【 Target  】   戦略、あるいは目標の重要性

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正しい経済の見方

2007-08-17 | アンテナ

 こんばんは、鶏屋toriyaです。

■米サブプライムローン問題により、世界同時に株価が下がり続けていますが指導者層は楽観論を展開しています。


  尾身財務相、サブプライム問題「ヤマ場越えた」

 尾身幸次財務相は15日の閣議後の記者会見で、米国のサブプライムローン問題を受けた市場の動揺について「まだ完全に収まったとはいえないと思うが、全体として大きなヤマ場は越えた感じを持っている」と述べた。閣議の前にこの問題を中心とした国際状況について安倍晋三首相に報告したことも明らかにした。
               8月15日(水)   産経新聞


[東京 16日 ロイター] 竹中平蔵前総務相(慶応義塾大学教授)は16日、ロイターのインタビューに応じ、世界金融市場の動揺の契機となった米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題が米国経済や信用システムを揺るがすような事態にはならないとの認識を示した。



■こんな上の方の様な詐欺師の楽観論を信用する方は、私の記事を見る読者にはいないはずです。このように市場は混乱しています。



   資金あふれ大混乱 米FF金利乱高下

 米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き増を端緒に波及した世界同時株安で、金融機関同士が資金を貸し借りする短期金融市場も一時、大混乱に陥った。世界的な株安は一服したが、その陰には、「異常ともいえる」(米市場関係者)中央銀行の資金供給があった。

    中央銀が大量供給、株安3日で一服

 短期市場の動揺は9日、仏大手証券BNPパリバがサブプライムローン問題の影響で傘下の3ファンドを一時凍結すると発表したことがきっかけで始まった。

 欧州中央銀行(ECB)が即座に事実上無制限の資金供給を実施し、総額950億ユーロ(約15兆4000億円)を市場に投入。続くニューヨーク市場でも、米連邦準備制度理事会(FRB)が計240億ドル(約2兆8000億円)を供給した。同日の株価はニューヨークのダウ工業株平均が今年2番目の下げ幅を記録するなど軒並み急落していた。

 だが、短期金融市場が最も「危機的」(大手銀行)な状況に陥ったのは翌10日のニューヨークだった。ECBが連日の大量供給を実施したのにもかかわらず、欧州株が続落。米短期金融市場の雰囲気が一変した。

 短期金利の目安になるフェデラルファンド(FF)金利は10日朝、FRBが誘導目標とする5.25%をはるかに上回る6%に急伸。FRBは声明文を出した上で、190億ドル(約2兆2500億円)を供給した。

 だが、FF金利は5.38%程度までしか下がらず、FRBはさらに2度、資金供給を実施。今度は巨額の資金が市場にあふれ、FF金利は取引終了直前に0.75%まで急降下した。

 FF金利は通常、誘導目標の上下0.2%幅程度で推移する。「6%から1%以下まで乱高下するのは異常」と市場関係者は指摘する。

                 2007年08月15日 朝日新聞


■大量の資金供給により一旦は収まりかけた市場ですが、早くも下落が始まったようです。


             NY株:続落

 【ワシントン木村旬】16日のニューヨーク株式市場は、米住宅ローンの焦げ付き問題に端を発した信用不安を背景に大幅続落し、前日に1万3000ドルの大台を約4カ月ぶりに割り込んだダウ工業株30種平均の下げ幅は、一時200ドルを超えた。正午時点は前日終値比195.50ドル安の1万2665.97ドル。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は同日朝、信用不安の鎮静化を図るため、2回にわたって総額170億ドル(2兆円弱)の資金を短期金融市場に供給した。ただ、信用不安は根強く、世界的な連鎖株安に歯止めがかかっていない。

   毎日新聞 2007年8月17日 0時26分 (最終更新時間 8月17日 1時07分)



      欧州市場:全面安に

 【ロンドン藤好陽太郎】欧州の各主要株式市場も16日、全面安の展開となった。ロンドンのFT100指数は一時、前日終値比で3.7%急落。パリ市場のCAC40指数、独フランクフルト市場のDAX指数も3%前後まで下がった。

 これまで金利の低い円を借りて、高金利国で運用していた投資家が円の買い戻しに転じる中、金利の高い新興国の株式市場が大幅に下落した。トルコでは一時、約7%、南アフリカでも約4%の下落幅となった。銅など商品市況も値を下げている。

         毎日新聞 2007年8月17日 0時32分


■私が何が言いたいかもうお分かりですか。少し結果を言う時期が早いようですが、米経済が表面上でも破綻し始めた兆候を示しています。2010年を目途に、米経済を破綻させる計画が噂されています。その実施時期が少々早まった可能性があります。
 このサブプライムローン制度破綻は、アメリカにとって非常に深刻です。
この時期になって次々と住宅ローン会社が破綻していますね。借り手のローン返済が生き詰まり、無謀なリゾート開発貸し出しなどが原因です。
 さあ、ここからが本質です。

 <引用開始>

 大和総研コラム  サブプライム問題の本質

 文字通りのサブプライム層(信用履歴の低い借り手)、つまり、所得が少ない、もしくは返済を遅延したことのある層に、過度に貸し込んでしまったことである。米国では従来から、信用履歴が低くても高い金利さえ支払えば、ローンを組むことが出来た。それがバブル化したのは、金融機関がリスクの大きい住宅ローンを推進したためである。

 あまり騒がれていない話だが、実は2006年に借り入れたサブプライムローンでも延滞率が上昇している。未だ3年経ってないのに、何が起こっているのか。ここに、もう一つのバブルがある。リゾート地の住宅価格は、ここ数年跳ね上がってきたが、コンドミニアムを完工前に転売する、現地も見ずにインターネットで売買するなどのケースが目立った。こうなると、完全にマネーゲーム。信用履歴も低くない層が「審査が甘くて早い」という理由で、サブプライムローンを利用していたのである。しかし、リゾート・バブルが破裂。こうした地域の住宅価格が急落したため、最後にババを引いたローンの借り手が住宅を売るに売れず、返済できなくなっているのである。

 < 引用終了 >


 ■まず、原因部分の焦げ付きがある訳です。これによってアメリカの住宅ローン会社が破綻します。この住宅ローン会社から債権を買い取っている金融機関とヘッジファンドが莫大な被害を受けます。なにせ、世界の主要な金融会社に債権が渡っているんですから被害が見えにくいんですな。日本の大手6行もこの債権に手を出しています。今のところ邦銀への影響は限定的だと言われていますが、不良債権化すれば莫大な損失に変わります。

 アメリカ経済の話に戻りましょう。ただでさえ大貧困層を抱えたアメリカですが、今回の住宅バブルの崩壊は深刻です。まず、返済出来ない層に政府主導で(貸し手は民間ですが)無茶な貸付を行った。これから莫大な個人破産者が生まれて来ます。それに、住宅建築産業が下火になり景気加熱が急速に沈み込む。金融会社は一斉に資金を海外に移転します。結果住宅バブルがアメリカ経済を破綻に追い込む恐れが出て来ました。それほど深刻な問題です。被害総額は11兆円という試算が出ましたが、直接の金額被害の一次的試算ですから、循環被害総額ともなればもう一桁増えるかもしれませんね。

 ただこれは、私個人の予想です。当たるも八卦当たらぬも八卦・・・・
 いずれにせよ、今年から来年にかけて一番の話題となるでしょう。

 ちなみに、参考記事を表示して締めくくります。

 クルーグマン:『実に恐ろしい事態』


■目指すは、いつもセンターラインです。    鶏屋toriyaでした。