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私はあえてAIIBに参加する必要はないと思う。大前研一

2015年03月29日 | 経済

私はあえてAIIBに参加する必要はないと思う。アジア向けの開発
金融機関としては、日米主導のアジア開発銀行がある。大前研一


2015年3月29日 日曜日

中国投資銀、日本は「参加不要」の根拠 アジア開発銀で主導権取れる  3月29日 大前研一

中国が提唱するAIIB(アジアインフラ投資銀行)に対し、12日の英国に続き、17日には仏独伊も参加を表明した。G7(先進7カ国)各国に参加の動きが広がり、AIIB構想に批判的だった米オバマ政権には大打撃だ。

 AIIBはアジアの開発途上国の鉄道や高速道路、港湾などのインフラ整備を支援する新しい国際金融機関。年内の発足を目指し、中国が資本金の3割程度を出すことが予想される。

 中国のAIIB提唱は、世界第2位の経済国になったにもかかわらず、既存の世界銀行やIMF(国際通貨基金)、アジア開発銀行は先進国主導のため、一向に発言権が拡大しないことに不満を募らせたことが背景にある。

 さらに、大きな理由として、中国経済のスローダウンも挙げられる。中国は不動産投資の伸び悩みなどで内需が振るわず景気は減速している。国内では鉄鋼やセメントなどの生産能力が過剰になっている。そこで、AIIBを通じてアジア各国のインフラ事業を進めることで、活路を見いだそうと考えた。

 つまり、これまで鉄道や橋や道路造りなど国内インフラ建設を大々的に行ってきた“巨大建設マシン”をアジアの別の国に持っていかなくては国内企業がもたない、というお家の事情があるわけだ。

 このAIIBに対し、米国と日本は「組織運営や融資審査の透明性が担保されていない」と批判していた。しかし、(欧州が主導する)IMFも(アメリカが主導する)世銀も透明性が担保されているわけではない。

 欧州主要国の相次ぐ参加表明に加え、韓国や豪州も参加という情報が流れた20日、麻生太郎財務相は日本が求める条件が確保されることを前提に、AIIB参加に含みを持たせる発言をした。

当初、日本は米国に言われて「参加しない」と決めたものの、国内から「日本だけ入らないのは、日本企業にとっては不利。これに乗っかって、中国マネーを大いに使おう」というような意見が出てきたのでフラフラし始め、現在は「入ったほうがいいんじゃないか」となっている。みっともない。これは米国の腰が定まらないからだ。

 日本政府は今後、6月に決まるとみられるAIIBの運営枠組みを見て、参加の是非を検討するという。だが、ここで参加を決めても、おそらく中国は英仏独伊を優先し、プロジェクトで日本が主導権を握ることはできないだろう。ならば、中国に次ぐ資本を提供して積極的にナンバー2のポジションを狙うのも1つの方法だろう。

 しかし、前述のように中国は国内経済の焦りからAIIBを提唱した面もある。だから、AIIBが関わる投資ファンドがうまくいくとはかぎらない。世銀のプロジェクトでさえ開発国ではうまくいっていないものが多いのだ

 
したがって、私はあえてAIIBに参加する必要はないと思う。アジア向けの開発金融機関としては、日米主導のアジア開発銀行がある。アジア開銀とAIIBをプロジェクトベースで連携させる、などしていけば舟に先に乗っている国が30カ国を超えるAIIBに加わるよりも、結果的に個別案件の主導権は取れる、と割り切るのも1つの見識だ。


(私のコメント)

AIIBの動きに関しては、アメリカが一番神経質になっていると思うのですが、アメリカ政府もマスコミも妙におとなしい。騒がしいのは日本のマスコミであり例によってバスに乗り遅れなと大騒ぎしている。中国にしても大国の威信にかけて提唱したのでしょうが、アメリカがおとなしいから英独仏などが参加を決めた。

アメリカとしては面目丸つぶれであり、アメリカが主導するIMFや世銀やアジア開銀も面子が丸つぶれだ。日本としてはアメリカがどう出るかを見ていればよく、AIIBも実際に動き出すのは何年も先の話だ。どっちみち中国主導の開発銀行だし、参加しても資金の半分を出す中国の意のままだ。

中国はアジア開銀から全体の四分の一も借りているのに、AIIBに半分も資金を貸し出すのは、アジア開銀の資金をAIIBに横流しするようなものだろう。別の例えなら日本からの6兆円のODAの中からアフリカにODAに貸し出すようなものであり、中国は他人の褌で相撲を取っている。

だからAIIBが焦げ付いたところで、アジア開銀に焦げ付いたから返せないと踏み倒す事も出来る。中国の外貨にしても海外からの投資資金を外貨準備としているだけであり、それらの投資資金が引き揚げられれば外貨事情は一変する。中国は為替管理も自由化していないから好き勝手なことが出来る。

そもそもアメリカは日本に対しては、やいのやいのとうるさく言うのに中国に対しては融和的だ。日本政府も中国政府を見習ってほしいものですが、米中を対立させておくのが日本の戦略であり、米中が親密になれば日本の立場は微妙になる。だから中国をそそのかしてアメリカに対抗させておけば少なくとも日本叩きは起きない。

AIIBは中国がアメリカに突き付けた刃であり、アメリカの勢いが衰退してきた象徴であり、IMFや世銀はアメリカの衰退と共に中国が主導権を取って行くのかもしれない。そこまで中国を育てたのもアメリカでありアメリカの意図がよく分からない。

キシンジャーあたりは中国は発展すれば民主化が進むと見ていたようですが、中国は民主化すればバラバラに分裂してしまう。言葉も違えば民族も異なる集合体であり、独裁政権でなければ国家が維持できない。国民の不平や不満は国が豊かになればなるほど高まるものであり、習近平は独裁制を強めている。

オバマ大統領は親中派であり、中国に優しく日本に冷淡な大統領であり、潜在敵国に融和的で同盟国に冷たい。だからイギリスがアメリカを裏切ってAIIBに参加してアメリカの地位を揺さぶっている。イギリスから見ればオバマは何も出来ないと見限ったからでしょうが、中国もアメリカを侮るようになった。

問題は日本がアメリカにどこまで付いて行くかであり、オバマが何も出来なければイギリスのようにアメリカを見限るだろう。オバマ大統領は無能な大統領であり中国をここまでのぼせ上らせてしまった。今やアメリカに付き従っているのは日本ぐらいである。台湾までもがAIIBに参加するようですが、韓国もAIIBに参加する。もはやアメリカの権威は無くなったに等しいのだろうか。しかしAIIBに韓国が加わる事で「例の法則」が発動する事になるだろう。


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