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浅田次郎「中原の虹」

2006-11-15 | 今週の婉容
全四巻の大ヴォリュームとなるらしい浅田次郎の新作「中原の虹」を読み始めました。書店には既に第一巻が9月に並び、第二巻が遅れて11月に発売されると予告されていたので、少し待ってから二巻合わせて買いました。第一巻がまだ初版本だったのであんまり売れてないのかもしれません。

講談社のドル箱だから仕方がないかもしれませんが、ページを「蒼穹の昴」みたいに二段組みにしてくれれば全二巻に収まるのに。と思いました。

そういえば「蒼穹の昴」文庫版はなかなか刊行されなかったですね。1800円の単行本二冊を買い控えていた人は、590円の文庫四冊買うのなら、最初から単行本買えば良かったと言っていました。「中原の虹」も時間差つけて刊行するからには、文庫版が売られるのは相当先になるでしょう。長期戦に我慢できなくなった読者に単行本を買わせる講談社の戦略ですね。

で、第一章「白虎の張」を読んだだけでワクワク。この長編が名作「蒼穹の昴」の続編であることがすぐに判ります。
まず奉天の馬賊の頭目、総攬把張作霖が浪人市場で買った壮士、李春雷が「蒼穹の昴」の主人公である李春雲の生き別れになった実兄であること。

「蒼穹の昴」に登場して李春雲に昴の星の予言を授けた老婆白太太がまたもや現れて、張作霖や李春雷たちの行く末を予言すること。

冒頭、張作霖が李春雷を従えて向かった先が、中朝国境、長白山中にある清太祖愛新覚羅努爾哈赤(ヌルハチ)の陵で、そこで張作霖が見つけて奪うのは「蒼穹の昴」で乾隆帝が隠したとされた覇王の証「龍玉」であること。

表紙デザインが踏襲されているんで見ただけで判るという声もあるけど。
こうなると、やはり「蒼穹の昴」→「珍妃の井戸」→「中原の虹」と読み進めるべきなんでしょう。こちらは浅田次郎の戦略かな。

第二章「風のごとく」は太祖ヌルハチのエピソードで始まっています。どうやら「中原の虹」は明末清初の時代を清末から民国への時代に重ね合わせて描こうとしているようで、スケールが大きいですね。気がかりなのは、この小説で重要な役割を演そうな張作霖・張学良親子が、ヌルハチ・ホンタイジ・順治帝を重ね合わせて描くほど人間的に魅力があったのかどうか?ということ。

第二巻をパラパラめくると、西太后が天寿を全うするようなので、第三巻以降は溥儀、婉容も登場しそうな気配です。


溥儀と婉容

蛇足ですが、「北斗の拳」の続編ともいえる「蒼天の拳」、TV放映してるみたいですね。こちらは「中原の虹」と同時代の上海が舞台ですが、浅田作品同様、予言者がよく出てくるなー


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