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【161】フィクション化に努めている

区役所【106】弁護士のメイソン氏【147】をフィクション化しようと、裁判にカメラマン【155】を紛れ込ませた(といっても裁判長以下ほとんどがカメラマンだった)のだが、テレビ放映が行われるようになると、メイソン氏の健康的な笑顔や流れるような弁舌によって番組の人気が急上昇し、フリーク・メイソンと呼ばれる視聴者の多くが番組のキャストを実在の人物として信じ込むようになった。街で出会うとテレビのリモコンを交換して挨拶に代えるフリーク・メイソンたちが、メイソン氏と裁判を共にしたい一心でさまざまな告発理由をひねり出しては互いを訴えあい、弁護を依頼したものだから、メイソン氏の予定は二千年先まで埋まってしまい、シリーズの長期化を視野に入れ、第二、第三のメイソン氏を育成していかねばならなくなったのだが、とりあえずメイソン氏本人は、依頼者を失望させないようテレビの解像度に合わせて念土で全身を覆うのだった。このクレイ・メイソン方式が、クレイメーション【154】の原型であることはいうまでもない。

リンク元
【147】弁護士のメイソン氏
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