Knockin' on heaven's door

NFLとNBAとその他諸々

道尾秀介「片眼の猿」

2015-12-09 22:24:45 | 読書
この作者の本は、
今年4冊目。
今年、一番読んでいる事になるかも。

舞台は東京。
盗聴専門の探偵の主人公が、
内偵にもぐりこんだ企業で
殺人事件の一部始終を盗聴し、
スカウトした同業の女がどうのこうの、
とか色々盛りだくさんで
展開していくお話。

お話自体は非常に読みやすく、
伏線も見事でした。
何気なくはさまれているわけではないですが、
見事なまでに回収を。

個人的には、アパートの面々が
とても良かったと。
彼らだけでも、1作とは言わず、
何作かはお話作れそうなくらい。

「片眼の猿」の謂れも、
「犬は何故あんなに鼻が利くのか」
の流れも、完全にやられました。

映像化は絶対に不可能な作品ですが、
そういった作品は、
結構好きだったりします。
(「ハサミ男」とか)

軽いタッチでヘヴィーな物語を書き、
軽くいなしているような感じで、
油断していると、
重さも感じないかも。

なのに、時間を置いて感想を書いていると、
あまりしっかり記憶に
残っていなかったりもして・・・。

本の内容どうこうではなく、
自分の記憶力の問題かもと、
凹んでみたりしています。

良い作品だったので、
しっかり覚えておきたいと、
思うような1冊でした。

しっかり忘れて、
改めて読み直すってのも、
いいのかも・・・。