轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ミニ・クーペ

2012-02-03 18:50:07 | BMW & MINI
助手 「所長、そろそろうちの研究所もヤバイんじゃないですか。」

所長 「ん、どうしてじゃ。」

助手 「またまた予想が外れたじゃないですか。そのうち誰も見向きもしなくなりますよ。」

所長 「一体、何を言っとるんじゃ。さっぱりわからんわ。」

助手 「ほらっ、前にミニのクロスオーバーの話をしてたじゃないですか。」

所長 「それのどこに問題があるんじゃ。」

助手 「そのときミニのクーペやロードスターの話が出てこないんで、販売しないんじゃないかって、推測してたじゃないですか。」

所長 「ああ、そうじゃった、そうじゃった。あのあとすぐ出るって聞いたときは、嫌がらせかと思ったモンじゃ。」

助手 「なんでうちみたいなトコに、嫌がらせしなくちゃなんないんですか。」

所長 「もちろんそうなんじゃが、あまりにもタイミングが良すぎたからのぉ。」

助手 「でしたよね。ほんの2、3週間後の発表でしたしね。」

所長 「それまでトンと話が出て来んかったし、てっきりお蔵入りしたモンばっかりじゃと思っとったんじゃが。」

助手 「出したところでスマートの二の舞になるのがオチって話をしてましたよね。」

所長 「ん、・・・そうじゃ。お前が言ってたんじゃなかったか。出さない方がいいって、偉そうにアドバイスまでしとったじゃろ。」

助手 「あっ・・・。」

所長 「ま、ワシにしてもこのクーペがそんなにいいとは思えんがの。」

助手 「ですよね。だいたいクーペと言っても普通のミニを2シーターにしただけの不便なクルマですしね。」

所長 「全高も5センチほど低くなっとるそうじゃぞ。」

助手 「それにしても見た目をスポーティーにしてるだけでしょ。」

所長 「それが空気抵抗が減って、加速が良くなっとるそうじゃ。エンジンはおんなじで、重量は重くなっとるにもかかわらず、速くなっとるんじゃから侮れんじゃろ。」

助手 「そこなんですよ。」

所長 「ん、どこじゃ。」

助手 「なんで普通のミニよりクーペの方が重くならないといけないんですか。」

所長 「ああ、そこか。確か、ボディ剛性をアップさせたり、重量バランスを追求したりと、シャーシのセッティングをスポーツ方向へ振っとるそうじゃ。そのせいで重量が少し増えたんじゃないかのぉ。」

助手 「いや、それはわかりますけど、普通この手のクルマって軽量化したりするじゃないですか。」

所長 「それは、今後チューニングしたのを出せばいいんじゃ。メーカーでやらんでもチューナーがなんぼでも出してくるじゃろうしな。あくまでもベースモデルは快適性も両立させんといかんじゃろ。」

助手 「ジョンクーパーワークスっていうのがすでにありますけどね。」

所長 「あれはチューニングカーっていうよりも高性能なカタログモデルじゃろうが。言ってみればAMGみたいなモンじゃ。ワシが言うとるのは純粋な改造車じゃ。」

助手 「いや、わかってますよ。でもボクが言いたいのはちょっと違うんですよ。ミニ・クーペの諸元を見たんですけど、全長も全幅もホイールベースも普通のミニと一緒なんですよ。どうせやるんなら、ショート・ホイールベースにするとか、ワイドボディにするとか、もっとスポーティーに振った方がいいって言ってるんですよ。」

所長 「ああ、そういうコトか。ワシもそれは考えたコトがあるわ。例えばかつてのカニ目やミジェットのような本格的なライトウェイト・スポーツをミニ・ブランドで出したら面白いんじゃないかとか。」

助手 「それいいじゃないですか。古きよき英国って意味ではミニに通ずるモンがありますし、ラインナップとしては違和感ないんじゃないですか。あとミニ・ベースのマーコスなんかも面白そうですしね。」

所長 「じゃろ。別にFFにこだわらんでも構わんしの。幸いBMWにはFRのノウハウはふんだんに持っとるからのぉ。」

助手 「それかロータス・ヨーロッパのようなミッドシップでもいいんじゃないですか。ミニのデザインでミッドシップのスポーツカー、考えただけでも面白いクルマになりそうですよね。」

所長 「じゃが、よくよく考えてみると、BMWはミニをブランドとして見とらんのじゃないかって、気がついたんじゃ。」

助手 「えっ、どういう意味ですか。」

所長 「つまり、ミニはミニでしかないんじゃ。コンバーチブルも、ワゴンのクラブマンも、SUVのクロスオーバーにしても、今回のクーペもロードスターも全部ミニなんじゃ。」

助手 「全然わかりませんけど。」

所長 「うーん、そうじゃな。レガシィを例にとって見るとじゃな。ワゴンもセダンのB4もアウトバックもレガシィなんじゃが、インプレッサやエクシーガは同じスバルのクルマでもレガシィじゃないってコトじゃ。」

助手 「えっ、余計にわからなくなりましたけど。」

所長 「ミニはあくまでもミニっていうクルマであって、ミニっていうメーカーじゃないってコトじゃ。お前は本当にモノ分かりが悪いのぉ。」

助手 「つまり、BMWはミニって名前のクルマを幾つも出すつもりはないってコトですか。」

所長 「そうじゃ。今度のクーペもロードスターもミニのボディバリエーションのひとつに過ぎんのじゃ。」

助手 「そういうコトですか。初めっからそう言ってくれればすぐにわかったのに。あっ、でもクロスオーバーはプラットフォームから全然違いますよね。」

所長 「あれは、まぁ例外なんじゃろうな。ミニのクロスオーバー化もやってやれんコトもなかったと思うんじゃ。ほれっ、ワーゲンのクロスポロのようなヤツじゃ。」

助手 「はい。」

所長 「じゃが今の需要を考えると、なんちゃってクロスオーバーでお茶を濁すより、本格的なのを別にあつらえた方が商売になると考えたんじゃろうな。ま、クルマに詳しいモンからすると、別物じゃとわかるんじゃけど、そうじゃないモンからしたら、やっぱりあれはミニをSUV化したモンに見えるんじゃろ。そこが大事なんじゃろうな。」

助手 「うーん、そういうコトですか。」

所長 「じゃが出来上がった今度のクーペ、ロードスターを見て、あんまり魅力的には思えんのじゃがの。」

助手 「ですね。特にクーペのヘルメット・ルーフでしたっけ、あれはないですよね。」

所長 「ま、バリエーションのひとつとして、ああいうのがあってもいいのかもしれんが、正直そんなに売れるとは思えんのぉ。ワシはやっぱり普通のが一番しっくりくるわ。」

助手 「それを言ってしまえば身も蓋もないんですけどね。ま、まだペースマンとか増えるみたいですしね。そう言えば、ショートホイールベースのロケットマンって言うのもありましたけど、なんか生産を断念したとか言ってましたね。」

所長 「ああ、なんかそんな記事を見た気がするの。」

助手 「個人的にはあっちの方がオリジナルのミニみたいで面白いと思うんですよ。少なくともクーペより期待出来るんじゃないですかね。」

所長 「じゃからお前のアドバイスなんて、いらんって言っとるじゃろうが。」


参考資料
ミニ・クーペ(ビー・エム・ダブリュー株式会社)
ミニ・ロードスター(ビー・エム・ダブリュー株式会社)
ミニ(轟クルマ文化研究所)
ミニ・クロスオーバー(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所

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Unknown (ゆあ)
2012-02-03 23:24:23
ミニ・クーペに関してはどうしても「手抜き」という感想を抱いてしまうんですよね…
クロスオーバーの力の入れ方を見てると益々そう感じてしまいます。

私の感覚ではニューミニはハッチバックから既にスペシャリティなクルマで、わざわざクーペを選択することはないですね。
ヨーロッパではそういうのも違うのかもしれませんが…

ミニはとても好きなクルマだけにちょっと残念なモデル追加でしたね
Re:Unknown (宇垂)
2012-02-04 17:55:24
ゆあさん

>ミニ・クーペに関してはどうしても「手抜き」という感想を抱いてしまうんですよね…
>クロスオーバーの力の入れ方を見てると益々そう感じてしまいます。

「手抜き」はないと思いますが、あんまり気合いは入ってない気はしますね、確かに。

>私の感覚ではニューミニはハッチバックから既にスペシャリティなクルマで、わざわざクーペを選択することはないですね。
>ヨーロッパではそういうのも違うのかもしれませんが…

これは全く同意見です。ハッチとコンバーチブルで十分だと思います。ま、競技用を見越しての車種展開かもしれませんが。向こうのヒトの考えるコトはよくわかりませんね。

>ミニはとても好きなクルマだけにちょっと残念なモデル追加でしたね

「残念」はちょっと言いすぎじゃあ・・・。
ま、ロケットマンかクーペのどっちかで、クーペを取ったのなら確かに「残念」ですけどね。
Unknown (ネコ)
2012-02-06 19:17:47
車重を重くして快適性を増すのは安易すぎですよね~部品単位の減量化に取り組んでいるマツダ・ロードスターと比べるとあまりにも、あまりにも。。コンセプトが違うと言えばその通りですけれど。

オリジナル・ミニはFF化、サスペンション、パッケージングという「本質」があったからこそ「ファッション化」が生きたと思います。しかし、BMWの設計したミニに「本質」があるのでしょうか。単に「ファッション化・多種化」で売り抜けようとしてるだけじゃないか、という疑問が抜けません。例えば、機能性がまずあって、ファッション性がプラスされた「アディダス」みたいなブランドになれないんでしょうか。ファッション化だけで生き残ろうとすると、ある時期に必ず「自己否定」を伴う大胆な改革が必要になると思います。その改革を「ミニ」というブランドが乗り越えられるのか興味を持って見ています。
Re:Unknown (宇垂)
2012-02-06 19:42:28
ネコさん

説明が下手で申し訳ありません。車重を重くして快適性を増したワケじゃないんですよ。
従来の快適性を犠牲にするコトなく、ボディ剛性を高めた結果、車重が増したってコトです。
(ロードスターのオープン化を見越しての変更でしょうけど。)

>オリジナル・ミニはFF化、サスペンション、パッケージングという「本質」があったからこそ「ファッション化」が生きたと思います。しかし、BMWの設計したミニに「本質」があるのでしょうか。単に「ファッション化・多種化」で売り抜けようとしてるだけじゃないか、という疑問が抜けません。例えば、機能性がまずあって、ファッション性がプラスされた「アディダス」みたいなブランドになれないんでしょうか。

オリジナル・ミニは決してファッション化を意識してつくられたワケではなく、効率的な乗用車を模索した結果であり、それを消費者が「ファッション性が高い」と受け入れたんでしょうね。
BMWのミニは最初から、その「ファッション性が高い」ミニに対して魅力を感じ、それを前面に出してつくったクルマなんでしょうね。
ですから、現行のミニはオリジナル・ミニと同列では語れないクルマなんだと思います。

>ファッション化だけで生き残ろうとすると、ある時期に必ず「自己否定」を伴う大胆な改革が必要になると思います。その改革を「ミニ」というブランドが乗り越えられるのか興味を持って見ています。

売れなくなったら、綺麗さっぱり撤退するんじゃないでしょうか。

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