夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

有楽町で逢いました。"Canticle"

2016-02-08 | poetry


  有楽町で逢いました。"Canticle"

有楽町駅から日比谷駅まで歩いて、改札口で会ったら、
(織田有楽斎ってへうげものだよね)
すぐにタバコ吸いたいって君が言って、
国民の2割がまだ吸ってるのにふざけてるよね)
日比谷公園の端っこの地下鉄出口で1年ぶりに話をした。
(焼き討ちされた松本楼はおいしくないんだよ)
ひょいと冷たそうな黒い大理石に腰掛けた君の脚を見ながらニーソが似合うねとか。
(エンタシスまであるね)
ペニンシュラホテルの脇やマリオンの手前で、寒い寒いって言うから、
(半島とペニスは同根の言葉なんだ)
びっしりビルが建っていてもすき間はあるんだよと言ったり。

高速の下の西銀座インズに入る前にずっと行くと三越なんかがあってとか、だいたいの地理を教えたら、
(チャイニーズがいっぱいいるよって言ったら)
苦手だわーと言う。
(そりゃ、日本人と振る舞いが違うからね)
そりゃ、パンキッシュな服で、唇に3つもピアスをつけてる人はここらにはいないよねーと笑った。

でっかいキティちゃんやファントムオヴオペラの髑髏を見ながら、
(原宿ほどインスピレーションを喚起するモノはここにはないよね)
君がタコライスで、ぼくがデイリーランチで、器の違う同じ味噌汁を飲みながら、
(タコはオクトパスで、10月はたそがれの国だね)
ちょっとだけ身の上話を聴きながら、
(スカボローフェアのギターはとっても素敵だ)



ぼくらは絶え間なくおしゃべりをして、
(まるでballadのように)
ちらちら変てこなカップルを射る視線をはね返すようにタバコをふかしながら、
(Reflectionがないのさ)
やさしく笑い合った。

45歳若返ったらっていう新ドラマのポスターの前を3回通る間に、
(松坂慶子はgreedyなのかな)
57-24=33って計算をしたり、
(昭和33年は一万円札とチキンラーメンと東京タワーの誕生年だったかな)
木曜日が誕生日で23-45=-22だからかな、
(これも2個の素数の掛け算だね。絶対値でだけど)
30歳で死にたいって会ってすぐに言ってたけど、
(シューベルトやランボオより早く、ガロアやエゴンシーレより遅く)
お布団の中では15歳になったりもした。

大阪百貨店でメロンソーダとアセロラソーダを飲みながら、
(日世の大きなソフトクリームが2つもあったね)
大阪行ってみようか?
うん、行きたいー!
温泉は?、群馬の山の中とか。
行くー!行きたぁい!
フィリピンに行くつもりなんだ。
あたしも行きたいー!
どこでもええんかいっ!って突っ込みながら、
("N'importe où! n'importe où! pourvu que ce soit hors de ce monde!")
ぼくは悲しそうな目になったかもしれない。

15センチ近くあるもらった靴が痛い、階段無理って言うから、
(ラフカディオハーンはイギリス軍医でアイルランド人の父とギリシャ人の母の子どもで、レフカダ島生まれなんだ)
送っていく途中に無印良品で赤いスニーカーを買ったらスキップできるって言ったり、
(うん、ブランドだよ。ぼくはスキップできないなぁ)
100円くらいのお饅頭やチョコを全部買ったり、
(脳が糖分を欲しがるからね)
なくしたパスモの代わりを買ったり、
anonymのでいいよね)
そうやって自然と音楽好きの2人はもっと仲良くなった。

日記みたいな詩だけど、ぼくはもうあんまり工夫する気がしない。
(だのにこんなことを書き加えてる)
もっと大事なことがいっぱいあるし、
(中世がぼくを待ってる)
こんな時間に身を粉にして働いてる君のことを考えているから。
(人間はコーヒー豆じゃない)
君はマジメで、ぼくはいい加減で、
(嫌いな都心にはるばる来てくれたのにぼくはそわそわしてばっかだった)
いろいろ両極端な2人だから、うまくやっていける気がするってね。










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