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【147】弁護士のメイソン氏・ノキタハ博士

 メイソン氏は路地裏で寝泊まりしていたノキタハ博士の論文と出会ってからというもの、その説をもとに各地の立法体【9】で弁護を展開している。立法体が球形に膨れあがるほど裁判の傍聴者が多いため、区役所側もそう簡単には彼を処分できず、テレビドラマとして放映することでフィクション化に努めている【161】。
メイソン氏は浅黒く日焼けした顔にくっきりとした笑みを浮かべ、心珠のような光輝を真っ白な歯列から投げかける。その白さを維持するために、タバコ【39】からひっきりなしにカルシウム【13】を補給し、歯【53】を始終生え替わらせている。抜け落ちた歯も無駄にはしない。正論茶の茶歯として需要が高いからである。
この日、弁論台に立ったメイソン氏は、封筒の中からノキタハ博士とそっくりな論文を取り出し、証拠として提出した。
「賢明な皆様には、ぜひともノキタハ博士の論文(1【140】2【148】3【158】4【159】5【162】6【171】7【172】8【179】9【180】に引用)に耳を澄ましていただきたいのです。博士は優秀な学者でしたが、持論のために失色し、今ではガラスの亡骸となってどこかの窓【176】にはまっています――」

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