生産技術科の一日

設計・製図・加工・制御・・・メカニカルエンジニア達の記録。現在名・・・メカニカルエンジニア科

ミニCNCフライス盤 1

2005年09月29日 | 2005
今回、生産技術科で取り組んでいる課題は
アームロボットとミ二CNCフライス盤。
今日は、はじめてCNCフライス盤について投稿します。

3軸制御をするために必要な、ステッピングモータの
動作を確認するために、とりあえず仮配線し実験を行った。

構成機器は
1.ステッピングモータ (オリエンタルモータ製PK-246-0B)
カタログ値ではトルクが小さい気もするが
基盤が12V仕様のためとりあえずこれでやってみよー

2.制御用CNC基盤 (ORIGINAL MIND製 CNC-4AXIS)
インターネットで偶然見つけたメーカの基盤、
NCフライスの自作者の間でよく使われているようである。
4軸制御できるようだが今回は3軸(XYZ)で十分でしょ

3.CNCソフト (MACH1)
NCプログラムや指令をするためのソフト
基盤メーカで推奨している制御用ソフトで
一部制限があるもののフリーソフトとして使うことができるようだ。
今回はこれでチャレンジ
国産ソフトではないのでマニュアルも当然、あっちの言葉(汗)
          
4.安定化電源 (メーカ不明)
今回の実験のために5月ごろヤフオクで手に入れたもの
30V-30Aまで対応している
ちなみに私はこれ以後ネットオークションにハマってしまった

5.接続用パラレルケーブル
パソコンとインターフェイス基盤をつなぐ通信ケーブルで
両端D-Sub25ピンのオス形で全線ストレート結線という
特殊なケーブルなため自作した。
合計50本のハンダ付けはかなりつらいっしょ

6.パソコン (IBM製 ThinkPad600)
こういうシステムではデスクトップよりやっぱりノートでしょ
そしてThinkPadならもっとキマルのだ。
(いいかげんな私があえてこだわるこの一品)

結果:実験は成功!モータのトルクも思った以上にあるようで
   こりゃ、うれしい誤算である
   今後はメカに実装し完成を目指していきたい・・・

5Sについて(続編3)

2005年09月28日 | 2005
整頓の事例

工場管理で重要な整頓という課題には、いくつものアプローチや考え方があります。

工場のショールーム化も整頓の一つの方法であり、整頓された状態をどうやって維持・継続させるかが問題となります。

ようするに、折角、整理して整頓しても、またもとの状態に先祖がえりして、同じことの繰り返しが、職場でマンネリ化してしまうことが問題なのです。

そのために、整頓した状態を保つ必要があり、状態を美しくする必要があります。
人は、きれいにしているものは、大事にしようとする習性があり、汚いものは、それ以上に汚れる可能性があります。

そこで工場はショールームのように、商品の展示場所として、お客様の視線を無理やり作って、見られる状態で管理をきちんと行う方法が取られます。

ショールーム化で重要な事は、単に機械を並べたりするだけでなく、作っている製品の加工プロセスがお客様から見えるようにする事が大事です。

そのことで、工場の中を流れる加工品の量を目線で管理して、無駄な在庫や加工を
防ぐ方法がとられています。      
(BY SASAKI)




測定実習 4

2005年09月27日 | 2005
先週に引き続き測定実習の4回目です。

今回はハイトマスターという、測定器を紹介します。
その名のとおり高さ方向の測定を行うときの基準となる測定器です。

一般的にモノを測るというと『ものさし』などを想像しますが、ココにはありとあらゆる測定機器があります。
電気的制御のない測定器の中では最大の重さ(26Kg!)です。
スゴイのは重さだけではありません。測定精度(どれだけ精密に測れるか)は、なっなんと1/1000mm。
熟練者が使えば、さらにワンランク上の1/10000mmまで読み取ることができます。

話は変わりますが、あなたは自分の髪の毛の太さって知っていますか。
個人差はありますが日本人の平均値は0.05~0.10mmだそうです。
つまりハイトマスターは、髪の毛1本の1/100~1/1000の長さの違いを見分けることができるのです。

ココには普段の生活ではとても体験できないような非日常がいくつもあります。
あなたも非常識(?)な世界の住人になりませんか。

5Sについて(続編2)

2005年09月27日 | 2005
工場では、赤札という荷札のようなものを整理したい器具や備品、時には製品にまで貼り付けて、捨てるものを決める場合があります。

要するに、一斉に不用品を選んで捨ててしまいます。5Sの中の整理とは捨てる事で、何かの役に立つからとっておこうという、「あいまいさ」から決別する事です。

中には、どうしても必要な物があり、赤札を貼り付けた品物を、一箇所に集めて
ロープを張って識別して、3日程度で全員にチエックしてもらい、最終的に捨ててしまいます。

何度も赤札に立会いましたが、この最終チエックの時点で、元に戻す品物は数点しかありませんでした。

こうした赤札を半年に1回程度は実施して、工場の血液の流れをよくすることで
物つくりのスピードも上がってきます。

次回は整頓について話します(by sasaki)

アームロボット その3

2005年09月22日 | 2005

図面を書いていて、ふと感じるのがここ2・3日ですっかり秋らしくなってきたなーということです。きびしかった残暑もようやく終わりを告げたようで、とても快適に製図作業をおこなっています。つい1週間前まで汗で図面が腕に張り付いていたのがうそのようです。

午後からはNCプログラムグループとアームロボット製作グループに分かれて作業を進めました。週2回しかこの時間に当てられないため、思ったほどペースアップできないのがつらいところです。

設計の段階で完璧に仕上げたつもりでも、いざ加工や仮組み作業に入るといろいろな修正点が次から次へと出てきて当初のスケジュールどおりにいきません。

ひとつのものを作り上げることがいかに大変であるかを実感します。

9月中に加工を終了し最終の調整作業に入る予定でしたが、まだパーツ加工の真っ只中という状態です。

写真はベースプレートというアームを支えるフレーム部品の加工を終えたものです。通常、加工部品はバイスなどで支持しますが、輪郭加工のため固定台にボルトで固定し加工をおこないました。

やればやるほど悩みが増えますが、連休でリフレッシュして
また、新たな気持ちでガンバロー・・・・・と思う今日この頃です。

5sの実践

2005年09月21日 | 2005
5Sについて補足します。

工場では5Sが工場管理のベースとなっています、私たちがデパートやコンビニで
お弁当を買うときも、キレイな包装と清潔で新鮮なイメージの商品を手にとって
他の商品と比較して、購入するかどうか決めます。

「孤独な群集」という本を書いた、アメリカのデビット・リースマンは、人は商品を人を好きなる方法で選択すると書いています。

清潔でスマートで新鮮で親切な人を好きになるように、そうした商品を購買します。

工場も、そこに働く人に好かれるような工場を実現する必要があり、加工機械はショールームのように、加工状況が誰にでも理解できるように配置され、展示される必要があります。

ようするに、工場そのものが、巨大なデイズニイーランドのように親切で誰にもわかりやすくなる必要があるのです。

加工の流れを掲示して、お客様の視線で構成し掲示する、製品を加工する順番で小口化して並べる、どれぐらいの量を加工するのか、オペレーターが一目で判断できる状態を作る必要があります。

要するに、見られているとう視線を工場の中に無理やり作り出す必要があります。
管理の基本的なベースは視線ですから、視線をきちんと工場の中に配置する必要があります。

5Sの整理整頓なども、こうした見ることと見られる事により、ムダを排除するための有意義な方法でもあります。



フライス盤の精度検査

2005年09月20日 | 2005
測定実習の3回目です。

3グループに分かれて作業を進めました。
①前回熱処理(焼入れ)した部品の研削加工をおこなう班
②モデルワークの穴位置をダイヤルゲージとハイトマスタを使い計測する班
③フライス盤の精度検査をおこなう班

今日は精度検査について報告します。

工作機械は別名マザーマシンとよばれ製品を構成するパーツの加工のために使われますが、高精度な加工をするためには当然機械自体の精度が高くなければなりません。

精度の悪い機械ではどんなに腕のいい職人さんでもいい仕事をすることはできないのです。トンビがタカを生むというのは機械加工の世界ではありえません。

新品のときは精度が出ていても長年使っていると経年劣化やぶつけたりして精度が狂ってくることがあります。

確認の意味でフライス盤の精度検査をおこないました。

①テーブルの左右方向(X軸)の送りと前後方向(Y軸)の送りの直角度
 一辺が200mmの直角スコヤを使いダイヤルゲージで測定したところフレ0.01mmでした。
②テーブル上面とひざ運動(Z軸)との直角度
 テーブル上に置いた円筒スコヤをコラム面に取り付けたダイヤルゲージで上下方向に120mm走らせたところフレ0.02mmでした。
③テーブル上面と主軸中心線との直角度
 主軸端に取り付けたダイヤルゲージを手動で回転させ90度ごとのテーブルとのフレを間にブロックゲージを入れ測定したところ左右で0.03mm、前後で0.0025mmでした。

ほかにも検査項目はありますが、今日はここで時間切れ。
③項については調整の必要ありそうです。



アームロボット その2

2005年09月16日 | 2005
今日はNCプログラムはお休みで、全員でロボットアームの製作を行いました。 先端のハンド部(手)のパーツがようやくできあがり、すでにできていたベース部(土台)とアーム部(腕)を合わせ、ようやく全体像が見えてきました。 先端部はモノをつかむ機能が必要なため機構がとても複雑で(平行リンク)、小さな部品が密集しているところです。さらに最も軽量化しなければならないという制約があるため設計当初からこの製品のキーポイントとなる部分でした。 何度かの設計変更を行いながらようやく完成の見通しがついてきた、というところでしょうか。 でも油断は禁物。 多忙な中で必死になっていたとはいえ、先生に「(部品置き場の)テーブルの上が散乱しているので、整理しておくように」と言われてしまいました・・・。実習室内や自分の作業エリアの環境を整えることは、そこで生産される製品の品質に直結することであり、生産技術者としての基本的資質に係わることです。とても地味なことですが、5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)を手抜きなくきっちりと続けることが作業改善、生産管理改善の出発点となります。 実習室は作業する場所というだけでなく、見学者が来たときにはショールームとして役割もあります。なおさらキレイな環境を保つ必要があるのではないでしょうか。 ・・・という訳で、見学大歓迎です。

NCプログラム NC旋盤編

2005年09月15日 | 2005
現在、生産技術科の加工実習ではハンドリングロボットなどの製作グループとNCプログラム製作グループの2班に分かれて作業を進めている。

今日は、NCグループについて一言。

工作機械はすべての操作を人がおこなう汎用工作機械とプログラムで自動運転するNC工作機械に大別されるが、現在の生産現場では後者が大半を占めている。この機械は一度プログラムをつくってしまえば後はその命令どおり正確(精度は1/1000mm)に加工してくれるというもので、自動車をはじめとする多くの工業製品の高品質、低価格、短納期化のためになくてはならない機械である。

生産技術科にはNC旋盤、マシニングセンタ、NCフライス盤、ワイヤーカット放電加工機などがあるが、今日はNC旋盤のプログラム。

NCプログラムはアルファベットと数字の組み合わせでできている。
工具の移動経路を指示するための位置情報と機械を制御するための情報で構成されている。

言語自体は難しいものではないが加工段取りを考慮してプログラムを組むことにノウハウがある。ただ、これについても自動プログラム作成機能が装備されているので対話形式で必要な情報を入力してやれば瞬時にできてしまうのだが。

今はこの機能を使わずに一つ一つの工程を考えながらマニュアルでプログラムをつくっている。

では今日の成果を発表します。

O0814(SOUGOUKADAI)
G28U0
G28W0
G50S2500
G00X200.0Z200.0
M01

N1T0100M40
G97S600M08
G00G96X70.0Z10.0S120M03
Z0.2
G01X-1.6F0.3
G00X46.4Z5.0
G01X58.4Z-1.0
Z-25.0
G00X70.0Z5.0M09
X200.0Z200.0M05
M01

N2T0200M40
G97S800M08
G00G96X70.0Z10.0S120M03
X0
G01Z-6.5F0.1
G00Z5.0M09
X200.0M05
Z200.0
M01

N4T0400M40
G97S300M08
G00G96X70.0Z10.0S300M03
X0
G01Z-69.0F0.1
G00Z5.0M09
X200.0M05
Z200.0
M01

N6T0600M40
G97S1000M08
G00G96X70.0Z10.0S120M03
X24.6Z5.0
G01Z-62.0
G00X24.0Z5.0
X28.0
G01Z-34.8
G00X27.0Z5.0
X29.6
G01Z-34.8
G00X28.0Z5.0
X33.0
G01Z-10.0
G00X32.0Z5.0
X36.0
G01Z-5.0
G00X35.0Z5.0
X44.6Z7.5
G01X29.6Z-15.0F0.25
Z-34.8
X24.6
G00Z5.0M09
X200.0M05
Z200.0
M01

N7T0700M41
G97S1000M08
G00G96X70.0Z10.0S180M03
Z0
G01X39.0F0.1
G00X46.0Z5.0
G01X58.0Z-1.0
Z-25.0
G00X59.0Z5.0M09
X200.0Z200.0M05
M01

N8T0800M41
G97S1400M08
G00G96X70.0Z10.0S180M03
X45.0Z7.5
G01X30.025Z-15.0F0.08
Z-35.0
X26.0
X24.0Z-36.0
G00X23.0Z5.0M09
X200.0M5
Z200.0
M01
G28U0W0
M30

長くてゴメンナサイ
それではまたあした。Bye!

SR400の部品

2005年09月14日 | 2005
SR400
今日の授業はYAMAHA SR400のエンジンの部品の測定だ。分解したエンジンヘッドのパーツを机の上に展開する。

カムやバルブが並べられ、部品の名称をパーツリストから探し出す。機械の機能と構造を理解して、それぞれのパーツの特性と材質を把握する。

これらを一覧表にして、測定する方法と測定器を選定する。

日本の近代技術は、同じような方法で欧米から持ち込まれた。オリジナルは外国に多いが改良と改善にかけては、日本はおそらく世界でも有数の能力をもっている。

今世界ブランドとなっている多くの製品がこうした方法で研究され改良され、世界のトップブランドとなっている。

こうした製品研究の方法は市場で優位に立つための、競争戦略の一形態とも言える、開発コストと時間的な優位性において画期的な方法の一つではあるが、特許や製法できちんと参入障壁(簡単に作れないこと)を設けている場合が多い。