著者について
小西 真理子(こにし・まりこ):1984年生まれ。2011年、立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程3年次編入。単著に『共依存の倫理』(晃洋書房、2017)。現在、大阪大学大学院人文学研究科准教授。
DV問題では、被害者を加害者から無理やりにでも引き離すのが救済だと多くの人に信じられています。
しかしながら、被害者が加害者のもとを離れないケースは少なくありません。
内閣府 男女共同参画局の男女間における暴力に関する報告書によると「相手が変わってくれるかもしれないと思ったから」「相手に自分が必要だと思うったから」と回答した人が一定数います。
暴力を振るわれているのに相手に愛着を示す被害者は、第三者にとって「不可解で厄介な存在」で、支援からとりこぼされてしまいます。
ふるいにかけられるその声に耳を傾けたいと思いました。
自分を殴ってくる加害者でも、その人の存在そのものが命綱になっている場合があります。
暴力から逃げる勇気を持つ重要異性の一方、加害者のそばを離れたないのは「歪な愛」なのかもしれません。
第三者から見て救いのない関係性だったとしても、そこには当人を肯定する「愛」があるとおもうのです。
加害者と離れると、生きる希望を失い、自殺につながることも想定されます。
被害者の中には、「関係性を断ち切れず、解決の道を探りたい」と願う人がいる。
だけれど今の日本にはそのニーズの応える支援がない。
それが問題です。
男女間における暴力に関する調査
調査の概要
調査の目的
男女間における暴力の実態について調査し、男女間を取り巻く環境の変化に応じた被害傾向の変化等に対応する施策の検討に必要な基礎資料を得ることを目的とする。
調査の沿革
本調査は、平成11年度から開始した。以降3年毎に調査を実施。
調査の根拠法令
統計法(平成19年法律第53号)に基づく一般統計調査
調査の対象
全国18歳以上59歳以下の男女5,000人 (平成20年度調査から令和2年度調査までは全国20歳以上の男女5,000人) (平成17年度調査までは全国20歳以上の男女4,500人)
抽出方法
層化2段無作為抽出法
調査事項
配偶者からの暴力被害、交際相手からの暴力被害、特定の相手からの執拗なつきまとい等の経験、不同意性交された経験等
調査の時期
3年に1度、11~12月頃
調査の方法
調査票の記入は自計申告方式とし、調査票は郵送配布、回収は民間事業者の調査員による訪問回収、郵送による回収、オンラインによる回収により行っている。
調査の結果
令和5年度調査
令和2年度調査
平成29年度調査
平成26年度調査
平成23年度調査
平成20年度調査
平成17年度調査
平成14年度調査
平成11年度調査
正誤情報
以下のとおり、一部誤りがありましたので、お詫びして、訂正いたします。
・平成31年1月25日
平成26年度調査結果の本文および概要版について、一部訂正いたしました。
正誤表はこちら(本文 [PDF形式:90KB]、概要 [PDF形式:101KB])。
なお、上記資料は訂正済みです。
・令和2年3月6日
平成29年度調査結果の本文および概要版について、一部訂正いたしました。
正誤表はこちら(本文 [PDF形式:101KB]、概要 [PDF形式:117KB])。
なお、上記資料は訂正済みです。
公表予定
令和5年度調査結果は令和6年3月26日に公表
問い合わせ先
内閣府 男女共同参画局男女間暴力対策課
電話03-5253-2111