片目失明も障害者認定に 富山の正垣さん認定求め署名募る

2013-11-18 12:03:06 | 暮らし

片目失明も「障害者」に 富山の正垣さん認定求め署名募る

片目の視力を失った人たちが、国に障害者認定を求めるため9月に設立した全国組織「片目失明者友の会」(本部・広島市)に、県内から富山市豊田町、会社員、正垣(しょうがき)慎哉さん(41)が加わり、北陸支部長として活動を始めた。同支部の会員はまだ、福井県の男性と合わせ2人だけ。認定基準改正を訴える署名活動を進めており、正垣さんは「認定を受ける権利が得られるよう、仲間を募り活動の輪を広げたい」と話す。

 身体障害者福祉法に基づく視覚障害は、視力や視野によって1~6級に区分され、障害者に認定されれば、義眼など補装具の購入補助といった各種保障を受けられる。ただ片目に視力がなくても、もう片方に0・6を超える矯正視力があれば、最も程度の軽い6級にも認定されない

 金属加工会社で働く正垣さんは4年前、金属板に穴を開ける作業中、保護用の眼鏡を掛けていなかったため、折れたドリルで左目を傷つけ、視力を失った。右目の矯正視力は1・5あり、医者から障害者に認定されないと聞かされた。治療後は遠近感が取りづらく、まっすぐ歩くのにも苦労。今では慣れたものの「夜道は足元が見えにくく、つまずきやすい。仕事は精密さを要求されるので、より注意力が必要になった」と言う。

 片目失明者友の会は、代表の久山公明さん(63)=広島市=が発足させた。全国に7支部あり、会員は約120人。片目失明者には、運転免許の取得制限や警察官に就職できないなど社会的な制約がある一方、保障がなく「健常者と障害者の中間」(久山さん)にあるため、厚生労働省に認定基準の改正・拡充を求める署名を募っている。

 正垣さんは会の活動を知り、久山さんとフェイスブックを通して交流するうちに入会し、10月から署名活動を始めた。「自分の失明は自業自得の面があるが、同じ境遇に置かれた若い世代や子どもたちのため、認定を受けやすい環境をつくりたい」と話す。

 同会は来年5月にも、署名と請願書を国に渡す予定。正垣さんは会員を募り、街頭での署名活動にも乗り出したいという。問い合わせは正垣さん、電話090(1020)7338、メールアドレスはand.stay.gold@cosmos.ocn.ne.jp。本部は電話082(873)3963。



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