤作業とフライス盤作業)の技能検定を受検するため、7月の試験日に向けて、練習に入っていかなければなりません。もちろん、学科のカリキュラムもこなさなければならないので忙しくなりそうです。

さらに、バーチャルカンパニーの製作課題も同時進行で、今は嵐の前の静けさといったところでしょう。

最初の仕事

2006年04月10日 | Weblog
いよいよ、今週から新年度の訓練がスタートしましたが、2年生最初の仕事は、実習場の旋盤コーナーのペンキ塗りです。旧2年生が3月にフライス盤エリアを塗りましたが、そのときのペンキが半分残っていたので、それを使ってやろうということになりました。

油分などの汚れを落とし、ゾウキンで丹念にふきあげて、境界線をテープでマスキングし、ローラーの刷毛でペンキを塗ります。

仕事場である実習場を自分たちで綺麗にしていくことで、機械に対する愛着と作業に対するこだわりが生まれるのだと思います。

入校式

2006年04月07日 | Weblog
本日入校式が行われ、いよいよ平成18年度がスタートしました。
3月22日の修了式以来、空っぽだった教室に新入生が入り、また学校全体に活気がみなぎってきました。

今年度の生産技術科は、技能検定試験の受験科目が増え、さらに忙しい1年間になりそうです。新2年生には昨年度の課題をさらにバージョンアップしたアームロボットやミニNCフライス盤の製作に取り組んでもらいたいと思います。また、カムやリンク機構を使った自動化装置の設計・製作という構想もあり、まさに体や時間がいくらあっても足りない状態になるのでは・・・。夢は無限に広がって生きますが、まずは一歩一歩着実に進んでいきましょう。

毎日の変化が、やがて大きな進化になることを目指し、また1年間がんばっていきたいと思います。

価値生産方式(43)現場の価値創造

2006年04月07日 | Weblog
<まとめ 2>
工場を一つのクラスター(葡萄の房)と同じように考えて、それぞれの葡萄の実が
連携して、目的となる価値を産出する必要があること。

そのためには、工場のコンセプトを明確にして、評価できる目標を設定して、参加者の共通課題として提示して行く必要があること。

すべては人であり、人の能力の活性化なくしては価値生産の実現は不可能であり、職場のリーダーを通じて、作業者の能力を最大限に引き出すための環境と目標をきちんと設定する必要があることを述べてきました。

組織も人間の体と同じように、知らずしらずに無駄な脂肪が付くものです。
無駄な脂肪は人間の場合は、体重や姿に表れます、工場の場合は、材料や設備の状況と5Sがそれを表します。

製品を加工のためにラインに流す場合、無駄な作業や、材料があると利益は出ません、環境変化と製品のライフサイクルが短い現在の市場環境では、市場に合わせた
ジャストフィットを工場革新として連続化させる必要があります。

こうしたジャストフィットのやり方を今回は43回の連載で提示して見ました。
あと2回の連載で、プログへの掲示は中止します。