監督 ペドロ・アルモドバル
原作: ティエリ・ジョンケ
アントニオ・バンデラス ロベル・レガル
エレナ・アナヤ ベラ・クルス
マリサ・パレデス マリリア
ジャン・コルネット ビセンテ
ロベルト・アラモ セカ
ブランカ・スアレス ノルマ
スシ・サンチェス ビセンテの母親
「トーク・トゥ・ハー」「ボルベール <帰郷>」の鬼才ペドロ・アルモドバル監督が、ティエリ・ジョンケの原作を大胆にアレンジして描く愛と狂気の官能ミステリー。人工皮膚研究の権威で亡き妻そっくりの美女を自宅に監禁する男を巡る衝撃の秘密を、予測不能のストーリー展開と斬新かつ色彩美溢れるヴィジュアルでミステリアスに描き出していく。主演は初期アルモドバル作品の常連で、「アタメ」以来久々の復帰となるアントニオ・バンデラス。共演は「この愛のために撃て」のエレナ・アナヤ、「オール・アバウト・マイ・マザー」のマリサ・パレデス。
トレドの大邸宅に暮らすロベル・レガルは、最先端のバイオ・テクノロジーを駆使した人工皮膚開発の権威としても知られている世界的な形成外科医。そんな彼の屋敷の一室には、初老のメイド、マリリアの監視の下、特殊なボディ・ストッキングをまとった美女ベラが幽閉されていた。彼女はロベルの妻ガルに瓜二つだった。しかし、実際のガルは12年前に交通事故で全身に火傷を負い、非業の死を遂げていた。以来、失意のロベルは愛する妻を救えたであろう“完璧な肌”を創り出すことに執念を燃やしていく。そして6年前、ある忌まわしき事件が、ついにロベルを狂気の行動へと駆り立ててしまうのだった。
★☆☆☆☆
これは観る人によっては、刺激的でユニークな作品にちがいない。でも、ボクにはまったく理解できない内容だった。
たぶん描きたいテーマは、人間の獣性とか、どうしようもない肉欲という本能なんだろう。そして直接的には、倫理観を欠いた医学の暴走への警鐘。でも、それらのテーマがあまりにも露骨で、押しつけがましく感じるのだ。
たとえば、主人公の形成外科医学の天才的な医学者らしきアントニオ・バンデラスが、画期的な人工皮膚を開発しているという話なんだが、限りなく人間に近い皮膚を作り上げたっていう話じゃない。虫刺されや火傷に滅法強いというスーパー皮膚を開発したって話になっている。なんかもう人間を跳び越えて人間以上をめざしちゃってる。しかも人間の遺伝子に豚の遺伝子を組み込んで開発したなんてことになっている。この話からしてもう人間の機能を人工物で代替すること自体に対しての悪意を感じる。万事この調子で、お話自体、アントニオ・バンデラスの行為すべてがまるで現代医学版フランケンシュタイン博士として描かれるという一貫性があるのだ。観る者に考える余地を与えない一方的な主張を窮屈に感じたのはボクだけだろうか?
そして、何よりもボクにとって不可解なのは、実験対象を愛してしまう感性。対人不適応で治療中だった愛娘を強姦した相手を実験材料にしてしまう異常性は理解できる。結果的に娘の命を奪ったヤツを憎悪の対象にするわけだから。がしかし、どう転んだら、その呪ってやりたいほどの相手を性の対象にできてしまうのか?そこの感性がまったくもって理解不能なのだ。そこもまた、主人公の博士が異常者だからと解すればいいのかもしれないが、それでも妻の代役を求めるなら、もっと別に調達するあてを探すんじゃないかなあ。
いくら医学が進歩したとしても、顔の整形手術や皮膚移植やホルモン注射などで、骨格や筋肉系、声帯まで激変させることは無理。よほど華奢で素質のある男性を選ばなくては不自然であることは、日々テレビでお目にかかるニューハーフを見れば一目瞭然。ここまで激変することはありえないし。
問題作なんだろう。問題作なんだろうけど、ボクには納得のいかないところだらけの映画だった。まあ、感性の問題なんだから、そういう映画もあってもいいよネ。にほんブログ村
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