立川 孝一 (著)
“アナールの父"ミシュレは、いかにして誕生したか。
“民衆の自発的な連帯"を跡づける『フランス革命史』に至る格闘の前半生を辿る。
初期の著作『世界史序説』『フランス史(中世)』等に見られる如く近代主義者だった“青年ミシュレ"の転機とは?
“民衆"“女性"“自然"、そして反権力・反近代という視座は、どのように獲得されたか。
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はじめに――私とミシュレ,私とフランス革命
序章 「家族劇」としての歴史
第1章 青年ミシュレ 1798-1824 第2章 歴史家への道――ヴィーコとの出会い 1820-1827
第3章 『世界史序説』から『フランス史』へ 1828-1832
第4章 『フランス史』の誕生 1833
第5章 14世紀から近代が始まる――『フランス史』第3巻を読む
第6章 歴史上の個人をどう描くか――『フランス史』第4巻を読む
終章 現代に影響を及ぼすミシュレ
註/あとがき/ミシュレ 家系図/ミシュレ略年譜(1798-1875)/
『フランス史』関連年表/参考文献/主要人名索引
“民衆の自発的な連帯"を跡づける『フランス革命史』に至る格闘の前半生を辿る。
初期の著作『世界史序説』『フランス史(中世)』等に見られる如く近代主義者だった“青年ミシュレ"の転機とは?
“民衆"“女性"“自然"、そして反権力・反近代という視座は、どのように獲得されたか。
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はじめに――私とミシュレ,私とフランス革命
序章 「家族劇」としての歴史
第1章 青年ミシュレ 1798-1824 第2章 歴史家への道――ヴィーコとの出会い 1820-1827
第3章 『世界史序説』から『フランス史』へ 1828-1832
第4章 『フランス史』の誕生 1833
第5章 14世紀から近代が始まる――『フランス史』第3巻を読む
第6章 歴史上の個人をどう描くか――『フランス史』第4巻を読む
終章 現代に影響を及ぼすミシュレ
註/あとがき/ミシュレ 家系図/ミシュレ略年譜(1798-1875)/
『フランス史』関連年表/参考文献/主要人名索引
出版社からのコメント
「青年ミシュレ」と近代日本の知識人とは、多くの点で共通性がある。だがある時点からミシュレは近代化のコースから逸脱してしまう。変化はなぜ生じたのか。
私はこの本の中で「ポーリーヌの死」という全く個人的な私生活上の出来事を大きく取り上げた。たしかにそれは「史学史」的な見方ではなかったかもしれない。しかし、この事件を契機にしてミシュレの歴史学が変わり始めたこともまた紛れもない事実なのだ。
「心の底では愛している者をこのように投げ捨てねばならないとしたら、芸術や学問は何と非情で、自然に反していることか」(一八三九年の日記)。
これが、自身の前半生に対してミシュレの下した判決だった。ミシュレはもはや「近代人」ではない。上ではなく下、前ではなく後に向かって彼は歩み始める。
(本書「はじめに」より)
私はこの本の中で「ポーリーヌの死」という全く個人的な私生活上の出来事を大きく取り上げた。たしかにそれは「史学史」的な見方ではなかったかもしれない。しかし、この事件を契機にしてミシュレの歴史学が変わり始めたこともまた紛れもない事実なのだ。
「心の底では愛している者をこのように投げ捨てねばならないとしたら、芸術や学問は何と非情で、自然に反していることか」(一八三九年の日記)。
これが、自身の前半生に対してミシュレの下した判決だった。ミシュレはもはや「近代人」ではない。上ではなく下、前ではなく後に向かって彼は歩み始める。
(本書「はじめに」より)
内容(「BOOK」データベースより)
“民衆の自発的な連帯”を跡づける『フランス革命史』に至る格闘の前半生を辿る。初期の著作『世界史序説』『フランス史(中世)』等に見られる如く近代主義者だった“青年ミシュレ”の転機とは?“民衆”“女性”“自然”、そして反権力・反近代という視座は、どのように獲得されたか。
著者について
【著者紹介】
●立川孝一(たちかわ・こういち) 1948年生。プロヴァンス大学博士課程修了(文学博士)。現在,筑波大学名誉教授。専攻は歴史学。
著書に『フランス革命』(中公新書),『フランス革命と祭り』(筑摩書房)等,訳書にル・ゴフ『歴史と記憶』(法政大学出版局),オズーフ『革命祭典』(岩波書店),ヴォヴェル『フランス革命の心性』(共訳,岩波書店)『死とは何か』上・下(共訳,藤原書店)等。ミシュレ『フランス史』全6巻を監修・共編・共訳(藤原書店)。
●立川孝一(たちかわ・こういち) 1948年生。プロヴァンス大学博士課程修了(文学博士)。現在,筑波大学名誉教授。専攻は歴史学。
著書に『フランス革命』(中公新書),『フランス革命と祭り』(筑摩書房)等,訳書にル・ゴフ『歴史と記憶』(法政大学出版局),オズーフ『革命祭典』(岩波書店),ヴォヴェル『フランス革命の心性』(共訳,岩波書店)『死とは何か』上・下(共訳,藤原書店)等。ミシュレ『フランス史』全6巻を監修・共編・共訳(藤原書店)。
このほどようやく通読した。
ミシュレの作品は今ではかなり邦訳もされ、研究書も案外幾つも訳されたり、紹介されたりしているが、アナール学派の源流の一つとされていることが注目の理由かもしれない。
本書は数々のミシュレの歴史叙述の主題と意図、方法などについて専門的な分析を行なっており、素人には難しい本であるが、ミシュレがどういう歴史家なのかを知りたいと思って読んでみた。
楽しんだとは言えないが、この大歴史家の成し遂げたことの大まかな輪郭は本書を読んである程度、理解できたかもしれないと思う。
邦訳のある『フランス史』全6巻は、全20巻の一部の邦訳(抄訳)に過ぎないが、それさえ私は未読であるから、専門家のようにミシュレを楽しむことは終にできないかもしれない。
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