会場の宮の森美術館はとなりに結婚式用のチャペルが併設されていて
(ちょうど一組のカップルが挙式中だった。)
真っ白な教会と森山大道という取り合わせが何とも不思議だった。
「にっぽん劇場写真帖」や「光と影」といった代表作といっしょに
いよいよ北海道での写真10点余りとご対面となったが、
それはどこかでかって見たような、ある種の懐かしさが感じられるものだった。
一部の作品が既発表(だからいつか見ていたはず)だったこともあるかもしれない。
あるいは、自分が初めて北海道を旅した1979年の小樽あたりの記憶が
イメージとして重なるのか、それとも写真家のあてどもなく旅する感情が
どこかノスタルジアを感じさせるのか……。
いずれにせよ、これらの作品群を他でもない北海道で見れたことは感慨深かった。
もう2度と見ることはないかもしれない(その時はまだ写真集の刊行は決まっていなかった)
作品の前を立ち去るのは名残惜しかったが、ポスターを自分への土産に買って
会場を後にした。