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フランス経済は、ユーロによって破壊された。結果は完全に失敗だ。 エマニュエル・トッド

2014年04月16日 | 経済
 

フランス経済はひどい状態だ。もう大惨事となるところだ。フランス経済は、
ユーロによって破壊された。結果は完全に失敗だ。 エマニュエル・トッド


2014年4月16日 水曜日

後退する中国、「大惨事」のヨーロッパ 歴史人口学者エマニュエル・トッド氏インタビュー 4月14日 黒沢正俊

「ヨーロッパ復権」予想を修正

では、欧米の将来はどうですか。

トッド:米国に対する私の見通しは、中国に比べて肯定的だ。米国は今、岐路に立っていると思う。米国は愚かな自由主義から離れようとしている。ルーズベルトのニューディール政策ほどではないが、市場一辺倒からより政府の役割を重視する方向に向かおうとしているようだ。こうした米国における評価すべき変化を私は注視している。

 他方、ヨーロッパは、大惨事だ。ユーロが機能しなくなっている。ヨーロッパは、世界の問題児になっている。2002年に出版した『帝国以後』では、米国は制度的な弱点を抱えており、もはや世界の問題を解決するスーパーパワーではなくなると書いた。他方で、ヨーロッパの将来は非常に有望であると書いた。

 私はヨーロッパについてひどい間違いを犯した。ヨーロッパがEU統合を機に世界平和の推進力になると予想したが、それは外れた。今や、ヨーロッパは諸国家の平等な連合体などではなく、ドイツを中心とした階層的なシステムに変容しつつある。

 ヨーロッパは、内部対立を抱えている。その証拠に、多くの国が再びドイツへの嫌悪感を持ち始めている。

今勃発しているウクライナ問題は、ヨーロッパにとってだけでなく、世界にとって深刻な問題です。

トッド:ウクライナで今起きている事態は極めて象徴的だ。ウクライナでの出来事は誤解されている。これはロシアと西欧諸国の問題であると考えられているが、果たしてそうだろうか。みんな、こう考えている。「ロシアがクリミアを侵略した。当然、米国は行動を起こすはずだ。米国は面目を失うわけにはいかないから、ウクライナ政府の後ろ盾になる」。

 果たして、こうした見方は正しいのだろうか。旧ソ連圏解体後の米国は、異なる資本主義にも非寛容だった。しかし、今は寛容になっている。ロシアは異なったタイプの資本主義で、昔なら米国は介入しただろうが、今はそうならないはずだ。ウクライナ問題におけるオバマのアジェンダには、介入政策はない。

 最近、反ロシアの動きがヨーロッパ内に生まれている。ドイツはロシアとの関係でいつも友好と対立の狭間で躊躇してきた。そして、両国の関係はつねに友好に始まり、対立で終わってきた。

 今、ドイツとロシアには重大な対立があると考える。これがウクライナ問題に関する現在の地政学についての私の見解だ。

民主主義と独裁の二面性を持つロシア

ロシアのクリミアへの関与は、新しい冷戦とも見られています。

トッド:英国の歴史学者で経済学者のロバート・スキデルスキーが、ロシアの二面性を表現する素晴らしい記事を2013年9月20日付けガーディアン紙に書いている。

 その記事によれば、二面性とは民主主義であり独裁政治でもある現在のロシアの国内システムのことだ。スキデルスキーは、ロシアのシステムを表す新語が必要だと言っている。国際問題での姿勢を考えると、ロシアは自国を守ろうとする保守的な国家であり、そのこと自体は悪くはないと彼は見ている。

 ヨーロッパは変貌しつつある。『帝国以後』の中に米帝国からの「ヨーロッパの独立」と題した章がある。これは全く真実だったが、米国から離れ、独立したヨーロッパとドイツの関係について、私は予見できなかった。ヨーロッパはドイツを中心とした階層構造になっているという新しい事態を予見できなかった。

今、ドイツ経済はユーロ圏で唯一好調です。その理由は、メルケル首相の前任者であるゲアハルト・シュレーダー氏の社会保障、雇用改革にあるといわれています。

トッドフランス経済はひどい状態だ。もう大惨事となるところだ。フランス経済は、ユーロによって破壊された。ユーロを生み出すことに忠実であったフランスなのに。結果は完全に失敗だ。しかし、そこから抜け出せない。とても困難な状況にある。

 私がフランスや他の国で講演をするとき、オランド大統領について話すことを拒否している。オランドはいつもドイツの後をついて行くから、私は彼に言及するたびに「オランド副首相」と呼んでいる。



「見えない戦争」が「見える戦争」の勝敗を決める 4月15日 増田俊男

私は、マスメディアは情報の伝達者であって情報の創造者ではない。Editorial (社説)は寄せ集めた情報を分析したりまとめたりして社の独創的意見のように装っているだけで本質的には創造情報ではない。日本が最も顕著だがほとんどの国でマスコミがオピニオン・リーダーになっている。インテリジェンスとは「真実を基に情報を創造し、また他が創造した情報と非創造型情報の見分けが出来る者」を言う。以上の前置きは「私はインテリジェンスだ」と言いたかったからである。

さて最近の出来事にウクライナの自治共和国であったクリミアの住民選挙によるロシア帰属決定、さらに親ロ集団のドネツク市庁(ウクライナ東部)占拠長期化等で、オレンジ革命で欧米化されたウクライナは内部分裂をしながらロシアへ向かい始めている。明らかにウクライナを巡る欧米とロシアの奪戦と言っていい。事は本年2月親ロのヤヌコビッチ大統領がロシアに気を使ってEU加盟を白紙に戻したことから野党が激怒、欧米の武装勢力をバックにクーデターを起こしヤヌコビッチ大統領を葬り去り、親欧米臨時内閣を作ったことから始まった。以上が「目に見える戦い」だが、事の背後には「目に見えない戦争」がある。

ここで読者にはっきりと頭に入れておいてもらいたいのは「21世紀の新型兵器」についてある。安全保障上最大の抑止力である「核の時代」は終わり、「目に見えぬ兵器の時代」になったと言うことである。

目に見えぬ兵器とは「通貨」である。核兵器等目に見える兵器を使わなくても敵国の通貨を崩壊させれば敵は滅びる!21世紀と述べたが正しくは新型兵器が稼働し始めたのは2009年からである。2009年Pentagon(国防総省)は世界史上初めて超極秘の「通貨戦争部隊」(Financial Weapon Unit)を創設した。以後世界に起こった目に見えるイベントは目に見えない軍隊に左右されてきた。

世界中のインテリに共通していることは、「日本はさっぱりわからない」である。

消費税増率で10兆円以上の税収が増え、それだけ国民の負担が増えるのだから5兆円の減税やセーフティーネットなどでカバーしようというセンスは資本主義的でない。マイナス10をプラス5で補おうとするのは経済を死に体と見る感覚である。いきなり背中を押される場合、暗闇で押された場合と昼間押された場合では、びっくりして飛び上がる力の押した力に対する倍率はどのくらい違うか。マイナス10兆円をカバーするにはやはり暗闇で背中を押さなくてはならないようだ、、、などと考えるのが資本主義的にまともなのである。

足を二本切ったのでは歩けないと思ったので1本別の足を持ってきました、、こんなことだから「失われた20年」などと言うことになる。

また前置きが長くなったが、私の「日本ナメクジ論」(日が照ると湿った落ち葉の下に潜り、雨が降ると落ち葉の上に出てきて歩き回る。すると歩いたところからナメクジの子供がどんどん生まれて来る。森の百獣の王のライオン(アメリカ)も頭のいいキツネ(欧州)もナメクジの群れを見ると気持ちが悪くなって逃げ去って行く=日本ゾンビ論)を聞いたOxford Clubの大先生がPentagonの通貨戦争部隊の大先生に私のことを話したら、「どうしたらいいのか全く分からないのが日本」。是非ともMr. Masudaに会いたいと言うことで、来週NYでごちそうになる事になった。世界の裏話(本当の話)が次の「小冊子」(Vol.56)の原稿締切りに間に合うといいのだが。


(私のコメント)

通貨戦争と言うと単なる言葉の比喩に聞こえますが、現代においては通貨がミサイルであり砲弾でもあるのだ。そして通貨を自由に操作してドルや円やユーロを自由に上げ下げできるのがG7であり、ロシアも加わってG8となりましたが、ウクライナ問題で弾き出されてG7に戻った。

ロシアのルーブルは一時大暴落しましたが、欧米の見えない経済制裁が徐々に効いてきてロシアのプーチンも締め上げられるかもしれない。現代は領土や領海を広げる事よりも通貨の価値を守る事の方が国家としての重要な責務であり、いかに経済インフラを大都市に集中させて効率的な経済競争力をつける事が通貨戦争での勝者となる。

日経BPの記事でエマニュエル・トッド氏のインタビューがありますが、トッド氏は以前にはEUの復権とユーロがドルに代わる基軸通貨になると予測していましたが、リーマンショックやPIIGS危機などによってEUとユーロは混乱の時代を迎えている。ユーロ解体も噂に出るほどの状況であり、ドイツだけがユーロの恩恵を受けてる。

ユーロも規模においてはアメリカのドルを上回るものですが、PIIGS諸国などの経済弱者がおりユーロの信用を失墜させてしまった。つまりアメリカはギリシャを突いてユーロの弱点を露出させてユーロは分裂の危機を迎えている。問題はドイツがどう動くかですが、トッド氏が言うようにフランスのオランド大統領は、メルケルの副首相になってしまった。

通貨は今や単なる紙切れに過ぎませんが、その国の経済力のバロメーターであり、金ではなくその国の経済力によって通貨の発行高を決められている。だから発行しすぎればドルのように安くなるし、円のように経済力があっても円札を市場に出さなければ円の価値は高まる一方になる。

アメリカの戦略としては、ドルが世界の基軸通貨として質量とも最大ですが、日本の円や中国の人民元でドルを買わせてドルの価値を維持している。しかしユーロは日本の円や中国の人民元は少ししか買っていない。ウクライナの問題もアメリカが仕掛けたのもユーロに対する揺さぶりの意味があるのだろう。ロシアとEUの冷戦が復活すればトッド氏が描いた夢は夢に終わる。

増田俊男氏が指摘しているのもその点にあり、ユーロには地政学的な弱点がある。ドイツとロシアががっちりと協力関係が出来ていればユーロの将来性はあるが、対立すれば協力関係が出来ずに終わる。ユーロに変わるドルへの挑戦者として中国の人民元がありますが、国際通貨としてのシェアを広げて来ている。貿易における人民元による決済を広めているためですが、今のところは人民元はハードカレンシーではない。

世界最強の通貨は日本の円であり、円がドルを支える構造でドル基軸通貨体制が守られている。ならば日本の円が世界の基軸通貨になればと思うのですが、日本にはアメリカのような軍事力が無いから借金の取り立てが難しい。だからドルと円とが支えあってドルが基軸通貨になっていますが、アメリカはドルを刷りまくって世界にばら撒かないと世界のドル需要に追い付かない。

アメリカや日本が金利を上げたり金融を引き締めたりすれば世界の株価が大暴落し、新興国の通貨が暴落する。その為に新興国はドルを貯めこんでいますが、輸出商品がある国はいいが観光しか産業が無いと言った新興国はドル債権を返済できなくなりデフォルトする危険性がある。

日本の財政再建には、消費税の増税よりもインフレによる名目GDPの拡大による増収の方が効果があると思うのですが、財務省はデフレでも消費税増税で財政再建をはかろうとしている。日本政府日銀は円高を放置して株安もなすがままだった。日本経済の実力からして円を世界にばら撒くべきでしたが、財務省は円の国際化を嫌がった。増田俊男氏によれば日本なナメクジだという事ですが、アメリカから見ても日本に気味悪がられているようだ。

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