轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

日産 エクストレイル その2

2008-09-19 19:19:12 | NISSAN
助手 「とうとう出ましたね、クリーンディーゼル。」

所長 「ああ、エクストレイルじゃな。」

助手 「発売されると聞いて一年間楽しみにしてたんですよ。」

所長 「ワシもどれぐらいの性能で、どんな値付けをしてくるか気になっとったんじゃ。」

助手 「で、どう思われました。」

所長 「うーん、上手くはぐらかされた気分じゃな。」

助手 「そう来ましたか。確かにマニュアルのみの設定やGTというグレードにしろ、従来のエクストレイルとは比べにくいキャラクターですよね。」

所長 「そうなんじゃ。単純にエクストレイルを買うのにガソリンとディーゼルのどっちがいいかを比べるというのとは違うからの。」

助手 「でもなかなか上手い設定なんじゃないですか。昔のディーゼルのダーティーなイメージを、高性能エンジンというイメージに変えられるかもしれませんし。」

所長 「確かに3.5L並みのトルクは魅力的じゃな。じゃが今の日本のニーズを考えるともっと燃費に特化した方がよかったような気がするんじゃがな。」

助手 「まぁ確かに今は高性能なモノより燃費性能に優れてる方が売りやすいでしょうね。」

所長 「3.5L並の性能で2Lよりも燃費がいいと言うのは売りにはなるんじゃろうけど、価格が4、50万高いというのはどうなんじゃろうな。おなんじような売り方をしとるフォルクスワーゲンのTSIが出たときは、以前のモデルとほとんど変わらん価格じゃったじゃろ。」

助手 「確かにTSIは安い価格設定ですし、ゴルフを買うなら誰でもTSIを選びますよね。ま、すでにほとんどがTSIに取って代わりましたけどね。」

所長 「じゃろ。似たような価格で明らかに性能がいいんじゃからな。それかプリウスみたいに比較ささんようにするかじゃな。」

助手 「そうなんですよね。プリウスって比較対照するクルマがないんですよね。」

所長 「サイズや装備、性能的にはカローラかプレミオ辺りなんじゃろうけど、プレミオとプリウスとを比較して買うヤツなんておらんじゃろ。ハイブリッドの先進的なクルマが欲しいんであって、トヨタのミドルクラスのクルマが欲しい訳じゃないんじゃしな。」

助手 「その点シビック・ハイブリッドなんかは、どうしても素のシビックと比べられてしまいますからね。」

所長 「うーん、シビックの場合はハイブリッドのブランド力でプリウスというビッグネームに完敗しとるんじゃろうけどな。」

助手 「それは言えてますね。やっぱりハイブリッド専用車の方が差別化がはかれますしね。でも来年ハイブリッド専用車の新型インサイトが出ますし、面白いことになりそうですね。」

所長 「ホンダもようやくハイブリッドを量産出来るメドがついたんじゃろ。先代のインサイトにしてもシビックにしても積極的に売ろうとしとったようには見えんかったしな。」

助手 「そうですね。これまでのホンダのハイブリッドって商売目的よりもハイブリッドをラインナップすることが目的みたいなところがありましたからね。」

所長 「そういうことじゃ。で、日産のクリーン・ディーゼルじゃけど、ゴルフのTSIみたいに価格を抑えることが出来んのじゃったら、プリウスみたいに比較されん存在にするんがベストなんじゃろうけど、今のところホンダのハイブリッドとおんなじで商売云々よりも早く出すことが目的なんじゃろ。なんと言っても一番乗りじゃしな。」

助手 「ハイブリッドと言えばプリウスと言う例もありますし、一番に出せればクリーン・ディーゼルと言えば日産というイメージがつくのは大きいですよね。」

所長 「じゃな。じゃが単にラインナップしとっても売れなんだら、一過性の話題になってしまうのが気になるところじゃな。」

助手 「マニュアルのみで価格も高めですし、多くは望めないでしょうね。」

所長 「正直、高性能車ってこのクラスのクルマにはあんまり求められとらんのじゃろ。ほらっ、先代に280馬力のGTってあったじゃろ。あれもそんなに売れたとは思えんしの。今、ディーゼルに求められとるのは、ハイブリッドとおんなじで優れた経済性なんじゃ。じゃから今度のGTでは多くは望めんじゃろうな。」

助手 「うーん、そうですか。やっぱり日本ではディーゼルって根付かないのかもしれませんね。」

所長 「来年か再来年ぐらいになるとオートマやディーゼルのラインナップももっと充実してくるじゃろうから、その頃になると今と状況は変わってくるんじゃないか。例えばヨーロッパで売っとるエクストレイルのディーゼルは173馬力の下に150馬力の仕様もあるんじゃ。価格も日本円にして3、40万ぐらい安いし、もちろん燃費もより良いしの。それを日本のポスト新長期規制に適合させてくれば、今の高性能バージョンとバランスの取れたバージョンを選べるようになるじゃろ。」

助手 「それはいいかもしれませんね。」

所長 「ほら、TSIも初めに高性能な仕様を出して、あとから安いのを出してきとるじゃろ。あれとおんなじやり方じゃ。」

助手 「確かにインパクトは高性能な仕様の方がありますしね。TSIも初めにターボのみのトレンドラインから出してたら、あれだけインパクトはありませんでしたでしょうしね。」

所長 「じゃろ。そうなると維持費でディーゼルを選ぶモンも増えてくるじゃろう。それに補助金や減税なんかの措置が出てきたら一気に普及するかもしれん。」

助手 「ということはエクストレイルを買うのはもう少し待った方がいいということですね。」

所長 「ま、ディーゼルはエクストレイルに限ったことじゃないし、今ワシがエクストレイルを買うんじゃったら、2Lのガソリンじゃな。じゃがハリアーのハイブリッドなんかの高性能に振ったハイブリッドを買うんじゃったら、エクストレイルのディーゼルを選ぶじゃろうな。」


参考資料
日産 エクストレイル(日産自動車株式会社)
日産 エクストレイル(轟クルマ文化研究所)
フォルクスワーゲン・ゴルフGT TSI(轟クルマ文化研究所)
トヨタ・ハリアーハイブリッド(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ホンダ・レジェンド | トップ | 三菱 トッポ »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (だいだい)
2008-09-22 23:46:21
さっそく、ありがとうございます。楽しく拝見しました。
マニュアルのみというのは、時代に逆行しているようですし、50万円高いというのも、燃料代で元を取ろうとしたら相当走らないといけないらしいので、ディーラーに言わせると正直肩すかしということですが、台数は目標よりもだいぶ出ているみたいですね。
燃費で一歩も二歩も遅れていた日産としては出したことに意味があるのでしょう。
「日産発、世界初」というのが言いたかっただけかもしれませんが……。
ハイブリット以外で消費者の選択肢が増えるのはいいことだと思います。

日産で次の話題は新型ムラーノですね。デュアリスのクロスライダーも売れてるみたいです。
返信する
Re:Unknown (宇垂)
2008-09-25 19:06:18
クリーン・ディーゼルがハイブリッド並の市民権を得られるのには、まだ時間が掛かりそうですね。

日本では環境性能よりも経済性重視ですし、何年で元が取れるというのが肝要なんでしょうね。

何はともあれ第一歩を踏み出したことですし、これからの展開が楽しみです。

返信する
150馬力の仕様 (獅子丸)
2008-09-28 16:13:11
いやあ、宇垂さんの言われるとおり、エクスレイル・ディーゼルは、ラインナップが充実するまで待った方がよさそうですネ。
日産さんには、150馬力仕様やATなど、手持ちの駒を揃えてから一気に国内投入してほしかったところですが、それも販売戦略なのでしょうね。持ち駒を揃えてから勝負に出た方が市場へのインパクトが強かったような気がするのですが・・・
返信する
Re:150馬力の仕様 (宇垂)
2008-09-29 19:20:54
現状では、かなり買い難い存在ですよね。

ただ持ち駒を揃えてるうちに他社に先を越されるのも、っていうとこなんでしょう。

今の規制に対応するのはかなり大変みたいですが、早く価格をこなれさせないと、ハイブリッドにみんな持っていかれそうな気がします。
返信する

コメントを投稿

NISSAN」カテゴリの最新記事