
最初に大須賀めぐみ・画「魔王 JUVENILE REMIX」という漫画を読んだ。伊坂幸太郎の原作を大胆にアレンジしたものらしい。これまで刊行されているコミックス六巻までをまとめて一気に読んでしまう。第六感で、第六巻はちょうど佳境を迎えたところで終わるんだろうな。と感じたが、果たしてその通りだった。その先が読みたくなって原作「魔王」を買って読んでみた。漫画では高校生だった主人公・安藤は、原作では会社員の設定になっていて、「グラスホッパー」なる私警団を率いる敵役の犬養は、なんと新党を率いる国会議員になっていた。「グラスホッパー」という団体に至っては、原作のどこにも出てこない。おまけに、漫画で物語を彩っていた蝉、鯨、スズメバチなど奇妙な名前を持つ魅力的な殺し屋たちは、原作では全く登場しないではないか。ナイフを使う蝉は少し気に入っていたのに。
暫くしてから、伊坂幸太郎が「グラスホッパー」という別の小説を書いていて、殺し屋ご一同様は、実はそちらの小説に登場していたことを知った。さらに「グラスホッパー」には、原作に忠実な漫画(井田ヒロト・画)まであるというので、手始めに一巻だけ見つけて買ってみた。今度も第六感で感じてはいたが、蝉と鯨の対決というクライマックスの予告で第一巻は終わっていた。当然続きが気になるので、第二巻を買いに本屋に行ったら、店員は、はにかんで第二巻は未だ刊行されていません。と言うのだった。仕方ないので代わりに原作本を買って帰った。こうして、まんまと角川書店の戦略に乗せられたわけだ。
それでもって「グラスホッパー」の原作はなかなかおもしろかった。私のお気に入りの蝉もキャラが立っていたし、槿(あさがお)という名の押し屋(殺し屋の一種)と、その一家に不思議な存在感を感じた。それからどうでもいいことだが、伊坂幸太郎は荒木飛呂彦と同様に仙台に住んでいるそうだ。ラスボスが現れて佳境に差し掛かると失速してしまう最近の荒木飛呂彦と比較すると、私にはストーリーテラーとしての伊坂の構成力がいやがおうでも目立ってしまうのだ。
「魔王」の原作には、アンチクライマックスの展開で終わる「呼吸」という続編がある。「魔王」が動なら、「呼吸」は静という印象だ。連載中の「魔王 JUVENILE REMIX」は既に「魔王」本編が終了しており、「呼吸」をベースとして「グラスホッパー」のエピソードを交ぜ混んだ魅力的なストーリーが展開されている。さらに「魔王」「呼吸」の続編として「モダンタイムス」が発表されている。「グラスホッパー」の作中でも、鯨が殺した田中という名の亡霊が、伊坂のデビュー作「オーデュボンの祈り」に出てくる案山子のエピソードを引用している。伊坂幸太郎にはまだまだ読むべき小説があるようだ。
暫くしてから、伊坂幸太郎が「グラスホッパー」という別の小説を書いていて、殺し屋ご一同様は、実はそちらの小説に登場していたことを知った。さらに「グラスホッパー」には、原作に忠実な漫画(井田ヒロト・画)まであるというので、手始めに一巻だけ見つけて買ってみた。今度も第六感で感じてはいたが、蝉と鯨の対決というクライマックスの予告で第一巻は終わっていた。当然続きが気になるので、第二巻を買いに本屋に行ったら、店員は、はにかんで第二巻は未だ刊行されていません。と言うのだった。仕方ないので代わりに原作本を買って帰った。こうして、まんまと角川書店の戦略に乗せられたわけだ。
それでもって「グラスホッパー」の原作はなかなかおもしろかった。私のお気に入りの蝉もキャラが立っていたし、槿(あさがお)という名の押し屋(殺し屋の一種)と、その一家に不思議な存在感を感じた。それからどうでもいいことだが、伊坂幸太郎は荒木飛呂彦と同様に仙台に住んでいるそうだ。ラスボスが現れて佳境に差し掛かると失速してしまう最近の荒木飛呂彦と比較すると、私にはストーリーテラーとしての伊坂の構成力がいやがおうでも目立ってしまうのだ。
「魔王」の原作には、アンチクライマックスの展開で終わる「呼吸」という続編がある。「魔王」が動なら、「呼吸」は静という印象だ。連載中の「魔王 JUVENILE REMIX」は既に「魔王」本編が終了しており、「呼吸」をベースとして「グラスホッパー」のエピソードを交ぜ混んだ魅力的なストーリーが展開されている。さらに「魔王」「呼吸」の続編として「モダンタイムス」が発表されている。「グラスホッパー」の作中でも、鯨が殺した田中という名の亡霊が、伊坂のデビュー作「オーデュボンの祈り」に出てくる案山子のエピソードを引用している。伊坂幸太郎にはまだまだ読むべき小説があるようだ。
ロストジェネレーションというよりとにかく巧みな書き手だと思います。都筑道夫にとても近い気がする。そのうち時代小説とか書いてほしい。
私としては魔王やグラスホッパーはすいすい読めたので、それ以降から読んでいこうかな。と考えています。
『陽気なギャングが地球を回す』とか『砂漠』なんてロスジェネ色が薄いですよ。これがボクの好きな伊坂路線。『グラスホッパー』がいけたのだったら『死神の精度』なんていいんじゃないですかね。
誤解されているかもしれませんが、ロストジェネレーション向けと言ったのは否定的イメージじゃないですので。わたしの場合。
自分は毎週サンデーを購読してて、本屋でグラスホッパーなる漫画を見て?と思ってました。
そうかそれでグラスホッパーなる漫画の帯に蝉とか令嬢、押し屋なんて名が!