利根輪太郎は約2か月ほど前から、競輪ファンの一人と言葉を交わすこととなる。
相手と始めに出会ったのは、取手駅西口の駅ビル1階の出入り口であった。
その彼が、生活保護者であることを知る。
タバコを吸い、酒は浴びるほど。
さらに競輪他にパチンコで生活費を浪費する。
利根輪太郎は、「うまが、会いそだ」という相手の言葉に、<君子危うきに近よらず>の格言に思いが至るのだ。
彼は、白山地域のアパート住まいなので仮に「白さん」とする。
彼は、生活保護費が支給されて、5日で金を失う愚かさである。
その愚かさは、想えば利根輪太郎たち競輪ファンたちと大差のない愚かさである。