夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

ウィーンで見た音楽~バッハ:マタイ受難曲

2005-04-08 | music
 マタイ受難曲はバッハの最大かつ最高傑作であるだけでなく、クラシックの長い歴史の中でも比肩するものを見つけるのすらむずかしい作品でしょう。私自身、よく言われるドストエフスキー体験と同じような意味で、「マタイ受難曲体験」があります。  これがかのムジークフェライン・ザールで聴けるというプログラムに惹かれて、行ったのです。ところが、演奏はどうもセミプロ程度のもので、例えばその前に横浜で聴いたカー . . . 本文を読む

役に立たない勉強

2005-04-07 | philosophy
 「いちばん嫌いな教科は?」と訊かれれば数学がダントツでしょう。その傾向が小学校、中学校、高校と上がっていくにつれて加速されているという記事を読んだことがあります。文系、理系の志望動機も数学ができるかどうかがカギのような気がします。であれば、数学なんか社会に出て何の役に立つのだ?という八つ当たり的な疑問が湧くのも当然でしょう。  確かに研究者や技術者になって数学を日常的に使う仕事に就かない限り . . . 本文を読む

今日聴いた音楽~Cristobal de Morales Requiem etc.

2005-04-06 | music
モラーレス(ca.1500-1555)は、ルネサンス期のスペイン生まれの作曲家ですが、教皇パウルス3世の下で活躍し、次の世代の巨匠パレストリーナ(1525-94)にも大きな影響を与えました。スペイン生まれの作曲家と言えば、私見ではヴィクトリア(1548-1611)が最高峰ですが、モラーレスの音楽は彼のような見上げるばかりのスケールの大きさを持ってはいませんし、直接的影響を聴き取ることもできません。 . . . 本文を読む

静かで、青い朝

2005-04-05 | tale
  すべてがデータになる前に(8) 「わぉ。とってもインプレッシヴな光景ね」と小さな喚声をドアからナースが連れ出してくる。ひらひらひら、まーちゃんが指を回すのは、いつもの廊下のほの暗い冷たさ。ちょうちょなんかいないって、ぼくは言いたくても言えない。君の目が魚のように映ったなんて。  陽が射してきている。見る間に大きな樹がかぶさってくる。ジャージを変てこなふうに着た女から、甘えたような匂いが . . . 本文を読む

ウィーンで見た音楽~ショスタコーヴィッチ:弦楽四重奏曲第7番

2005-04-04 | music
かなり前になりますが、ウィーンに2年ほど住んでいました。その間は、オペラやコンサートによく行ったものですが、帰国してからはほとんど行ってなくて、もっぱらCDやDVDです。そうなった理由はグレン・グールドと同じです、というのは冗談で、お金がないのと面倒なだけですが、ウィーンで見聞きした演奏のいくつかは、今でも音楽を聴くときのメートル原器のようなものになっている気がします。 その演奏を時々ご紹介し . . . 本文を読む

今日聴いた音楽~Music of the Troubadours

2005-04-03 | music
リンクさせていただいているyuhotoさんによると、私は吟遊詩人なんだそうですので、「トゥルバドゥールの音楽」を採り上げることにしましたw。CDの説明によるとトゥルバドゥールとは、12世紀頃に南仏で活躍した、様々な身分の恋愛をテーマとした詩人たちのことで、2,000を超える詩と200を超える旋律が残っているそうです。  このナクソスのCDは、「声も楽器もノリノリ、一体いつの時代のどんな音楽? . . . 本文を読む

史上最大の発明

2005-04-01 | philosophy
 世界三大発明というと活版印刷、火薬、羅針盤だそうで、ヨーロッパの覇権確立という観点から言って肯けるものがありますが、私は現在のアメリカの隆盛とイスラム世界の台頭ぶりを見ると、一神教こそが人類史上最大の発明ではないかとひそかに思っています。宗教が発明品だなんてとんでもないことを言ってるようですが、(仏陀やキリストやムハンマドのように)宗祖のいる宗教はそう理解した方がわかりやすいでしょう。  キ . . . 本文を読む