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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は先週、NATOの兵士を東欧諸国に長期間駐留させる構想を一蹴した。

2014年09月02日 | 外交

ポーランドやバルト諸国で多くの人が驚いたことに、ドイツのアンゲラ・メルケル
首相は先週、NATOの兵士を東欧諸国に長期間駐留させる構想を一蹴した。


2014年9月2日 火曜日

ロシアの領土略奪への対応で割れるNATO加盟国 9月2日 (2014年9月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

年3月の終わりごろ、ポーランドのドナルド・トゥスク首相は北大西洋条約機構(NATO)に1つの要請を行った。1万人の兵力をポーランドに常駐させるよう求めたのだ。

 しかし、ポーランドやバルト諸国で多くの人が驚いたことに、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は先週、NATOの兵士を東欧諸国に長期間駐留させる構想を一蹴した。

 ロシアが3月にクリミアを併合し、ウクライナ東部への軍事的関与も続けているこの状況にNATOはどう対応すべきかという議論は、この同盟を分裂させかねないほど熱を帯びたものになっている。

 「ウクライナがやったことは、ロシアの政策との関連で解釈される。この問題は、欧州安全保障の基本原則をひっくり返しかねない」。英国王立防衛安全保障問題研究所(ロンドン)のマイケル・クラーク所長はそう指摘する。「新たな冷戦に、あるいは新たな1930年代に入りつつあるというような見方も一部にはある」

首脳会議の焦点は東欧とバルト諸国への戦力配備

 NATOは今週行われる首脳会議(隔年開催)で、新しい「即応性行動計画」を披露することにより、意見の分かれる加盟国間の橋渡しをしたいと考えている。各国の大使がブリュッセルで何週間も協議を重ねて練り上げた計画だ。

 この計画は、まだ最終決定されていない。またタカ派からは、立派な言葉が踊るだけで中身のない代物に堕してしまう恐れもあるとの警告も発せられている。

 膠着状態に陥っている最も重要な議論は、欧州通常戦力条約(CFE条約)とその後の文書で定められたルールをNATOは見限る――あるいは曲げる――べきか否かというものだ。このルールは、兵力の恒久的な配備を「新規に」実施することを禁じており、東欧とバルト諸国に基地をつくることを事実上不可能にしている。

 ロシア自身は2007年にCFE条約のモラトリアム(履行停止)を宣言したが、ドイツなどNATO加盟国は、NATO側は引き続きこの文書の精神に従うべきだと考えている。

 従って、NATOは新しい方針の策定にあたり、兵力配備に関することには慎重に取り組んできた。

 「恒久的駐留にかかわる用語は一切使用しない。口頭でも同様だ」。あるNATO高官はそう言い切る。「我々は『適切な駐留』について話し合うのだ」

 どこまでが「適切な駐留」になり得るのかは意図的にぼかされている、とこの高官は言う。

 NATOにとって重要な言葉遣いの変化が行われるのは、即応性行動計画がNATOの「フロンティア」、すなわちバルト諸国と東欧にどのように注力するかにかかわる部分である。この計画は、戦力配備を迅速に行う能力を高めることや、フロンティア諸国での軍事演習や部隊の派遣を増やすことによってNATOを強化することを求めている。

 「(フロンティア諸国という)『どちらの支配下にもない国々』にNATO軍を進めることはしないというロシアとの取り決めは、維持できなくなっている」。英国議会インテリジェンス・セキュリティ委員会のマルコム・リフキンド委員長はこう語る。「NATOのアセットは、それを必要とするすべてのNATO加盟国に配備されなければならない」

 エストニアのスベン・ミクセル国防相は本紙(フィナンシャル・タイムズ)の取材に対し、「安心と抑止の一手段として、我が国への連合軍の駐留」を望んでいると語った。ただ、「冷戦時代のような、非常に大規模で固定的な駐留を望んでいるわけではない。師団単位の話をしているわけではない」とも付け加えた。

NATO加盟国、ウクライナ危機を受けて取り組みを強化してきたが・・・

 NATOの即応性行動計画には、数時間で展開できる即応性の高い部隊の新設と、バルト海に面したポーランドの都市シュチェチンに恒久的な司令部を置くことが盛り込まれることになろう。

 計画の中には、すでにNATOが進めている事業に関連するものも入るだろう。例えば、米国は新しい「欧州行動セット」の配備を始めている。今年6月の演習で初めて利用された、大隊規模の車両・装備の備蓄のことだ。ドイツのグラーフェンヴェーアで管理されるため、ポーランドへの移送や彼の地での補充・再生や増強も比較的容易にできるだろう。

 即応性行動計画でこれ以上に重要なのは、部隊の派遣や軍事演習を増やすことだ。NATO加盟国はすでに、ウクライナ危機の発生を受けて取り組みを強化している。

 例えば米国は、第173空挺旅団の隊員600人を4等分してポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアの基地に派遣している。またデンマーク、フランス、英国はジェット戦闘機をエストニアとポーランドに派遣している。

圧倒的に規模が大きいロシアの軍事演習

 しかし、NATO最大級の演習でさえ、ロシアがその国境付近で行っているものの規模には到底及ばない。NATOが今年5月にバルト海で行った過去最大の演習「春の嵐」には6000人の兵士が参加したが、ロシアが2月にウクライナやバルト諸国との国境付近で行った緊急軍事演習には15万人の兵士が参加していた。

 「東西冷戦のころには、フルダ・ギャップ*1の両側で何百万人もの兵士が参加した演習が行われたが、そういう状況に戻ることはないだろうと思っている」。昨年までNATOの連合軍最高司令官の職にあり、現在は米タフツ大学フレッチャー・スクールのトップを務めるジェームズ・スタブリディス氏はこう語る。

 しかし、ここ10年間で縮小されてきた軍事演習の規模は今後かなり大きくなるとも予想している。「こちら側から送らねばならないメッセージは、2語にまとめるなら、結束と能力である」と同氏は話している。



(私のコメント)

日本では、かつて平沼騏一郎が内閣総辞職時に「欧州情勢は複雑怪奇」と発言して辞任したことがありましたが、それくらい日本の政治家は国際情勢に疎い。政治家のみならず最近のウクライナ情勢についての分析記事を書いているブログも少ない。ヨーロッパや中東は日本からも遠く関心がない事も原因なのでしょうが、グローバル化に時代にこれでいいのだろうか?

私のような天才的戦略家から見れば、新冷戦体制の復活は日本復活のチャンスでもあり、アメリカやヨーロッパ諸国に日本の戦略的な価値を売り込むチャンスなのです。戦前においても日本がもっと戦略的な行動をとっていれば、米英側に付いて連合国として参戦した可能性がある。しかし帝国陸海軍はもとより政府には国際情勢が読める戦略家がいなかった。

事実上海事変ではドイツ軍事顧問団が指揮していた蒋介石軍と日本軍とが戦闘を行っていた。日本は陸軍と海軍と言う二つの軍事組織がありましたが、陸軍は不拡大方針であり盧溝橋事件では停戦が成立していたのに、上海地区を担当していた海軍が強硬策を主張して日中戦争に拡大してしまった。当時の海軍大臣はロシアのスパイと目される米内正光であった。

スターリンとしては満州の関東軍が怖かったから、日本軍を中国南部に引きずり込む必要があった。当時のナチスドイツとソ連はポーランドを分割するほどの協力体制にあり独ソ不可侵条約も結ばれて平沼首相は辞職した。この頃のヨーロッパ情勢はめまぐるしく変わり日独伊三国同盟もたくさんある同盟の一つに過ぎず、ヒトラーにとっては同盟関係は相手を騙す手段でしかなかった。

当時のイギリスの首相はチェンバレンであり、フィンランドをめぐってイギリスとソ連は関係が悪化していた。もし日本がイギリスに上手く取り入ってスターリンを牽制してフィンランドやバルト三国やポーランド侵略に対して関東軍大演習で牽制していれば、イギリスのチェンバレンは日英同盟を復活していたかもしれない。その為に日本は中国から手を引く事も戦略としてあった。

当時のイギリスはヒトラーとスターリンと言う二人の独裁者に翻弄されて、チェンバレンは妥協を強いられていた。アメリカもモンロー主義でヨーロッパの戦争に巻き込まれたくなかった。そのような状況でソ連を背後から牽制しますよとイギリスに持ちかければ日英同盟の復活もあったかもしれない。日英同盟が復活すれば日米関係も悪化する事も無かっただろう。

しかし日本は逆の方向に動き日中戦争は拡大しイギリスと対立を深めて、ヒトラーとの関係を深めて行った。気が付いてみたら日本の周りは敵だらけになり、ヒトラーも同盟破りの常習犯で信用が出来ない。松岡洋介は三国同盟にソ連を加えた同盟構想を描いていましたが、スターリンもヒトラー以上に信用が出来ない。独裁者は人を騙して権力をとった人物であり、お人よしの日本は騙されたのだ。

当時はマスコミは新聞とラジオだけであり、テレビもネットも無かった。これだけで複雑怪奇なヨーロッパの情勢を分析をするのは無理であり、当時の日本の政治家を責めても仕方がないのかもしれない。現在の状況を1930年代とよく似ているとも言えますが、NATO諸国とロシアのプーチンの対決は第三次世界大戦の序章なのだろうか?

プーチンはウクライナにロシア軍を投入して親露派を支援している。もしかしたらドイツのメルケルと話をしてウクライナを東西に分割してポーランド分割の再現をはかるのだろうか? ロシアのプーチンはクリミアを併合して領土拡大を図っていますが、プーチンはスターリンの後継者なのだろうか?

NATOはロシアに対する強硬派と融和派に分かれて分裂含みになっているとフィナンシャルタイムズは書いている。プーチンはロシアが核大国であるとNATOを脅している。まさに冷戦体制が復活して、あるいは1930年代の陣取りゲームが始まるのだろうか? 日本はまさに蚊帳の外でありプーチンの来日にも態度を決めていない。

日本はアメリカとNATOとの連携をとって戦略的に動くべきであり、日本が軍備を拡大して核武装するチャンスに結びつけるべきだ。問題は中国の動きであり、中国も領土拡大を目指しており南シナ海では軍事基地を建設している。ロシアに同調する動きもありアメリカとしては中露分断が謀られるところですが、中国はアメリカが動けないうちに既成事実を拡大している。

日本にとって最悪なのは、アメリカが中国に妥協して南シナ海や尖閣を譲る代わりにロシアとの対決を迫る事ですが、そこまでアメリカはバカではないだろう。アメリカやNATOにとって中露を封じ込めるには東側が手薄であり日本しか封じ込める国がない。NATOと日本が手を組めば中露の封じ込めも可能ですが、日本はアメリカの軍事力に依存している。

中国が経済的に豊かになれば洗練された民主国家になるというのは幻想であり、ロシアも共産主義体制が崩壊しても民主国家になる事は難しいようだ。ロシアも中国もマクドナルドに営業妨害をしていますが、そこまでアメリカに対する敵対心は強い。日本としてはプーチンを日本に呼ぶべきではなくなったし北方領土問題もロシアは譲る気がない。ならば日本は旗色を鮮明にして、平成の関東軍大演習をぶち上げてロシアを牽制すべきだ。と、言っても日本には戦前のような軍隊はない。


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