国家戦略特区とサガハイマットについての一般質問を転記します。
まず、最初に国家戦略特区とサガハイマットについてお尋ねいたします。国家戦略特区第3次申請の追加提案おけるヒアリングを受けて、国家戦略特別区域法に規定する規制改革事項として、サガハイマットを核とした医療分野における追加検討をされたとのことですが、その内容についてお聞きしたいと思います。残余の質問は質問席からさせていただきます。
(答弁)
江副議員のご質問にお答えいたします。
国家戦略特区については、農地・都市計画関連における規制緩和を中心に、昨年8月の鳥栖市の単独提案に続き、本年6月5日に福岡県小郡市との共同提案を行い、今回、基山町を加えた2市1町で「九州ブランディング拠点創生特区」の共同提案を行ったところでございます。
11月12日には国家戦略特区ワーキンググループによるヒアリングの招集があり、2市1町の首長によりヒアリングを受けたところでございます。
その際に、新たな規制改革事項の追加検討についてのご指摘等をいただき、医療等関連の規制改革事項について検討を行ってまいりました。
国家戦略特区法に規定されている、医療等関連の規制改革事項の内容といたしましては、
○高度な水準の医療の提供を目的とした、病床規制の特例による病床の新設・増床の容認
○医療法人のガバナンス強化を目的とした、医療法人の理事長要件の見直し
○地域医療分野における、臨床修練制度を活用した国際交流の推進
などをはじめとした、7項目が掲げられております。
こうした規制改革事項を参考として、サガハイマットを核に追加の検討を行うため、関係者との協議を重ねてきたところでございますが、課題等の検討項目が多く、かつ関係者との協議・検討するためには、スケジュール的に困難であることから、最終的には現段階において新たな規制改革事項の追加は行わないこととした次第であります。
今後は、国家戦略特区ワーキングループにより関係省庁のヒアリング等を通じた関係省庁との調整が実施され、最終的には、国家戦略特別区域諮問会議における調査審議を通じて、提案に係る対応方針が決定される予定でございます。
以上、お答えとさせていただきます。
ご答弁にありましたように2市1町の首長によりヒアリングを受けた際に、新たに医療等関連の規制改革事項の追加検討についてのご指摘等をいただいたというのは大変重要なメッセージだと思います。このままでは合格にはできないけど、このまま不合格にするのは惜しい。見どころもあるから助け舟を出して何がしかのチャンスを与えてみたいのではないかと私は感じます。
平成25年10月18日に日本経済再生本部が国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針という国家戦略特別区域諮問会議とは何を目指すのかというものを定めています。現在の国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の土台になっている基本方針になっていると認識していますが。
それによりますと、日本の経済社会の風景を変える大胆な規制・制度改革を実行していくための突破口として、「居住環境を含め、世界と戦える国際都市の形成」、「医療等の国際的イノベーション拠点整備」といった観点から、特例的な措置を組み合わせて講じ、成長の起爆剤となる世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するため、「国家戦略特区」の具体化を進める、とあります。
医療は6つの具体的な分野の一つとして冒頭にあります。そこを見てみますと
国内外の優れた医師を集め、最高水準の医療を提供できる、世界トップクラスの「国際医療拠点」を作り、国内に居住・滞在する外国人が安心して医療を受けられることはもとより、世界中の人たちがそこで治療を受けたいと思うような場所にする。
また、特区内で、「国際医療拠点」として相当の外国人患者の受け入れを見込む医療機関について、高度の医療水準の確保を条件として、以下の規制改革を認めるとともに、臨時国会に提出する特区関連法案の中に必要な特例措置を盛り込む。
国際医療拠点における外国医師の診察、外国看護師の業務解禁
まさに、サガハイマットの国家戦略特区申請を待っているかのような規制改革事項が書いてあります。
サガハイマットを核とする追加提案を検討していた鳥栖市は、公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団の評議員および、理事という経営に対する発言権を持つ立場であります。
国家戦略特区法には、国際医療拠点における外国医師の診察、外国看護師の業務解禁などの先進的な規制改革事項が盛り込まれており、実現できればブランディング拠点都市を目指す上での効果は高いものと考えられます。
鳥栖市は財団における評議員や理事という立場を活かして、積極的にこれらに取り組んでいくべきと考えますがいかがでしょうか。
江副議員のご質問にお答えいたします。
今回、国家戦略特区法に規定する規制改革事項として、サガハイマットを核とした、医療分野における追加検討を行った背景といたしましては、九州で唯一の重粒子線がん治療施設であるという点に加え、議員ご指摘の通り、公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団の評議員や理事としてサガハイマットの運営に参画している本市としても、九州ブランディング拠点創生特区に追加することで、医療分野においても新しい人的、経済的な流れが生まれることを期待したためでございます。
現在のサガハイマットの治療実績は、10月末現在で1,029人となっており、九州を中心に全国各地から治療に見えられており、当初の事業計画を大幅に上回る治療実績を重ねているところでございます。
また、台湾放射腫瘤(しゅりゅう)学会との学術交流やハワイ大学がんセンターとの医療機能連携に関する協定をはじめ、国外の医療関係者等の関心も高いと伺っております。
こうした国際的な展開可能性にもつながるようなポテンシャルは、街づくりの点からも、大きな魅力であると考えられるため、今後も佐賀国際重粒子線がん治療財団との連携、協力を重ねてまいりたいと考えております。
以上、お答えとさせていただきます。
このサガハイマットに関する質問は先の全員協議会において橋本市長が国家戦略特区に関する議会へのご報告がありました際、その場でお尋ねしたものです。その時橋本市長は今後追加の応募があるかどうかわからないという理由から、本件についてあまり積極的な印象は残念ながら感じられませんでした。しかし、
今後、仮に国家戦略特区の再度の申請チャンスがなかったとしても、本件にあるような課題は、いずれあまねく日本国内で規制緩和項目として進められるものと認識しています。サガハイマット「九州国際重粒子線がん治療センター」の名にあるとおり、国際性を目指すミッションがあることからしても、こうした課題に引き続き挑戦し、ブランディング、企業価値の創出拡大を支援していくべきと考えますがいかがでしょうか。
江副議員のご質問にお答えいたします。
議員ご指摘の通り、国家戦略特区法の目的は、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図ることであるとされております。
さらに、本年6月30日に閣議決定された、デフレ脱却に向けた動きを確実なものにし、将来に向けた発展の礎を再構築する「『日本再興戦略』改訂2015」においても、地域における医療の基幹産業化の方針が示されており、同戦略中、2020年までに成し遂げるべき中核となるプロジェクト「改革2020」において、「高品質な日本式医療サービス・技術の国際展開(医療のインバウンド)」が盛り込まれており、粒子線等によるQOL(生活の質)に優れた最先端治療は、海外からのニーズが高く、国際的優位性を有する医療分野の一つとして期待されているところでございます。
サガハイマットでは、開設前の安倍総理大臣の来訪に続き、本年10月31日には麻生副総理が来訪され、「重粒子線がん治療施設が、九州の鳥栖にあることがとても大事なことである」と述べられ、重粒子線がん治療の更なる普及に期待感を示されているところでございます。
本市におきましては、まずは、国家戦略特区について、国や関係者へ働きかけながら、国の動向を注視してまいりたいと考えており、サガハイマットを核とした、医療技術等に関する施策展開の可能性についても、佐賀国際重粒子線がん治療財団との連携、協力を重ねてまいりたいと考えております。
以上、お答えとさせていただきます。
鳥栖市は「居住環境を含め、世界と戦える国際都市の形成」、「医療等の国際的イノベーション拠点整備」といった成長の起爆剤となる世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するための「国家戦略特区」の趣旨に賛同し、これまで並々ならぬ努力を長きに渡り続けてまいりました。その可能性がある限り戦う姿勢を示していただきたいとお願して次の質問にまいります。
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