一番好きなマティスの作品はどれですか?と聞かれたら、Tomotubby は迷わず、パリ4区のポンピドゥーセンター・国立近代美術館に常設展示されている「ルーマニアのブラウス」と答えます。どんな絵かというと、下のような絵です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/9d/903c3878b2a75a411df275d25ea72f6f.jpg)
パリの「ルーマニアのブラウス」
マティスの絵は、観る人を幸せにしてくれます。戦争や病気のときでさえ、マティスは観る人の気分を暗くするような絵は一枚たりとも描かなかったのです。そして古今東西数ある芸術作品の中で、この絵ほどTomotubby を幸せな気分にしてくれる絵はないのです。赤いバックに映える模様入りの、お姫様が着るような白いブラウス、そして青いスカート、素朴な表情、しなやかな指の曲線。
夜間も開館しているポンピドゥーセンターに暗くなってから行って、誰もいない展示室でこの絵を30分くらい眺めていたこともあります。その場を立ち去るときは、もう二度と彼女に会えないかもしれない。と、とても寂しい気持ちになります。
だが、しかし、今、はるばるパリまで出かけなくとも、東京でこの絵が見れるのです。上野の国立西洋美術館に、彼女は来ているのです。
Tomotubby は、別の機会に友人に頼んで、写真撮影禁止のポンピドゥーセンターで、「ルーマニアのブラウス」と一緒に写真を写してもらいました。目敏い係員の人に見つかって「Non Photo SVP」とか言われてひどく怒られましたが、いい記念になりました(大混雑の上野では到底無理でしょう)。
何年か前に、この写真を知人に見せたところ「私、秋田でこの絵を見たことがある」とのたまうのです。「そんな、馬鹿な...」Tomotubby は、国内で行われたマティスの展覧会のカタログは殆ど、以下のように、生まれる前のものまで古本屋さんで手に入れて持っています。
2004年 マティス展 Processus/Variations (国立西洋美術館)
2000~01年 ル・カトー=カンブレジ、マティス美術館コレクション マティス、その原点 (メルシャン軽井沢美術館~兵庫県立近代美術館)
2000~01年 アンリ・マティス マティスとモデルたち(東武美術館~北九州市立美術館~山形美術館~高松市美術館)
1996年 コーン・コレクション展(伊勢丹美術館~大阪市立美術館)
1994年 バーンズ・コレクション展(国立西洋美術館)
1993年 特集展示マティス(ブリヂストン美術館)
1991年 マチス展(新宿・伊勢丹美術館~山口県立美術館~心斎橋・大丸アート・ミュージアム~横浜・そごう美術館)
1987~88年 マチス展(名古屋市美術館~ひろしま美術館~笠間日動美術館)
1981年 マチス展(東京国立近代美術館~京都国立近代美術館)
1951年 アンリ・マチス展(東京国立博物館表慶館)
Tomotubby の記憶が正しければ「ルーマニアのブラウス」は、それまでに日本では未公開の筈です(1997年、木場の現代美術館に来ていたそうです)。そして、県全体で人口百万人そこそこの文化後進地域(失礼)の秋田において、マティスの展覧会が開かれたことなど聞いたことはありません。しかし、知人は「確かに県立美術館で見たことがある」それも「何回も見た」と言い張るのでした。
ずっとこのことが気になっていた Tomotubby に秋田へ行く機会が訪れました。何の因果か、2月の連休、鉛色の空、積雪の中を何度もこけそうになり、平野政吉美術館(昔の県立近代美術館)に向かいました。あまり期待していなかったのですが、藤田嗣治のコレクションは一見の価値ありでした。
確かに美術館の3階の片隅に「ルーマニアのブラウス」はありました。どんな絵かというと、下のような絵です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/aa/224ac9f496ec376aa6c34039713dabe6.jpg)
秋田の「ルーマニアのブラウス」
しかし、パリで見たものとは明らかに色が違います。色褪せているというか、まるでボール紙に描いた絵のようなのです。ま、まさか贋作。しかし贋作にしては、色がひどすぎる。いくら文化後進県といえど、だまされている秋田県人が可愛そう。ん なわけはなく、リトグラフ(版画)だったのでありました。(秋田県人さん、ごめんなさい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/9d/903c3878b2a75a411df275d25ea72f6f.jpg)
パリの「ルーマニアのブラウス」
マティスの絵は、観る人を幸せにしてくれます。戦争や病気のときでさえ、マティスは観る人の気分を暗くするような絵は一枚たりとも描かなかったのです。そして古今東西数ある芸術作品の中で、この絵ほどTomotubby を幸せな気分にしてくれる絵はないのです。赤いバックに映える模様入りの、お姫様が着るような白いブラウス、そして青いスカート、素朴な表情、しなやかな指の曲線。
夜間も開館しているポンピドゥーセンターに暗くなってから行って、誰もいない展示室でこの絵を30分くらい眺めていたこともあります。その場を立ち去るときは、もう二度と彼女に会えないかもしれない。と、とても寂しい気持ちになります。
だが、しかし、今、はるばるパリまで出かけなくとも、東京でこの絵が見れるのです。上野の国立西洋美術館に、彼女は来ているのです。
Tomotubby は、別の機会に友人に頼んで、写真撮影禁止のポンピドゥーセンターで、「ルーマニアのブラウス」と一緒に写真を写してもらいました。目敏い係員の人に見つかって「Non Photo SVP」とか言われてひどく怒られましたが、いい記念になりました(大混雑の上野では到底無理でしょう)。
何年か前に、この写真を知人に見せたところ「私、秋田でこの絵を見たことがある」とのたまうのです。「そんな、馬鹿な...」Tomotubby は、国内で行われたマティスの展覧会のカタログは殆ど、以下のように、生まれる前のものまで古本屋さんで手に入れて持っています。
2004年 マティス展 Processus/Variations (国立西洋美術館)
2000~01年 ル・カトー=カンブレジ、マティス美術館コレクション マティス、その原点 (メルシャン軽井沢美術館~兵庫県立近代美術館)
2000~01年 アンリ・マティス マティスとモデルたち(東武美術館~北九州市立美術館~山形美術館~高松市美術館)
1996年 コーン・コレクション展(伊勢丹美術館~大阪市立美術館)
1994年 バーンズ・コレクション展(国立西洋美術館)
1993年 特集展示マティス(ブリヂストン美術館)
1991年 マチス展(新宿・伊勢丹美術館~山口県立美術館~心斎橋・大丸アート・ミュージアム~横浜・そごう美術館)
1987~88年 マチス展(名古屋市美術館~ひろしま美術館~笠間日動美術館)
1981年 マチス展(東京国立近代美術館~京都国立近代美術館)
1951年 アンリ・マチス展(東京国立博物館表慶館)
Tomotubby の記憶が正しければ「ルーマニアのブラウス」は、それまでに日本では未公開の筈です(1997年、木場の現代美術館に来ていたそうです)。そして、県全体で人口百万人そこそこの文化後進地域(失礼)の秋田において、マティスの展覧会が開かれたことなど聞いたことはありません。しかし、知人は「確かに県立美術館で見たことがある」それも「何回も見た」と言い張るのでした。
ずっとこのことが気になっていた Tomotubby に秋田へ行く機会が訪れました。何の因果か、2月の連休、鉛色の空、積雪の中を何度もこけそうになり、平野政吉美術館(昔の県立近代美術館)に向かいました。あまり期待していなかったのですが、藤田嗣治のコレクションは一見の価値ありでした。
確かに美術館の3階の片隅に「ルーマニアのブラウス」はありました。どんな絵かというと、下のような絵です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/aa/224ac9f496ec376aa6c34039713dabe6.jpg)
秋田の「ルーマニアのブラウス」
しかし、パリで見たものとは明らかに色が違います。色褪せているというか、まるでボール紙に描いた絵のようなのです。ま、まさか贋作。しかし贋作にしては、色がひどすぎる。いくら文化後進県といえど、だまされている秋田県人が可愛そう。ん なわけはなく、リトグラフ(版画)だったのでありました。(秋田県人さん、ごめんなさい)
ところで,この平野政吉美術館,スゴイですね。独自のオーラを感じました。
TBありがとう☆リトもお色が全然ちがってて残念ですが、図録のお写真やはがきも全然、お色ちがいますよね。。。やぱり、現物☆ってrossaも思います。
>誰もいない展示室でこの絵を30分
わかる。その気持ち。きっと、すごくすごくすきなのね。
あ。だから、展覧会は、はっきり言って、ひとりで行くのがいいですね。心ゆくまで、お気に入りに浸れるし、どうでもいいのは、飛ばせるし。。。☆
TB有り難うございます。
「ルーマニアのブラウス」のリトが秋田にあるなんて
全くしりませんでした。びっくりです。
教えていただきありがとうございます。
さて、今回のマティス展に来ている作品ですが
1997年に東京都現代美術館で開催された
「ポンピドー・コレクション展」でも展示されています。
「赤い室内」「窓辺のヴァイオリニスト」
「ジャネット」他。。。
そして「ルーマニアのブラウス」も来ていました。
今手元に図録がありますが、その表紙がこの絵です。
ポンピドーが大規模な改修をしていた時なので
マティスを初め多数の秀作が来日していました。
ただ残念ながら東京以外巡回していません。
皆様、コメント、ご指摘、
ありがとうございます。
Tomotubby も、マティスの油彩をそのまま
リトグラフにしたりしてる例ってあまり知らないのですが、事情を知りたいものです。
先日、西洋美術館に行ったとき、
印刷物の色あわせをしている人がいました。ゲラを持って、ここの色が悪い。
とか真剣そのもの。
容赦ない意見をぶつけていました。
色はこれでも昔に比べると随分綺麗になった
と思います。1981年のときの「みづゑ」の
マチス特集を古本で手に入れましたが、
はっきりいって見るに堪えませんもの。
「ポンピドゥー・コレクション展」って、
Tomotubby も木場まで見に行ったような
気がしてきました。絵の数が多くて
閉館間際走って見たような...
吹き抜けのところに大きなピカソの
サーカスの絵がなかったでしょうか?
言われてみたら「ルーマニアのブラウス」
もあったような。ともあれ、今回初公開
ではないようなので、
訂正させていただきます。
マティス・ネタは、まだまだあるので、
特集のカテゴリ作ってみました。
次回はニースやヴァンスのことでも書こうか
と思いますので、またお越し下さいね。
実は私もマティス展、二回観に行ったのですがカタログを買わなかったんですよね。
じっくりみたし、絵も買ったし、カタログはいいかな~、マティス全画集でも改めて買えばって思ってしまったんですね。
でも大失敗でした。探してみるとマティスの画集はゴッホのようにはいかないですね、日本のマティスに対する認識不足?に愕然としました。絶版になってるものが多いのですね!今展覧会のカタログも探しています。美術館に問い合わせしたら案の定完売だと言われました。tomotubbyさんは過去の展覧会カタログを古書店でみつけられたようですが、入手するコツってなにかあったらおしえてください。あと私はリメンバーという作品がもう一度見たいのですが、これが掲載されている画集をご存知でしたら教えてください。あとお勧め画集とかも・・・。
なんだか質問攻めになってしまいましたが、よかったら教えてください。よろしくお願いします。
また郊外の古書店でも取り揃えの充実した店があり、穴場になっていることもあります。
神田からはずれますが、Arteria
http://www.arteria-artbook.com/
という店なんか、ホームページから検索するとマティスの本が揃っています。
ただ、今回のような新しい図録ほど、入手が難しいと思います。探している人も多く、人気があるので、すぐ売れてしまいます。
展覧会から時間がたつほど入手しやすいので、定期的に回るなどして気長に待つことです。店主と親しくなると希望のものを取り置いてもらえるかもしれません。
古書、和書にこだわらなければ、つまり洋書の新品のマティスのカタログはたくさんあります。色も素晴らしいのがあるので、納得して買えます。
東京近辺なら、例えば Nadiff
http://www.nadiff.com/
のような専門店があるので、店に行って探してみるといいと思います。相談にも乗ってくれます。ここは今はなき西武美術館併設のアール・ヴィヴァンの残党が開業した店のようです。
海外に行かれるなら、美術館のブックショップや専門店に行かれるとよいと思います。当然ながらフランスは大充実です。Tomotubby はポンピドゥーセンターの前の古書店なんかにお世話になりました。
リメンバーという題の絵は思い出せないのですが、デッサンではなかったですか? 洋書ではマティスのデッサンを集めた画集がいくつかあります。
ネットで古書を探す手もあります。オークションとかイージーシークみたいなのを利用する手です。Tomotubby は手にとって確かめたいほうなので、美術書ではあまり利用したことがありませんが。
検索したら、こういうのがありました↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%8E%E8%A1%93%E6%9B%B8%E3%81%AB%E5%BC%B7%E3%81%84%E6%9B%B8%E5%BA%97%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
↑これ見てください。
さっそく教えていただいたアドレスをお気に入りに登録しました!!!
実はですね、今日ブリジストン美術館に行った帰りに、なんとなく神田に行ってみようと思い立って、本を探しに行きました。
古書店には行ったことがなかったし、どの店が美術系に強いのかもよくわからなかったのでドキドキでした。
それで、なんとなく目に入ったお店に入ったんですね。
そしたら、あったんです!一軒目で!マティス展のカタログが☆
この出会えた感動ってなんとも言えませんね。
他にも画集がたくさんありました。
古書店ってすばらしいですね、ワクワクがたくさんですね!
これから古書店巡りをコツコツして、お気に入りの画集を探してみます。
ポンピドゥーセンター前の古書店かぁ、なんかいいなぁ~あこがれます。フランスに行きたくなるなぁ。
日記、これからも楽しく拝見させていただきますね。
海外にはなかなか行けないので、かわりにtomotubbyさんの日記で体験させていただきます。
最後に、本当に本当にありがとうございました☆
P・S 古書店は源喜堂書店というところでした。
ご存知ですか?
マティスは先月MOMAに行ったとき写真を撮ってきましたので、いずれ披露しますね。
知らない間にゴッホが終わってしまっていてショック。大阪遠征を検討中です。
ひろと申します。
マチスの「ルーマニア風ブラウス」のリトグラフを買いたくて検索していたら、たどり着きました。
私もこの絵が大好きで20年前にプリントを買って居間に飾っていたのですが、西日に当てていたせいか色が褪せてしまいました。で、本物?のリトグラフを求めて検索をしていた次第です。
1940年頃、300枚刷られたようでアメリカの画商のところに1枚あるのを発見して値段を問い合わせて交渉したところ
正価$70,000 値引いて25%Off で$52,500とのことです。ま、欲しいことは欲しいのですが、無理なので諦めました。リトグラフの正式タイトルはLa Blouse Payssane (多分、農婦風ブラウス)のようです。
それにしても秋田のリトグラフ?の色はひどいですね。ま、僕の買ったポスターも背景はピンクでしたけど(笑)
リトグラフは諦めて、また、ポスターでも探すか画集から切り抜くしかないですね。
切り抜くに最適な画集をご存知でしょうか?
紙質とか大きさとか。ご存知でしたら教えていただけると有難く存じます。
ひろ
0 が最低でも一個少なくないと無理っぽいですね。
うーん。かといって画集を切り抜くのは、ちょっとつらいですね。MOMAの回顧展のは色がいまいちだし。ポンピドゥーセンターの常設図録もあるけど、サイズが小さいですね。
ともたびは、マティス展のとき、額装ポスターを買って帰りました。色もまずまず。それから実家で購読している読売新聞の販売店からも額絵も貰いました。
http://event.yomiuri.co.jp/matisse/present.html
ネットでも↓で買えます。
http://reisserbilder.at/index.asp?aid=1892