not uncommon but indescribable (photographs)

趣味で撮った写真など、徒然なるままに投稿しております。

【Okinawa 2002 その34 ~ 冷めてしまったオキナワ熱】

2008年09月13日 | Okinawa 2002

先日、多田治氏の「沖縄イメージを旅する」という本を読んだ。
本土からの旅行者が、どのように沖縄を見てきたか、
見られる沖縄の人々は自らのイメージについてどのように考えてきたか、
を歴史的な流れの中で概観した佳作である。
(これは沖縄のみならず、観光地といわれる所、例えば京都でも
 “よそ者”の受け入れ方などにずいぶん違いはあるとは言え
 同じように発生する問題であるが。)
沖縄に限らず、観光に関心をお持ちの方は
ぜひご一読をおすすめしたい。

さて、自分の場合はどうだったか。
沖縄に行きたいと最初に思った時の衝動は、実際に行ってみて
期待以上の衝撃と感動で応えられた。
しかし、何回か沖縄に足を運ぶにつれ、単に物珍しさや
上っ面の面白さだけでは済まないものを感じ始めた。
大げさに言えば、自分が何のために、どのように沖縄に関わるのか
が問われていた。
そんな一種の“壁”のようなものを感じ始めていた時に、空前の沖縄ブームが
洪水のように押し寄せてきたである。
へそ曲がりで根性なしの私に、「沖縄へ」という衝動を持ち続けることは
もはやありえない事になってしまった。

この2002年の時も、フォトネシアの写真展が無ければ
たとえ1泊2日であっても沖縄に行くことはなかったはずだ。
その2年前、多良間島からの帰路で、機上から
小さくペッタンとした沖縄本島を見て、「もう二度と
あそこへ行くことは無いだろう」と思っていたのだから。

ともかくも現地へ行ってしまえば、写欲をそそるフォトジェニックな被写体は
恐らく一杯転がっているに違いない。
でも、再び沖縄へ行く決心をするには、もう一度内なる衝動、
止むに止まれぬ気持ちになるのを待つことにしたい。
(もしくは、何かの用事の折についでに行くか、だ。)
それまではしばらく、オキナワにさようなら、である。
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