ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

河村尚子さん ピアノリサイタル

2023-08-07 | ピアノ
2023.7.23

ドイツ在住のピアニスト河村尚子さんのリサイタルがあって荻窪の杉並公会堂へ行きました。
河村さんは以前読響と共演したことがあり、その時の演奏はかなり好印象でした。
ドイツを拠点に活躍されているので、日本でのコンサートが少なくあまり知られていないように思えるのですが、素晴らしいピアニストです。

今回は福間洸太朗さんのプロデュースでリサイタル、ということで、河村さんの演奏をまた聴きたくて、チケットを一週間前に買いましたが、残席がかなりありました。
プログラムにはシューベルトの他に矢代秋雄作曲の曲名があり、後者は知らない作曲家ですが、聴いてみようと普通に考えていたわけです。

チケットを買う時に、河村尚子さんの名前と福間洸太朗プロデュース、曲目、しか見ていなかった。実は、これは福間さんのレア・ピアノミュージックシリーズのコンサートである、というところは読んでいなかった、または頭に入っていなかったわけです。
福間さんの話によると、レア・ピアノミュージックとは、コロナ禍に福間さんが始めた配信型演奏会の企画名で、演奏されることが殆どない曲か、殆ど知られていない作曲家の曲を演奏するのが目的のようです。今回で26回目ということですが、24回は動画配信、今回を含め有観客でのホール演奏会はたった2回だということです。
知名度が乏しいせいからか、座席がガラガラでした。

使用ピアノはドイツのベヒシュタイン。
これもあまりコンサートではお目にかからないのでレアなピアノとして選んだそうです。
音の強弱や拡がりがクリアに聞こえてくるピアノです。



レアな曲目でしたが、これはこれで河村さんの超絶技巧の演奏を聴く貴重な時間を過ごせて良かったわけです。

今日演奏されたのは、シューベルトと矢代秋雄の曲。

シューベルトのピアノソナタ17番は、河村さんにとって日本初披露となる演奏だそうです。

矢代秋雄という作曲家は聞いたことがありませんでした。この方47歳で早世しましたが、今日披露された1950〜60年代(20〜30代)に作曲した曲は、当時にしては斬新な作風と思えるすごい曲でした。プログラムに解説されていましたが、メシアンの影響が表れているそうな…。所謂、現代風音楽はよくわかりません…

初めての曲ばかりでしたが、福間さんと河村さんの連弾もあり、楽しい時間を過ごしました。



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2023.6.28 読響X反田恭平 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番

2023-07-21 | ピアノ
2023.6.28

今年度の読響名曲シリーズ、4月、5月は行けなかったので、久しぶりのサントリーホールでした。
今年はラフマニノフ生誕150年。
反田恭平さんのラフマニノフはどんな演奏なのか楽しみにしていました。

指揮者:アレクサンダー・ソディ
ピアノ:反田恭平
曲目:
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
チャイコフスキー 交響曲第4番へ短調Op.36

指揮者はオックスフォード生まれの英国人指揮者。読響で指揮を振るのは初めてです。
指揮者の良し悪しまたは好き嫌いは交響曲でわかるそうです。私はチャイコフスキーは好きなので後半も残って聴く予定でしたが、前半の反田さんのラフマニノフの演奏に衝撃を受けて、交響曲を聴かずに帰りました。

反田さんのラフマニノフ第3番は、とにかく最初から凄かった。音が重なり合うように共鳴し、波打つように大きく響く。叩きつけるような弾き方をしているわけではなく、その奏法により轟音に聞こえる。圧力と迫力のある演奏でした。パワフルな演奏が2楽章も続き、最後には精魂を尽き果たしてしまうのではと思いました。今の反田さんには体力がありますが、あの迫力の演奏は10年後20年後は聴けないかもしれません。
一方で、反田さんの指揮者的な表現力や圧力にオケが引っ張られて、日本の読売交響楽団では物足りない。ヨーロッパで鍛えられたピアニストのクオリティの高さを感じた演奏でした。

演奏終了後、拍手までに一瞬の間があり、観客の殆どが圧倒されたのがわかりました。
あの一瞬の間は、感動だったのか驚愕だったのか、肯定的反応か否定的反応か、一体どちらだったのでしょう。
そう考えさせられる演奏でした。





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ブログに復帰 / プレイエルのピアノ

2023-07-04 | ピアノ
早いものでもう7月ですね。
2月に投稿して以来、多忙でずっとブログの更新ができませんでした。
私のブログをフォローして頂いている方々の中には、ご心配されていた方もいらして、大変申し訳ないことをしました。
昨年のように病気や事故があったとかそんなことはなく、とにかく忙しくてブログを開ける余裕がありませんでした。
フリーでいくつか仕事をしておりますが、今年は仕事の関係で外出が増え、加えて実家の処分等が同時進行するなど、毎日疲れていました。

2月に書きかけのブログを4月に少し書き加え、それ以降放置したままでしたが、今やっと腰を据えて続きを書いています。
今年前半に予定していたコンサートを2-3回キャンセルしてしまい、あまり行っていないのですが、そのうち幾つかを書くつもりです。
先ずは過去のコンサートの投稿です。

2022.12.22

昭和音楽大学に所蔵されている「プレイエル・ピアノ」という19世紀に製作されたピアノが演奏されるということで聴きに行きました。
場所は同大学のホール。演奏会は、このピアノと同じく19世紀製作のクラリネットとチェロとの三重奏、其々のソロ演奏、という構成になっていました。

ピアノ:川口成彦さん、
クラリネット:満江菜穂子さん、
チェロ:島根朋史さん

ピアニストの川口さんは、2018年にポーランドで開催された「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」で第2位、ブルージュ国際古楽コンクール最高位を受賞した方で、古楽器ピアノが専門分野のピアニスト。
クラリネット奏者の満江さんはこの大学の助教だった方で、留学後現在は同大学の講師。古楽器研究が専門分野。
チェリストの島根さんは、弦楽器の起源に近いヴィオラ・ダ・ガンバの数少ない演奏者でもあります。

古楽器とは、
中世~ルネッサンス~バロックの作曲家が生きた時代に使用されていた楽器のことですが、現在は古典派・ロマン派音楽の時代の楽器も加えられているようです。

演奏会プログラムの中の川口さんの記述によると、ピアノの誕生は1700年頃にイタリアのクリストフォリという方に発明されました。それ以前はチェンバロが一般的でしたが、強弱をコントロールできないのが難点でした。
クリストフォリのピアノの発明を原点に、ピアノは時代による変遷を繰り返していきます。

プレイエル・ピアノ:
1800年代、パリにプレイエル社というピアノメーカーが設立され、プレイエル・ピアノは、後にパリに渡ったショパンの作曲活動に重要な存在となります。
ピアノの詩人と呼ばれるショパンは、自身の心模様を素直に音楽に託した作曲家であり、プレイエルの音色はそのようなショパンの音楽の語りを繊細に音にしてくれる楽器だと川口さんは感じています。
ショパンの言葉に「気分の優れない時はエラール(当時のフランスの他のピアノメーカー)を弾く。なぜなら、すぐに完成された音が出るからだ」とあり、プレイエルは万全の状態でなければ、弾きこなせないほどデリケートでコントロールが難しく、一方で、音色、表現、ニュアンスに限りなく拘ることができる楽器であることを示唆していると解釈しています。
エラールは、現代のピアノに近いものであったそうです。

写真は、実際に演奏に使われたプレイエルのピアノ。
19世紀に製作されたものです。このような時代の古楽器をコンサートホールで弾けるようにメンテナンスされている方が存在することも驚きです。

木目がくっきり現れたとても美しいピアノです。
現代のピアノのようなボリュームはあまり出ませんが、フォルテで弾いても音色は柔らかい。
当時は、室内の家具に合わせて、このような木調のピアノが一般的だったようです。


子供の頃、初めて買ってもらったアップライトピアノが黒ではなく、濃茶系の木目の入った、知らないメーカーのピアノでした。私はヤマハの黒いピアノでなくがっかりした記憶がありますが、きっと家具調のピアノが両親の好みだったのかもしれません。
もうそのピアノはありませんが、このブログを書いていて両親の好みに気づきました。

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2022.11.17 アルゲリッチ✕海老彰子デュオリサイタル@横浜

2023-02-06 | ピアノ

2022.11.17 

大規模改修工事を終え、昨年10月末頃リニューアルオープンした横浜みなとみらいホールで行なわれた第40回横浜市招待国際ピアノ演奏会のプログラムの一つである、マルタ・アルゲリッチさんと海老彰子さんのデュオリサイタルに出かけました。

マルタ・アルゲリッチさんはアルゼンチン出身で現在81歳。最近は、演奏活動は続けているものの、連弾や2台でのピアノ演奏や弦楽器との三重奏などが多く、ソロリサイタルはあまりやっていない様子。
昨年11月17日の横浜でのコンサートでは、とても生き生きと楽しそうに演奏されて、足取りもとても81歳には見えませんでした。
アルゲリッチさんには、また日本で演奏してほしいと願っているのですが…、
今年初め、バレンボイム指揮のベルリンフィルの演奏会でシューマンのピアノコンチェルトを演奏した後、幼なじみのバレンボイムさんと連弾でアンコール演奏をしている姿を動画で観て、コンチェルト演奏も出来るほど体力があるのだと思っていたのですが、その後に心疾患の症状が出て、次に予定していたリヨンでのミッシャ・マイスキーとの共演やローマでの公演を中止したというニュースが入ってきました。昨年も体調不良で何度か公演をキャンセルしたそうですが、今回は長期休養が必要な様子で心配です。早く回復することを願うばかりです。

ところで、リニューアルされた横浜みなとみらいホール、以前はどうだったのか覚えておらず、どこがどう変わったのか全くわかりませんでしたが、座席がゆったりして座り心地が良かったです。
前からそうだったのか、全体的にステージを囲むように座席が設計され、2階両サイドのバルコニー席は、落ちるのではないかと思うほど内側に迫り出しています。


毎年開催されているという横浜市招待国際ピアノ演奏会は、通常はみなとみらいの小ホールで行われ、若手のピアニスト数名が演奏するようですが、2022年は、ホールのリニューアル記念と同時に、40回目の演奏会という特別な年であったため、世界トップクラスのピアニスト、マルタ・アルゲリッチさんを招聘して特別演奏会を大ホールで開催する運びとなったそうです。

ステージにはピアノ2台が対面式に並べられ、どちらがどちらのピアノを弾くか決めていなかったのか、登場してからアルゲリッチさんと海老さんが互いに第1ピアノを譲り合っているところが微笑ましかったです。舞台から見て左側、蓋の付いたピアノが第1ピアノです。
結局、1曲目は海老彰子さんが第1ピアノ、アルゲリッチさんが第2ピアノ、2曲目はその逆、3曲目でまた交替、4曲目は連弾、5曲目はアルゲリッチさんが第1ピアノ、という流れになり、その都度スタッフが呼ばれて椅子を動かしていました。スタッフが慌てていましたので、打ち合わせていなかったようですね。

写真左側の椅子がアルゲリッチさんのです。油圧式の椅子に見えます。

演奏曲は、
①モーツァルト: 2台のピアノのためのソナタニ長調KV448(375a)
②ラフマニノフ: 組曲第2番作品17
③ルトスワフスキ: パガニーニの主題による変奏曲
④ラヴェル: マ・メール・ロワ
⑤ラヴェル: ラ・ヴァルス

2台で行うピアノの生演奏を初めて聴きましたが、そのための曲をがこんなにあるとは驚きました。

アンコールは連弾を2曲。
①J. S. バッハ(クルターク編曲):神の時こそいと良き時 BWV 106
②モーツァルト:4手のためのピアノ・ソナタ ニ長調 K. 381 より 第3楽章

アルゲリッチさんの演奏は、情感豊かで、飾らず自然体。一方、海老彰子さんの演奏は、力強く、感情をストレートに表現する印象です。
それでも、二人とも息があって、楽しそうに演奏していました。

******************

このコンサートへ行きたいと思ったのが9月下旬だったので、著名なアルゲリッチさんのコンサートですから、当然、ぴあ等の販売サイトではチケットはもうあるわけがありません。
諦めながら、みなとみらいホールのHPでこのコンサートの案内を眺めていたら、「横浜市がPブロックの開放を決定、10月27日の10時からホールが直接予約受付をします」というフレーズが目に入りました。まだチャンスはある!
その日を待ちに待って、固定電話の子機とスマホを握り、10時ジャストにかけ始めます。10分かけ続けても、20分、30分かけ続けても繋がりません。
普通は、どの程度で諦めるのでしょうか。
40分位経つと大抵は疲れてくるので諦めるでしょうか。
私の場合、チケットはもうないかもしれない、でも売り切れたかどうか、結果を聞かないと納得できない質なので、諦めていても間を置きながらかけ続けていたわけです。
1時間15分経った頃、呼び出し音が聞こえました。そして、繋がりました。
電話口の女性に、恐る恐る、「チケットはまだありますか?」と聞きました。
すると、明るい声で、「ありますよ!」
嬉しい瞬間でした。😆


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2022.12.12 読響✕反田恭平さん チャイコフスキーピアノ第2番 / 読響プレミア放送予定

2023-01-16 | ピアノ

2022.12.12

この日の公演は、自分の買っている読響名曲シリーズではなく、定期演奏会の公演なので、9月の先行発売日を待ってチケットを購入しました。S席があまり良いところが残っていなかったため、少しでもステージに近いところと思い、サントリーホールのPブロックの2列目の席を選択。
数日後にはチケットは完売となりました。

Pブロックというのは、リサイタルの時は良いですが、ステージ後ろ側なので、コンチェルトでは手前のオーケストラの音にかき消されて、ピアノが聴こえにくいことがしばしばあります。
反田さんは、暮れに髪を切りましたが、この時はまだ長髪で、束ねてもいませんでした。

この日のプログラムは、
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
ピアノ=反田恭平
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番 ト長調 作品44
タネーエフ:交響曲第4番 ハ短調 作品12

反田恭平さんのチャイコフスキーの演奏模様が今月の読響プレミアで放映される予定です。放送スケジュールは文末あたりをご覧ください。

チャイコフスキーのピアノコンチェルトは3曲あるそうですが、
第1番はあまりにも有名で、かなりの人が冒頭のホルンの勇壮なメロディ、それに呼応するオケ、力強い和音で始まるピアノの独奏は聴いたことがあると思います。チャイコフスキーをイメージ付ける華やかなコンチェルトですね。
それに反して、第2番は演奏されることが少ないようなので、聴いたことがない方の方が多いかもしれません。指揮者のヴァイグレさんは、時折馴染みのない曲を選曲するので、1番でなくて2番にしたのは何か意図があるのかもしれません…。
私はまだ聴いたことがなかったような気がします。
因みに、第3番は未完成のままでチャイコフスキーは亡くなり、後に友人のタネ―エフが書き加えて完成させたそうです。

2楽章が意外な展開でしたので、曲の内容を少し書いていきます。

1楽章: ロシア的な音階のメロディで始まり、同じメロディをピアノが反復していきます。少し大人しめと感じますが、徐々に盛り上がって行く曲です。技巧性の高いピアノの独奏部が多く、メロディも美しく、最後は力強く終わります。

反田さんは指揮者でもあることから、オケの流れや呼吸をしっかり捉えているし、力強さもあり、コンチェルト向きのピアニストだと改めて感じさせられました。


Pブロックからの景色

2楽章: まるで弦楽二重奏か三重奏。オケの導入と共にコンサートマスターのヴァイオリン独奏が始まります。その後、チェロの独奏が始まり、ヴァイオリンとの穏やかな二重奏が続きます。ようやくピアノの独奏が入り、オケが加わって徐々に盛り上がっていきます。後半はヴァイオリン、チェロ、ピアノの三重奏、若しくはヴァイオリンコンチェルト?と思わせるような穏やかで美しいメロディが続きます。とてもきれいな曲です。

3楽章: ロシア的な音階でピアノで勢いよく始まります。タータタタ、タータタタなど、韻を踏んでいるのが印象的です。途中、ピアノが低音でつぶやくように弾いたり、聴いていて楽しい曲です。

さて、反田恭平さんの演奏の放送予定ですが、
読響プレミア
2023年1月19日(木) 午前 2:29~3:29 日テレ
(1/18の深夜です。)
再放送は1月28日(土) 朝7:00~8:00 BS日テレ


ステージ後ろからは聴こえなかったピアノ演奏の細部をじっくり聴きたいと思います。

*******************************************

反田さんの演奏の余韻を残したかったので、前半だけで退席し、後半のタネ―エフは聴いていません。なぜか、常任指揮者のヴァイグレさんの指揮の時は、前半だけで帰ることが多い不届き者です。😄 

年明けから体調が不調気味。仕事もあるので、昨年のコンサート等について書こうと思ってもなかなか追いつけない状態なのですが、今月はコンサートは1回しかないので、ゆっくり少しずつ書いていくつもりです。
ヴァイオリンの方は、重音に悩まされ、1曲がなかなか完成できず進歩なし…。



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