【 Sapporo-Ishikari 2007 その２３ 】

（このシリーズの共通データ　：　Minolta XG-E ＋ MC ROKKOR 28ｍｍF3.5 ＋ E100VS　）


昨年の１１月にはじめてから５ヶ月くらいかかってしまいましたが
Sapporo-Ishikari 2007 シリーズはここでようやく終わりです。

先日、この旅を思いつく発端となった森山大道「犬の記憶～終章」札幌編の
初出アサヒグラフ掲載分を探してみたら、１９９７年１０月１７日号で
巻頭特集は「ゲバラ没後３０年」であった。

１２年も前のお話だったんですねー。


次回からはしばらくモノクロにします。

【 Sapporo-Ishikari 2007 その２２ 】

空港行きの列車に乗りながら流れ去る景色を眺めていた。
どことなくさっき見た森山氏の作品とイメージがダブってくる。

２日間の出来事を思い返すうち、昨日
〔空港→札幌〕の列車から地下鉄に乗り換えた
新札幌駅を思い出す。

どことなく昭和の香りがする古ぼけたターミナルビルは
夏だというのに北国の寒さを感じさせた。
自分には今までになかった北海道のイメージだった。

またいつかここを訪れたいと思った。
北海道には何度も来ているが、その度に新しいイメージで
眼前に現われてくる。
カメラ片手に歩き回ってそれを見つけに行きたい、
いつの事か分からない夢ではあるが。

【 「その２」もありですか 】

古希の写真家・森山大道大車輪である。

倉敷での企画でちょっと驚いていたら、それどころではない。
とうとう北海道ドサ廻り公演である。

これでこの夏休みの予定は決まり！と言いたいところだが…

しかし美唄とか
行ってみたいですねー。

【 今月の立ち読み 】

「日本カメラ」


小栗昌子さんの「トオヌップ」が掲載されている。
先日、写真集も入手したので自然見比べることになるが
印刷のトーンが微妙に違う。

写真集はあくまでシャープに、白黒のコントラストを強調した感じだが
雑誌のほうはわりとノーマルな少し柔らかめの諧調である。

こっから先は好みの問題だが、写真集でのカチカチの仕上がりは
個人的にはあんまり好きではない。
被写体の存在感を殊更に強調しようとしている感じがするからだ。
もちろん撮影している対象そのものの存在感が大きい、というのが
彼女の写真の良さでもあるが、それは、肩肘張らない
穏やかで自然な語り口からでも伝わってくるはず
という気がするし、むしろその方が、声高な物言いよりも
リアリティがあるのではなかろうか。


またしても他人の作品にイチャモンをつけてしまったが、小栗さんには
これからも頑張ってもらいたい。
漏れ伝え聞く噂では、遠野のスーパーでレジ打ちをしながら
写真にかかる費用を稼いでいるとの事…。
応援といっても写真集を買うぐらいしかできないわけですが。

【 Sapporo-Ishikari 2007 その２１ 】

いよいよ旅の目的を果たしたということで、さすがにほっこりとして
大通公園のベンチに腰掛ける。
気候のあまりの心地よさについうとうととしてしまう。
いや、眠るわけにはいかない、とも思ったが
少し眠っていたかもしれない、
そんなまどろみのひと時を過ごしてしまった。

いっそこのまま先のことは考えずに、この気持ちよさに
身を委ねてしまいたいとも考えたが
そうは問屋がおろさない。
帰りの飛行機の時間が少しづつ近づいていた。

【 Sapporo-Ishikari 2007 その２０ 】

北海道神宮の隣のレストランで昼食を済ませ、地下鉄の駅まで歩いて札幌市外へと戻る。
大通公園から観光客お決まりの時計台詣でなどしたのち、風間健介氏の写真展をのぞいてみる。

ちょうどトークショーをやっている時間だった。
皆が集中して話を聞いている雰囲気に気後れして、ちょっと後で来ることにする。

その辺を一周して戻ってくるとトークショーは終わり、風間さんは
恐らく地元の知り合いの方数人に囲まれて談笑中だった。

以前 Roonee でご挨拶したことがあったので一声かけようかとも思ったが
なんか親密な感じで集まっておられたので、またまた気後れでその場を離れる。

とことん後ろ向きな展開でなんだかなーという感じになってしまったが
そろそろ旅の疲れが出てきたのかもしれない。

【 おまけ…「森山大道」で検索していたら 】

こんなもの（ pdf ）が来週あるそうな。

近郊なら行ってみたいけど岩見沢では…

北海道滞在時のエピソードとか話してくれるんでしょうか。それとも
学生のありきたりで陳腐な質問に返答したりするんでしょうか。

【 ＥＴＶ特集で（…脚注入り） 】

森山大道特集を見た。

放映時間になったらテレビの前に居座って
録画までセットするという気合の入れようだったが
唐突に中平卓馬氏が出てきたり（※１）、更には
ＢＥＲＧの迫川さんが登場したり（※２）と
だんだん何の番組かわからんようになってしまった。

（※１）
　５年前だったか「新日曜美術館」での中平卓馬特集は
　現在進行形で中平氏の写真の意味を問う大変充実した内容だったが、
　今回はおそらく製作サイドが森山氏について　“気の利いた”
　コメントが欲しかっただけだろう。

（※２）
　何か悪口っぽくなったが、迫川さんの写真はとても素敵だし
　ＢＥＲＧの目指していることも素晴らしいので
　お店の存続に向けてなんとか頑張ってほしいという気持ちはある。
　ただ、強いて言えば私好みのメニューは少ない……。



ただ、森山氏が昨年夏？に撮影した一枚の写真
「大阪・南港にて」とキャプションがついた作品がちょっと気になった。

場所は「南港」なのだろうが、なんかそれらしい感じがしない。
どのあたりだろうということで、手元にあった大阪の古い地図を見てみた。

大正年間製作のその地図では、大阪湾岸はかなり埋め立てられていると言え
現在の大正区辺りにはまだ埋め立てが完了せず、恐らく貯木場や湿地帯のようになっている箇所が多い。

港の岸壁沿いで彼が撮影した、夏日が照り返す小さな水溜りは、
かっての大阪の記憶の破片のように感じられた。

【 Sapporo-Ishikari 2007 その１９ 】

　会場の宮の森美術館はとなりに結婚式用のチャペルが併設されていて
（ちょうど一組のカップルが挙式中だった。）
真っ白な教会と森山大道という取り合わせが何とも不思議だった。

　「にっぽん劇場写真帖」や「光と影」といった代表作といっしょに
いよいよ北海道での写真１０点余りとご対面となったが、
それはどこかでかって見たような、ある種の懐かしさが感じられるものだった。

　一部の作品が既発表（だからいつか見ていたはず）だったこともあるかもしれない。
あるいは、自分が初めて北海道を旅した１９７９年の小樽あたりの記憶が
イメージとして重なるのか、それとも写真家のあてどもなく旅する感情が
どこかノスタルジアを感じさせるのか……。

　いずれにせよ、これらの作品群を他でもない北海道で見れたことは感慨深かった。
もう２度と見ることはないかもしれない（その時はまだ写真集の刊行は決まっていなかった）
作品の前を立ち去るのは名残惜しかったが、ポスターを自分への土産に買って
会場を後にした。

【 Sapporo-Ishikari 2007 その１８ 】

札幌駅前のネットカフェでメールチェックなど。
日曜の朝から結構な賑わいである。

小一時間ほどのち、バスで宮の森へ。
意外と目的のバス停までは早く着いた。
あらかじめ調べてあったが土地勘のない場所なので
地図を見ながらキョロキョロする。
建物の前まで来て看板を見てようやく
目的地に着いたことがわかった。

【 Sapporo-Ishikari 2007 その１７ 】

この家は宿から札幌駅へ歩くまでにあった。
どこにでもありそうなありふれた光景の中に、ポツンと
往時を偲ばせるたたずまいで残っていた。

先日、記憶をたよりに GoogleStreetview で探してみたら
まだこの家は残っていた。
いつまでこの姿を見せてくれるだろうか。