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学習院大学ピラミッド校舎「日本春歌考」

2008-01-23 | 映画・ロケ地訪問
近々の取り壊しが決まった学習院大学ピラミッド校舎、通称ピラ校は、1968年放映の「ウルトラセブン」のロケ地として使われる以前に、ある映画のロケ地として採用され、重要な役割を果たしていました。ところが、天皇家の学舎を標榜する学習院にとって、この映画の内容は許しがたいものだったようです。そのためか、今回ピラ校で行われた「ウルトラセブン」のような上映会はついぞ行われることはありませんでした。

その映画こそが、1967年公開の大島渚「日本春歌考」です。映画の冒頭と最後に現れるピラ校には、奇しくも「ウルトラセブン」同様、雪が積もっていました。

冒頭、入学試験会場となったピラ校前で、大学生がベトナム戦争反対の募金を募っているシーン。次は黒い日の丸を掲げ建国記念日に反対するデモシーン。受験のため前橋から上京した男子高生がピラ校内で女子高生を凌辱する妄想シーン。伊丹十三、荒木一郎らによって幾度となく繰り返される春歌。若き吉田日出子演じる在日女子高生の歌う哀しげな朝鮮訛の春歌「満鉄小唄」。
終幕のシーンは再び雪の残るピラ校。その中では大島・妻の小山明子が「騎馬民族征服王朝説」を唱え、壇上では妄想の中で行われたように、田島和子演じる受験番号469のブルジョア女子高生が、荒木一郎による凌辱を受容しようとしている。

今回、初めてこの映画を観たのですが、お堅い学習院がよくピラ校を使わせたものだ。と驚くほどのトンデモ映画でありました。ただ、よーく見ると、映画に映されたピラ校内部は、先日見学した本物とは似ても似つかない、ありきたりの階段教室で、どこか別の場所で撮影したもののようでした。

問=感動した映画は?
答=大島渚の「日本春歌考」。インテリの中に日本の底辺を代表させるような混然たる作品だと思いました。
(高橋睦郎「吉岡実氏に76の質問」から)

つづく


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