コロナ禍でもなぜパチンコをやめられないのか

2020年04月29日 22時20分12秒 | 社会・文化・政治・経済
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大阪府などは新型コロナウイルスの感染防止のため、休業要請に応じない大型パチンコ店の施設名を公表するなどの対応を取っているが、一部の店舗では朝から営業を続けており、客足は途絶えそうにない。なぜパチンコに依存してしまうのか。オルタナSでは2013年に『私、パチンコ中毒から復帰しました (中公新書ラクレ) 』の著者・本田白寿氏に、「パチンコ中毒から抜け出すには」と題して記事を寄稿してもらった。一部編集して、再掲する。(オルタナS編集部)

パチンコ中毒は、お金を浪費することからはじまり、学業・職務怠慢、育児・家事放棄、食生活の乱れ、借金の増大、虚言癖、人間関係破綻へとつながり、時に社会的事件・犯罪、自殺につながっていく深刻な問題である。

なぜパチンコ中毒者がこのように追い込まれていくのかというと、その時々で生じる借金やうそのことを誰にも話せず、一人で抱え込むことにある。本当は誰かに相談したいのであるが、身近な家族に話せば非難されることは明らかであり、職場の同僚や友人にも恥ずかしくて話せない。

本当はどうにかしなければと本人も自覚しているのであるが、誰にも話せないため精神的な負担はどんどん膨らんでいく。精神的な負担が膨らむとそれを解消するためのごとく、さらにパチンコをしてしまい悪循環に陥ってしまうのである。

それゆえ、解決に向けての本当の第一歩は、「共感して受け入れてくれる誰かに、自分の恥ずべきこれまでの行為を洗いざらい包み隠さず話すこと」である。

本当に追い込まれている者は、これが出来るだけで「ふっ」と心が軽くなる。それが何より大切である。パチンコ中毒者は「本当はパチンコをやめたいのにやめられない」状態に陥っており、強烈な自己嫌悪に襲われている。

つまり、精神的に追い込まれ、弱っている状態なので、非難されることに耐えられない状態なのである。今から、そのような形で話を受け入れてくれる可能性が高い手段を紹介したいと思う。

まず、日本全国の各地域で行われているGA(ギャンブラーズ・アノニマス)と呼ばれる自助グループである。基本的なスタンスは、パチンコ中毒者だけで集まり、それぞれ話したいことを話す。

聞き手は決して「他の人の非難をしない」というルールが定められている。とにかく「同じ悩みを抱えている人間しか来ない」という点だけでも話しやすいだろう。

それから、RSN(リカバリーサポート・ネットワーク)と呼ばれる電話相談機関がある。ここの電話相談の最大の特徴は「パチンコ依存に特化している」点にある。
それだけに、ここではどれだけ借金の話、うそをついてきた話、周囲に迷惑をかけている話をしても、まずは冷静に話を聞いてくれるだろう。そして、その対処法についてもこれまでの相談実績に応じた提案をしてくれる可能性がある。

一つ注意したいのは、「精神科に相談に行くこと」である。インターネット上では「パチンコ依存症は『心の病気』である」といった意見が溢れている。

これを見て「自分は病気だったのか!」と思い込み、精神科を受診しても、ほとんどの精神科医は対応できないのが現状である。

「自分は『パチンコ依存症』という『病気』なんだ」と医者や家族に相談したところで、相談された方は困惑するだけだということをよく覚えておく必要がある。それであれば、まだ債務整理や自己破産を請け負っている弁護士や司法書士の方が親身に相談にのってくれる可能性が高い。借金を抱えた方はそれも一つの選択肢である。

いずれにせよ、深刻な状況に追い込まれている場合は、自分だけで抱え込まずにまずは全てを誰かに打ち明けることが重要である。

 

最終更新:4/29(水) 16:10
オルタナ

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