むかしむかし、おじいさんとおばあさんが仲睦まじゅう暮らしていました。
ある日、おじいさんが山仕事にでかけると、沢のほとりにそれは可愛らしいカエルがおりました。
おじいさんはカエルのことがすっかり気に入って、うちに連れ帰りました。そして流しの下にそっと入れてやりました。
おじいさんは、流しに行ってはカエルを呼びます。
「カエルやカエルでておいで。まんまをごちそうしてやろう」
おじいさんの優しい声に、カエルがのそのそ出てきます。そんなカエルがおじいさんはかわいくてしかたがありません。
面白くないのはおばあさんです。カエルのことばっかりで、おばあさんのことはほったらかし。だんだんカエルが憎くなりました。
ある日、おじいさんが山仕事にでかけると、流しに行っておじいさんの声色で言いました。
「カエルやカエルでておいで。まんまをごちそうしてやろう」
カエルが流しの下から出てくると、ひっつかんでグラグラ煮えたぎったナベの中にポイ、カエル鍋にして食べてしまいました。
そんなこととは知らないおじいさん、山仕事から帰ってくると、さっそくカエルを呼びました。
「カエルやカエルでておいで。まんまをごちそうしてやろう」
今日に限ってカエルは出てきません。
台所をきょろきょろ探したおじいさん、流し場の鍋底にカエルの骨を見つけて、ビックリ。
「ばあさんや、おまえ、わしの大切なカエルをよくも食べたな」
「おじいさんが悪いんですよ。カエルばっかり大切にするから。わたしゃカエルがいない頃は幸せだったのに」
おじいさんは真っ赤になって怒りました。
「ばあさんがいるよりカエルにいてほしいくらいじゃ。ばあさんなんぞカエルになってしまえ」
おじいさんがそう言った途端、おばあさんは苦しみもがき、見る見る体は緑色、目が飛び出して。
ホントにカエルになってしまいました。
それからというもの、おじいさんはカエルと幸せに暮らしたということです。
とっぴんぱらりのぷう。
え?まだ眠くならない?もっと話してほしい?しかたないねぇ。
むかしむかし、とはいっても、さっきの話よりちょっと経ったころじゃ。
おじいさんとカエルが仲睦まじゅう暮らしておりました。
ある日、おじいさんが山仕事にでかけると、沢のほとりにそれは可愛らしいおばあさんが・・・・・・
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