夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

ジャパン・レクイエム:Requiem Japonica(17)

2005-07-23 | tale
 それからしばらくは平和な日々が続いた。輪子の長いような、短いような夏休みも終わってしまった。いつの間にか、入道雲が彼方まで立ち上がる季節から、青空を箒で掃いたような雲の季節に変わっていたのである。  宇八も欽二ももう日曜のミサには出なかった。残暑が厳しいこの都市で、にわか信者がそう長続きできるものではない。時木茉莉もミサに顔を出さないことが多くなったこともあって、栄子はあの夜のことも、自分の . . . 本文を読む