スバル・インプレッサ

助手　「年末にスバルのインプレッサがモデルチェンジしましたね。」

所長　「のようじゃな。」

助手　「先代が出たのが2007年ですから、7、8年が普通のスバルにしては、短めのモデルサイクルでしたね。」

所長　「そうじゃな。まぁ、いろいろと事情があるんじゃろうな。」

助手　「いろいろってなんですか。」

所長　「例えば、トヨタがスバルと提携したのって2005年じゃったじゃろ。もうそろそろ新体制になってからのクルマが出てくる頃合いなんじゃないのかのぉ。」

助手　「あっ、そういうコトですか。そのせいで先代で軌道修正を行ったのに、また変わったんですね。」

所長　「どう変わったんじゃ。」

助手　「先代はハッチバックがメインで、セダンは当初は設定がなかったじゃないですか。名前もアネシスってとって付けたようなのでしたし。それが新しいのはG4ってレガシィのB4を彷彿させる名前になりましたし、またセダンにチカラを入れてきてるでしょ。」

所長　「名前は単に販売戦略上の問題じゃろ。先代にしてもアメリカではセダンが中心じゃったしの。ま、日本市場に限って言えばハッチバックだけよりも、セダンと二本立ての方が売りやすいってトコじゃろうな。」

助手　「うーん。というコトは、新型は先代の延長線上にあるってコトですか。」

所長　「ま、そうじゃろうな。先代と大きく変わったのは、キャラクターがインプレッサから、スバルを前面に出してきたってトコじゃろうな。」

助手　「インプレッサからスバルに、ですか。よくわかりませんけど。」

所長　「ようするにこれまでは、スポーティーとかラリーとかインプレッサ自身のキャラクターが強かったんじゃけど、新しいのは個々のクルマじゃなくって、まずスバルってブランドのクルマっていうのをアピールしてきとるんじゃ。まぁ、スバルに限らず、どこのメーカーもやっとるコトじゃけどな。」

助手　「そういうコトですか。確かに新しいインプレッサって、レガシィの弟分って感じが強まりましたよね。」

所長　「サイズ的には、インプレッサの方がレガシィって感じじゃけどな。」

助手　「ですよね。正直、今のレガシィはデカ過ぎますし、インプレッサの方がジャストサイズって感じですよね。G4なんて先代までのB4みたいですしね。」

所長　「じゃろ。いっそのコト、インプレッサにワゴンを設定したら面白いかもしれんのぉ。」

助手　「いいかもしれませんね。初代、2代目にあったショートワゴンじゃなくって、レガシィのような本格的なワゴンなら、ハッチバックと差別化も図れるでしょうし。でもそうなるとレガシィの販売に影響しそうじゃないですか。」

所長　「うーん、どうじゃろうな。お客にとって大事なのは、インプレッサのちょうどいい大きさよりも、レガシィって名前かもしれんしの。ま、どっちにしろ、スバルの中でお客が移動するだけでは、効果は大して望めんしの。」

助手　「市場が小さくなってる中でレガシィは善戦してますし、下手に触らない方がいいのかもしれませんね。」

所長　「そういうコトじゃな。」

助手　「あとインプレッサのデザインですけど、どう思います。ボクは結構いいと思いますけど、ただテールランプのカタチが気になるんですよね。」

所長　「5ドアの方じゃろ。あれは確かに変な格好をしとるのぉ。」

助手　「後ろ姿を見てなんかの顔に似てる気がするんですよ。多分アニメか特撮のロボットか何かなんですけど。」

所長　「言われてみるとどっかで見たような気がするのぉ。」

助手　「でしょ。鋼鉄ジーグとか、電人ザボーガーとか、ロボット刑事Kとか、その辺りかと思って見てみたんですけど、ちょっと違うんですよ。なんか心当たりないですか。」

所長　「なんじゃろうな。さっぱりわからんのぉ。」

助手　「そうですか。所長はどう思います。」

所長　「じゃからさっぱり思いつかんと言っとるじゃろ。」

助手　「いや、そうじゃなくって、インプレッサのデザインをどう思うかってコトですよ。」

所長　「あんまりいいとは思わんが、悪くもないんじゃないか。」

助手　「どっちなんですか。」

所長　「個人的には先代の欧州風のデザインの方が好みなんじゃけど、新しいのの方が、スポーティーとか豪華さとかがわかり易くって、商売としてはいいんじゃないかって意味じゃ。」

助手　「そういうコトですか。そう言えば、レガシィもひと回り大きくなって、エンジンも2.5リットルを積んでるのに、価格据え置きっていうのがウリでしたしね。今回のインプレッサもそんな感じかもしれませんね。」

所長　「2リッターなんかは安くなっとるのもあるみたいじゃし、買い得感が高いという意味ではいいんじゃないかのぉ。」

助手　「買い得感でスバルのクルマを選ぶヒトが多いとは思えませんけどね。」

所長　「うーん、そこが問題なんじゃろうな。」

助手　「どういうコトですか。」

所長　「なんて言うか、もっと買い得感なんかで選ばれてもいいと思うんじゃ。内容と価格のバランスから見るとかなりお買い得なクルマなんじゃがのぉ。どうしても日本でスバルって言うと、マニア向けのこだわりのクルマって感じに見えてしまうじゃろ。」

助手　「でもコアなファンがスバルを支えているのも事実でしょ。そこをないがしろにしたらマズイでしょ。」

所長　「もちろんこれまでスバルを買ってくれとるお客は大事にせんとイカンのじゃが、『一見サマお断り』のような敷居の高さは必要ないじゃろ。」

助手　「それはそうですけど、スバルもわざと敷居を高くしてるつもりはないんでしょうけどね。」

所長　「そう見えるって話じゃけどな。レガシィの初代がバカ売れしたときって、こだわり云々じゃなくって、もっと気軽に流行りで買っとるお客が多かったんじゃなかったかのぉ。」

助手　「言われてみればそうかもしれませんね。ワゴンに乗るのがオシャレって時代でしたしね。」

所長　「ま、そのあともレガシィの人気が高かったのは、スバルのこだわりの部分が評価されたのが大きいじゃろうけどな。」

助手　「というコトは、これまで通りこだわったクルマづくりをしながら、そう見せないのがいいのかもしれませんね。」

所長　「ウリは燃費の良さと価格の安さじゃな。」

助手　「なんか軽自動車の謳い文句みたいですけどね。」


参考資料
スバル・インプレッサ（富士重工業株式会社）
スバル・インプレッサ（轟クルマ文化研究所）
スバル・インプレッサその2（轟クルマ文化研究所）
スバル・インプレッサその3（轟クルマ文化研究所）
スバル・インプレッサその4（轟クルマ文化研究所）
スバル・レガシィ（轟クルマ文化研究所）
鋼鉄ジーグ（東映アニメーション株式会社）
電人ザボーガー（『ピクシブ百科事典』ピクシブ株式会社）
ロボット刑事（『ピクシブ百科事典』ピクシブ株式会社）

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