大飯3、4号機をフル稼働させるには、関電が10年比で15%以上の節電を
要請する期間の開始日7月2日に、フル稼働が間に合わないのは確実だ。
2012年5月24日 木曜日
◆大飯原発再稼働しても…電力逼迫の夏に間に合わず? フル出力までに6週間 5月24日 福井新聞
今夏、関西圏の深刻な電力不足が懸念される中、政府が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を判断した場合でも、需給が最も逼迫(ひっぱく)する7月後半までに2基のフル出力が間に合わない公算が大きくなってきた。関西の首長の「理解」が進まず、西川知事の判断が6月にずれ込む可能性が高い上に、再稼働の作業を始めてからフル出力までに約6週間かかるからだ。(伊豆倉知)
定期検査中の原発は通常、起動準備状態から発電まで約10日かかる。しかし、大飯3号機は昨年3月、同4号機は7月から定検に入り、長期間停止しているため、2次系の配管は水を抜いた状態。再稼働には不純物を洗浄した後、補助ボイラーの蒸気を使って水質を調整しなければならず、フル出力まで約3週間を要する。
しかも、補助ボイラーでは1基分の蒸気しか作ることができない。1基を稼働させた後、もう1基の作業に入るため、2基をフル出力にし、計236万キロワットの供給力を確保するまでには約6週間かかる。
関電の需給見通しでは、2010年夏並みの猛暑を想定し、節電などを織り込んだ場合、7月後半から8月に需要が最大で2987万キロワットになる。一方、供給力は7月後半が最も厳しく2517万キロワット。8月に入ると他社からの応援融通が40万キロワット増え、やや改善する。需給ギャップは7月前半がマイナス225万キロワット、7月後半が同470万キロワット、8月が同445万キロワット。
7月後半までに大飯3、4号機をフル稼働させるには、5月中に政府が再稼働を最終判断する必要があるが、日程的に難しくなっている。関電が10年比で15%以上の節電を要請する期間の開始日7月2日については、フル稼働が間に合わないのは確実だ。
大飯3、4号機をめぐっては、枝野幸男経済産業相が4月14日、福井県とおおい町に再稼働への協力を要請。町会は5月14日に同意したが、5月中に判断するとしていた時岡忍町長は22日、安全性を検証している県原子力安全専門委員会の審議が終わっていないことなどを理由に、月内の判断は厳しいとの認識を示した。
西川知事は、県専門委が安全確認することを前提に、町と県会の意向を踏まえるとしている。県専門委の次回会合は28日以降になる見通しで、関西圏の「理解」が進んでいないこともあり、知事の判断は6月にずれ込むとみられる。
ただ、知事は長期的な観点から「原子力は重要な基幹電源」と指摘し、短期的な需給論で再稼働の是非が議論されがちな現状には不満を表明している。関西圏の首長が慎重姿勢を崩していないことに県内の関係者からは「電力消費地が電気をいらないと言うんだから、判断を慌てる必要はない」との声も出ている。
(私のコメント)
大飯原発の再稼動問題は、例によって政治がグダグダで誰も責任をもって判断しようとはしない。福島第一原発が事故を起こしてから1年も経つのに、基本方針も定まらずにいる。電力は国の産業政策に関わることだから総理大臣や担当大臣である枝野経済産業大臣が決断すべきなのでしょうが、関西電力はデーターを十分に公開せず、安全対策もほとんど進んでいない。
原子力安全委員会も結論を先送りにしている状態では政治家も判断が出来ないのも分かる。しかしながら関西地区の電力不足が懸念されていますが、日本中の原発を全部止めてしまうのはやりすぎではないかと思う。もし大規模停電が発生した場合の被害は人命にも関わると思うのですが、誰も責任を取りたがらないから先送りにされている。
「株式日記」としては、長期的には現在の軽水炉型の原子炉は寿命がきたものから廃炉にしていくべきだろう。配管やコンクリートなども30年以上も経てば劣化が進んで使えなくなるだろう。しかし燃料棒は最終処分できないから原発を止めても100%安全にはならない。だから比較的新型で安全性も高い原子炉は稼動させつつ安全性を高める措置を講じていくべきだろう。
日本人は極端から極端に走るから困ったものですが、3,11の前は現場から問題点を指摘しても電力会社の上層部は聞く耳を持たず、数年前にインドネシアの大津波の起きた時に問題点が指摘されていたのに、清水社長は聞いていないとすっとぼけてしまった。民間の電力会社としては安全性よりも利益最優先だからそうなる。インドネシアで起きたことは日本で起きないとどうして言えるのだろうか。
しかし3,11以降は、原発安全神話が崩壊して原発廃止論が大手を振るうようになった。東京電力も監督官庁も誰も責任を取らずにいるのは不可解ですが、斑目原子力安全委員長と寺坂原子力安全保安院長と東京電力の社長と会長は過失責任を問われるべきだ。根本的には国策民営という体制そのものが無理なのであり、原発といういったん事故が起きれば国家予算規模の被害が出るものの運営を民間の電力会社に任せれば今回のような大災害を起こすのは当然だろう。
福島第一原発災害も適切な手が打たれていれば冷温停止に出来ただろうと思う。原子力安全神話が一人歩きをしてしまって、小さな事故が起きても電力会社は隠蔽するようになり、現場の技術者が問題点を指摘しても聞く耳を持たなかった。このように関係者は危険性を指摘しても聞く耳を持たない傲慢さがあったのに、いったん事故が起きると米搗きバッタのように謝罪を繰り返す。
原発を止めろと騒いでいる人も、もし大停電が起きて病人が死んだり、熱中症で多くの老人が死んだら責任を取ってもらえるのだろうか? 日本人は予測を立ててそれに対する対策を立てることが苦手なようだ。専門家が専門家としての働きをしていないからですが、運を天に任せて痛い目に遭う。大飯原発にしても災害マニュアルと訓練を十分に行なえば大事故は防げるだろう。
福島第一原発では、緊急冷却装置の弁の扱いを間違えてメルトダウンを起こしてしまった。ベントの方法も分からなかったというのは訓練が出来ていなかったことを物語りますが、ベント出来なければ海水も注入ができない。さらに水素爆発の予測も出来ずに予防措置を取らなかった。それらに対する東電の十分な説明もありませんが、原発事故を想定することすらタブーになっていたのだろう。災害用ロボットも作られましたが、災害は起きないからいらないということで処分されてしまった。
日本軍は神国だから戦争には負けないという不敗神話が一人歩きをして大東亜戦争に突っ込んでいたように、痛い目に遭わないと何を言っても無駄であり、戦争に負けても責任者たちは責任を取らなかった。将官クラス以上の高級将校は全員腹を切って阿南陸軍大臣のように陛下の詫びをすべきだった。しかし想定演習でも負けることが分かっていたが、実際に負けてみないとバカは死ななきゃ治らないのだ。
今年の夏の大阪も大停電が起きることは十分予想されている。猛暑になるかどうか分からないが猛暑になれば使用電力が急増して大停電が起きる可能性がある。それと大飯原発が大爆発する可能性と比べてみれば分かりますが、橋下大阪市長も稼動させる決断を下すべきだろう。原発をフル稼働させるには6週間かかるから今から始めないと間に合わない。