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【記事発掘】 北京のホルマリン漬け標本 「人体真奇妙」(ややグロ)

2010-01-12 | Asia 「圓」な旅
実家で見つけた「PANjA」という扶桑社の月刊雑誌。1995年3月号だから、15年前、阪神大震災や地下鉄サリン事件の頃のものになります。そこに「欲望大陸 中国の謎発見旅行」なる特集記事が載せられていました。ブームタウン・上海、文化バブル都市・北京、仮想体験都市・西安と三都市で取材されており、取材・文が「珍世界紀行」の都築響一氏。きっとこの特集が出ていたので、保管してあったのでしょう。

文化バブル都市・北京のパートで最初に取り上げられているのが、「絶叫までも凍りつく、自然博物館で恐怖体験」のコピーのつけられた北京自然博物館。中華人民共和国建国以来の自然博物館で、場所が「天橋南大街126号」だから、20世紀、私が初めての一人旅で北京を訪れた際に、宿泊してゲテモノじゃなかった薬膳料理を食べたあの場所ではないですか。こういう珍スポットがあるのを知っていたら訪問したのに。と後悔しきりです。

都築氏によると、中国では80年代に入って(人口抑制のためでしょうか)「性知識普及」の取組みが始まり、それまで徹底して抑えられてきた性表現が解禁され、続いて80年代末から「人体芸術熱」なるブームが巻き起こり、90年代初めには「芸術写真集」がブームになったとのこと。但し芸術・教育はタテマエで、ホンネは「エロ」目的だったようです。写真を見てしまうと次は実物で...ということで、登場したのが科学教育目的のホルマリン漬け死体標本展示で、当時全国規模で大ブームだったようです。人民の方々は、とかく「エロ」を抑えると「グロ」に走るようです。

当時の自然博物館の最上階には、どこか高校の文化祭みたいな「人体真奇妙」なる展示室があり、そこには男2、女1の全身標本、手足脳などのパーツ標本、一つ目や無脳症など畸形標本が並んでいたそうです。写真は爪先だけ残して皮膚を剥いだ男性の標本ですが、これなどは後に世界中で巡回展示されたプラスティネーションの「人体の不思議」展を髣髴とさせます。

同雑誌では、布施英利氏による「街の死体」なる連載が続いていて、偶然にもこの号ではオーストリア・グラーツで行われたプラスティネーション学会のルポが載せられています。そこには当時まだ珍しかった全身皮剥ぎプラスティネーション死体標本と並ぶ布施氏と養老孟司氏の記念写真が載せられていました。

それから15年が経ち、今やプラスティネーション標本を量産している中国ですから、もはやこのようなホルマリン漬け標本展示は無くなったと思いきや、北京自然博物館には今もって展示されたままだそうです。オチが「李さん一家」みたいですが...(度胸のある方はこちらへどうぞ)

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