Tosh!'s Blog

ただ生きるな善く生きよ(ソクラテス)

ダメ男 ー其の肆ー

2011-09-27 05:58:40 | 人生

「肆」は金銭証書や登記等の間違いや改竄を防ぐ為の大字(だいじ)の四である。「肆」は放肆(ほうし)の様に勝手気まま、ほしいままと云う意味もあるから、ダメ男振りに相応しい。

そうなのだ。私は人からどう思われようと、自分の道を行く勝手気ままな男である。だから軍隊など勤まる筈もない。規律も納得がいかないと逸脱するし、ぶち壊すかも知れない。

気に喰わない会社の労組も、御用組合と形骸化していると、役員に推薦されても「俺を入れたら第三組合(既に第二組合があった)を作るぞ!」と断って来た。誰が敷かれたレールなどに載るものかっ!と、或る意味、頑固者である。組合集会は春闘でもエイエイオーと拳を挙げるが、私は両腕を組んだまま、シラケっ放しである。そう云う会社では異端児であり、上司も手を焼いたろうね。

或る会議、私の仕事にも影響の出る重要な案件がある事を聞きつけ、呼ばれてもいないのに会議に乗り込んで、反論してきた。本社の課長クラスも居る会議に、ヒラの私がぶち壊しに行って来たのである。システムの改造が必要で、システム部門も呼ばれていないのに、勝手に仕組みを変えられても仕事が成り立たなくなるのである。結局その案件は没になったから、それはそれで良かったのだが、組織に属する社員としては烙印を押される。ホワイトカラーにブルーカラーが歯向かうのだから、規律が壊れる。

設計部門が仕様も決めるのだが、その仕様の記載に明らかに誤りがある。ミスばかりするから仕様の記載を誤認しているのが読み取れた。設計部門に乗り込んでは、その仕様を決めた係長の席に行き、仕様書を机に放り投げ「こんなミスばかりされては仕事にならないんだよ!」と周りに部下や他のグループも合わせ30人程いる部屋で怒りをぶちまけた。係長の発した言い分は仕様の書き方を理解していない事を裏付ける言葉だった。その様子を見ていた他のグループの係長だか課長だか、私の所属するグループの上司と知り合いだった様で、「迷惑を掛けたね」と謝罪の電話があった様だ。その後私が叱責を加えた係長はセールス部門に飛ばされた。その係長の人生をも私が変えてしまった。

設計部門は社外秘情報を多く抱えている、入室は制限されており、所属氏名も記載してから入る。私は勿論アポなしで行っている。文字通りのブルーカーラーの制服を着ているから目立つ。

そんな事ばかりをしているのだから人事評価が下がり、給与も上がらない。家族を養っていたら、妻からも飽きられるだろうて。

然りとて、そう云う会社の方向性を変えたのだから、その重責は重々承知している。それら重圧が肩に伸し掛り、それだけが原因ではないが不眠症を経て「うつ」に陥ったのである。嫌な役回りでも、他にやる者が居なかったからせざるを得ない状況でもあったのだが、そう思っているのは私だけだったかも知れない。誰も私に頼んだ訳でもない。

私の職責に於ける立場より、上に対しては厳しく当たる。下に対しては丁寧に対処する。私が辞める時の挨拶回りでも、私が辞めれば「その後どうなるの」と慕われていた事を実感した。「御免ね」としか言えなかった。

上に歯向かうと云うからとて、ただただ権力を敵視している訳でない。私のポリシーにそぐわないと、正そうとするのだから、他人様から見ると身勝手だろう。自分の手に負えないと無視をする。

簡単に自分を表すと「天の邪鬼(あまのじゃく)」である。自分がそうである癖に、他所様をへそ曲がりと評する自分が居る。お前は一体何様だと思ってくれて良い。