夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

地平線のドーリアとは何か?

2016-06-24 | music
 本棚をほぼ占拠してる1300枚余りのCDを2テラのHDDにリッピングしたのをiTUNESのシャッフルで、ずっと聴いているので、あー、バッハがまた出てきたーくらいのもので、いちいちどんな曲なのか、気に留めていないんですが、ふと武満徹の地平線のドーリアが気になりました。なんなの?この曲?何が言いたいのかさっぱりわかんないよってことです。

 で、また説明が必要になるんですけど、iTUNESではテロップみたいに流れる曲名は"Dorian Horizon"でした。ドリアンのホライズン? これってドーリア調なのかー。あんまりそうは聞こえないなー。ドリアンって言えばバッハの"Toccata und Fuge d-Moll BWV 538"がそう呼ばれてるけど、あれもそういうふうには聞こえない曲だよねって感じで、混迷し始めてしまったのです。Horizonって水平線?地平線?曲の感じは草原と言えば草原なんで、地平線だろうということで、これは彼自身が言ってるから問題はないでしょう。

 変なこと言ってます? でも、ウィキに依るとアメリカ国会図書館のセルゲイ・クーセヴィツキー財団からの委嘱として1966年に作曲され、同年に完成されたんですから、英語のタイトルが先にあったと考えても変じゃないでしょう。すると問題はDorianとは何か?ってことに絞られたなとぼくは思いました。

 ウィキはまた、タイトルの「ドーリア」とは、ドーリア旋法のことで、作品は線的な動きとして顕われ、要所に自由なドーリア旋法が用いられていると述べて、また混乱させてくれます。この場合のドーリア旋法っておおざっぱに言って3つあるドーリア旋法のどれのこと?自由なドーリア旋法ってなんのこと?といったことです。いやいや、ふつうドリアンって言えばレ、英語ではDの音から白鍵だけで音階をたどっていくものだから、ミとシに♭がつくわけだよね。もちろん♯が2個のニ長調とも、♭が1個のニ短調とも全然違うし、だいいちこれは旋法modeの話で、調keyの話じゃないし。

 さらにウィキには、2つのテトラコルドによるドーリア群からうたを引き出し、4度、5度、長2度の和音から笙、いわゆる東洋と、流動的で不思議な軟体的音響、いわゆる西洋とを、繊細に激しく響かせていると書いてあって、さらに迷走させてくれます。ドーリア群ってやっぱり古代ギリシャの一部族みたいな?テトラコルドってその部族長みたいな? さらにさらにアルメニアって東洋系民族だっけ?軟体的音響って西洋的音楽の特徴だっけ? 知識不足のぼくには到底理解できません。

 ここで天啓でもあればと3分待たずに祈りましたが、何も下りて来ません。ただの雰囲気だよ、ノリだよ、ドリアンっぽいでしょ?ホライズンっぽいでしょ?考えすぎると痩せちゃうよという声はどことなく聞こえたので、あー、これってダイエット用の音楽だったのかと腑に落ちたような気がしました。確かに武満徹は痩せてますしね。でも、この曲でN饗を指揮してる岩城宏之はメタボっぽかった気がするんですよね。

 でも、困ったことに、そうするともしかしてオスカーワイルドのドリアングレイの肖像を引き出そうという魂胆なのか?岩城は武満の実像なのか? いや、待てよ、ひょっとするとモンドリアンのブロードウェイブギウギじゃないか?そっかぁ、アメリカからの委嘱だからニューヨークの喧騒を皮肉ったのか?やるなーとあらぬ方向にぼくは走って行ってしまうのでした。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。