江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

畏れという知性

2011-04-05 10:52:07 | 先端産業

指山県議が街頭演説
昨日指山清範県議候補の選挙応援に同行しました。
私の地元原古賀町では私自らマイクを持ち応援いた
しました。街頭演説を打つというので指山さんを紹介
すると、何と重粒子線施設建設促進の必要性を熱く
語り始めました。非常にナイーブなものを抱えている
ので、どうしたことかと心配しましたが、地元の方の
安心安全に対しても配慮しなければならないという
バランスも一応保たれており、ちょっと安堵しました。

電気の供給を賄うには
指山県議は原子力行政の必要性を推進してきた立
場ですから、今回の福島原子力第一発電所の事故は
かなりショックな話だと思います。長期的には代替エ
ネルギーへの転換を図らなければならないが、現実
問題として安全策の強化により住民の安心安全を
何とか確保したいという訴えでありました。

生活圏と施設を出来るだけ離す
私はこの問題に対する解決策は大きく二つあるので
はないかと思います。
一つは、原子力施設から可能な限り人々の生活圏を
引き離すということです。原子力発電所は一旦事故が
おこると原子炉の火の粉が飛び散るのは想定される
事です。なるべく人里はなれたところに設置し、ダムに
より水没される方々に移転のご苦労をお掛けするよう
に原発の近くの方々には移転をお願いするしかないと
思います。
しかし、今後新たに陸地に原発を建設することは厳し
くなったと私は思います。ではどう対処すべきなので
しょうか。それは地下深くに原子力施設を建設するし
かないでしょう。地盤が安定した地下深くを探すしか
ありません。そして事故が起これば閉鎖するということ
になります。

人の代わりにロボットが
もう一つは既存の施設の利用継続のために、ロボット
の活用を義務付けるということです。今回の事故によ
り、生身の人間がまさかの事故の際、原子炉近くが
如何に活動しづらい環境であるかということが明らか
となりました。原子炉対応のロボットにより、如何なる
時も瞬時に対応できるロボットの開発が急がれます。
この分野は日本が最も進んである領域、ある種、お
家芸とも言えるのではないでしょうか。

畏れという知性
原子力発電所は過去のデータから予想される事態に
対して万全を期しているから、安全ですよと言って地元
に協力を求めてまいりました。しかし、人智を超えた
今回の大地震そして大津波の前には完璧という言葉
は通用しませんでした。我々はそうした神のぞ知る
領域、「畏れという知性」をもっと大事にすべきと思い
ます。そして、原子力施設は危ないからという「恐れの
感情」のみに拘っては現実問題として何ら前進しませ
ん。今回の事故で、首都圏では計画停電という事態と
なりかけました。それがどのような混迷を人々にもた
らしたか。如何に電気という便利で強力なエネルギー
で築れた社会であるかと思い知らされました。
原子力近隣の住民のある意味潜在的犠牲の上に立
って我々の社会は成り立っているのです。

低濃度の放射線を浴び続けるリスク
重粒子線施設の問題も基本的には原子力発電所の
この問題と同じです。こう言うと電源を切れば直ちに
放射線漏出が遮断されるのだから違うんですという
議論がなされます。
事故が起こった際に大量の放射性物質が飛び散るの
ではないことは最もですが、稼働中施設の近隣住民
が低濃度の放射線を浴び続けるリスクにさらされてい
るということが問題なのです。

理屈ではなく慎重に
重粒子線施設の元締めともいうべき放射線医学総合
研究所は、重粒子線を医学にどのように使えるかとい
う研究の他に、低濃度の放射線を長期間浴びた場合
の人体への影響を研究しています。
その研究は得られたデータの蓄積の上で成り立ち、
これか色々な成果が発表されることでしょう。
重粒子線施設の安全性は一世代、二世代経たないと
人体に対する影響など責任もって論じることは出来ない
と私は思います。

大電力を必要とする新たな施設
私はそうした主張により重粒子線施設は人里はなれた
場所が適当だと言ってきました。もし私が誘致する立場
の市長であれば現在の場所になど絶対に許しません。
また、がん患者が希望の光として待っているという宣伝
を良くされます。そのような患者が駅前の場所に拘るは
ずはありません。重粒子線はがん治療ツールの一つと
して加わるというにすぎません。これまで築かれたあら
ゆるがん治療がベースとなることにこれからも違いはあ
りません。
そして原子力の事故により、原子力施設付近の住民の
犠牲が大きく報道されるにつき、大変な電力を必要とする
重粒子線施設が稼動すれば、また原子力発電所に頼
らなければならない、そして地域住民の不安という犠牲
をまた強いるという悪循環に陥るのではないかとも思い
ます。
現在計画中の重粒子線施設は日中しか稼動しません。
また、ピーク電力を押し上げてしまいます。

恐れという感情
原子力施設、あるいは重粒子線施設ともに地域住民は
全体設計を自らしたわけでもなく、まず、「恐れという感情」
が先にたちます。それをケアーしてあげなければなりま
せん。
重粒子線施設が予定通り建設されるのであれば、その
ケアーをしていただくように私としても行動しなければな
らないと思います。
住民の要望は、家の前にセンサーを設置してくださいという
ものです。あるいはコンクリートの遮蔽建屋に銅板か鉄板
鉛板を巻いてほしいというものです。
それくらいの要望は対処すべきではないでしょうか。
隣接する地域住民に対して、決して軽々にいい医療施設
だから黙れなどとは言わないでほしいと思います。

追加の区画整理事業
私は何と言っても、施設から住民の生活圏を離すのが
一番だと思います。よって、今回の事の始めともいう区画
整理事業区域を拡張し、現在不安を訴えられている地域
住民を安心できる区域に移すというのが賢明な妥協でき
る解決策だと思います。
安全だ安全だというだけで素人を説き伏せるというのでは
先ほどから言うように技術に対する驕りがあると私は思い
ます。自分には想像できないことがあるかも知れないと
いう「畏れという知性」が進める立場の人には必要では
ありませんか。




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