ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

2024.2.7 ワルシャワ国立フィル✕ブルース・リウ

2024-02-08 | ピアノ
2024.2.7

サントリーホールで、3回目のブルース・リウさんの演奏を聴いてきました。
今年は、2021年のショパンコンクールでお馴染みの指揮者アンドレイ・ボレイコさん率いるワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団との共演です。



この日のプログラムの1曲目は、当初ショパンのポーランドの民謡による大幻想曲というピアノのオケの楽曲でしたが、オケだけのルトスワフスキの小組曲に変更になりました。

1曲目が終わると、ピアノがステージに運ばれてきます。
ピアノはFAZIOLI。社員と思しきイタリア系の外国人が2人と日本人1人、ピアノを丁寧に配置していました。
ボレイコさんとブルースさんが登場し、ショパンのピアノ協奏曲第2番の演奏が始まります。

ピアノの場合は1階席前方左寄りを取る傾向にあるのですが、今回はステージの左サイドの2階席しか取れませんでした。
ピアノの鍵盤が正面に見え、ピアニストに背中を向けられる位置なので、あまり良くないと思えたのですが、
ここは1階よりピアノの音響がとても良いことに気が付きました。

コンクールでの演奏から数年経ち、ブルースさんのショパン2番には以前より表情が付いた気がしましたが、技術的な精密さ(芸術分野では精緻と言うらしいのですが)は相変わらず素晴らしい。

演奏が終わると拍手の嵐。1階席の最前列を占めているのもスタンディングオベーションをするのも若い娘ばかり。
指揮者のボレイコさんがブルースさんに、すくにアンコールをするように促します。
ショパン:エチュード Op. 25-1 「エオリアン・ハープ」
これで終わりかと思いましたが、
ブルースさんがタブレットの楽譜を持ってきてピアノに置くと、コンサートマスターのマリア・マホフスカさんが立ち上がり、
ショパン(サラサーテ編曲):ノクターン Op. 9-2を弾き始めます。ブルースさんは伴奏です。
終盤、バイオリンのソロカデンツァが入ると、ブルースさんは足を組んだり、そっぽを向いて帰ろうとする仕草をして慌ててまたピアノに戻るなんて、観客を笑わせてくれる場面もありました。
このデュオ演奏をするために、1曲目のプログラムを変更したのでしょう。

後半は、ベートーヴェンの交響曲第7番イ短調。
ワルシャワフィルは打楽器、金管楽器が上手い。
然し、金管、少し張り切りすぎのような気がしました。
オケによるアンコールもありました。多分、ポーランドの作曲家の作品だと思います。
バツェヴィチ:オベレック

今回のワルシャワ国立フィル✕ブルース・リウの日本ツアーは、2/4大阪公演に始まり、2/11横浜公演で終わります。

2021年のショパン国際ピアノコンクールのファイナルの演奏を行った、あのワルシャワフィルの演奏を生で聴くことができ、幸せな時間を過ごしました。

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藤田真央さんのTV出演予定

2024-01-27 | ピアノ
民放のバラエティ番組をあまり見ないので、こういう情報は逃してしまうのですが、友人が教えてくれました。

藤田真央さんが、明日1/28(日)22:00~のTBS系林修さんの「日曜日の初耳学」に出演するそうです。

先日のNHK「あさイチ」出演の放送を見た後に、前から気になっていた真央さんの本をAmazonで注文。その日の夕方にポストに入っていました。
特に急いでいたわけではありませんが、Amazonさん、流石です。

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2024年のコンサート初めは藤田真央✕読響(続き)

2024-01-13 | ピアノ
2024.1.10

新年初のコンサートはサントリーホールで、
藤田真央さん✕読響のブラームスのピアノ協奏曲第2番、シューマンの交響曲第1番「春」を聴いてきました。
指揮は読響常任のセバスティアン・ヴァイグレさん。
真央さんの演奏を聴くのは3年ぶり。
読響とのラフマニノフ1番と2番以来です。



真央さんは両手でハンカチを持ちながら、ニコニコ顔でステージに登場です。ピアノに向かうと嬉しそうな顔。

ブラームス・ピアノ協奏曲第2番、第1楽章、アレグロノントロッポ。
ホルンのメロディをピアノが追いかけるように始まります。そして、ピアノのカデンツァからオケとの掛け合いへと流れて行き、曲が盛り上がるところは真央さんのペースで柔らかめ、それでいてドラマチックな展開です。

第2楽章、アレグロ・アパッショナート。
交響曲であればスケルツォ楽章ですが、ピアノ協奏曲にスケルツォ楽章を入れたのはブラームスのこの第2番が音楽史上初めてのことだったようです。
ピアノ演奏が主体のスケールが大きく難しいこの楽章、ブラームスの情熱的かつ優雅さを、真央流の豊かな表現力とふくよかな響きで美しく且つ力強く歌い上げていました。感動的でした。

2楽章を終えると、真央さんは本来譜面台を載せるところに、右手を伸ばしてリラックス。その状態で、指揮をするヴァイグレさんをチラチラ見てニヤニヤしています。

第3楽章、アンダンテ。
遠藤真理さんのチェロの独奏が静かに始まり、オケが同じメロディを繰り返していきます。真央さんの手はピアノのパートが始まる数小節前まで伸ばしたままでした。
終盤はピアノのカデンツァ、それにチェロが加わり2者の独奏に。祈りのような静かなチェロの響きと透明感のあるピアノの響きに陶酔しました。

第4楽章、アレグレット・グラツィオーソ
 スキップするような軽快なメロディが主体ですが、ハンガリー舞曲を思い起こすようなメロディが組み込まれているし、ピアノの技巧性は高いです。

真央さんのアンコール曲は、ブラームスの8つの小品作品76から第2曲カプリッチョでした。
1/12のあさイチで、高校時代に作曲したという曲を聴いて思い返しましたが、真央さんはきっとこういう軽快で技巧的な曲が好きなのかもしれません。

真央さんのブラームス第2番、本当に良かったのでまた聴きたいですね。難しいでしょうけど。
読響のオケも音が引き締まっていて良い演奏でした。
TVカメラが2台入っていたので、いつか読響プレミアで放送されるかもしれません。

後半のシューマンの交響曲「春」。
ヴァイグレさんの指揮は、いつも重厚で硬いイメージなのですが、今回の指揮は切れもあり、春らしくソフトな印象でした。

💕終演後、出口付近では能登地震救済の募金箱を持ったスタッフの方々がいて、迷わずそれにお金を入れた後、アンコール曲名のパネルがいつもの場所にないので、グルグル探し回り、結局スタッフに尋ねようと元の場所に戻ってくると、真央さんが募金箱を持って立っていました。
初めて間近で見た真央さん。顔が小さくてかわいい!
嬉しくて、もう一度お金を入れてしまいました。



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2023.10.17 アレクサンドル・カントロフ ピアノリサイタル

2023-10-23 | ピアノ
2023.10.17

2019年チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門の優勝者、アレクサンドル・カントロフ(Alexandre Kantorow) のピアノリサイタルに行ってきました。場所は東京オペラシティ。
フランス人。22歳で初めて国際コンクールに挑戦し優勝。同時にこのコンクールの歴史上3度しか与えられないグランプリも獲得したそうです。
フランスのピアニストがピアノ部門で優勝するのは初めてとのこと。

演奏した曲は、ブラームスのピアノソナタ1番、バッハのシャコンヌ(ブラームスによる、左手のための編曲)、シューベルトとリストの歌曲集等から6曲。

カントロフのブラームスのピアノソナタは、ロマンティックであったり、奥に秘めた情熱やエネルギーが湧き出るような情感表現があったり、特別なものを感じました。
芸術的、かつドラマチック、時にフランス的な表現が現れる。

バッハのシャコンヌは、ブラームスの編曲により左手だけで演奏しますが、片手だけなのに、力強さと多彩な情感表現が印象的でした。
この曲は、クララ・シューマンが夫ロベルトが亡くなった後に右手を故障した際、クララに密かに恋心を抱いていたブラームスが、左手のために編曲しクララに捧げたものだそうです。



アンコールは、サン=サーンス オペラ「サムソンとデリラ」からデリラのアリア「あなたの声に私の心は開く」、ストラヴィンスキー バレエ「火の鳥」からフィナーレ、シューベルト/リスト 万霊節の日のための連祷 S.562-1、リスト「超絶技巧練習曲集」から第12番「雪かき」の4曲でした。

滅多にコンサートでCDは買わないのですが、カントロフの左手のシャコンヌが素晴らしかったので、また聴きたいという思いから、帰りがけに購入。

CD購入者のためのサイン会があったようですが、帰りました。女性ファンが大勢いて、私も20代か30代の時だったら、きっと帰りが遅くなってもサイン会に並んだかもしれません。
受賞歴や容貌等だけで演奏家に興味を持つ方もいますが、カントロフは写真のように若くて所謂イケメンに見えます。女性達は夢中になるでしょうね。
でもですね、若いのに頭のてっぺんがハゲていて…お辞儀するたびに見える…残念なことです (カントロフさん、暴露してごめんなさい).。
私はそんなことよりも、素晴らしいピアニストを発掘した気分です。



プログラムの記述によると、現在26歳のカントロフは、同年代の頃のブラームスは「バランスを欠いて不安定」、「自発的な感情が噴き出す」点で自分と似ていることもあり、ブラームスに親近感を覚え、生涯探求していきたいと語っています。
ブラームスの作曲した年齢に自分の年齢に重ね合わせて作品を弾いて行くというならば、もしかしたら、私は10年後20年後のブラームス作品を弾くカントロフの演奏は聴けないかもしれませんね。



さて、2019年のチャイコフスキー国際コンクールの話に戻りますが、
このコンクールでは、藤田真央さんが2位を受賞しています。
ファイナルで藤田真央さんが弾いたのはチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番とラフマニノフピアノ協奏曲第3番、カントロフはチャイコフスキーピアノ協奏曲第2番とブラームスピアノ協奏曲第2番。
チャイコフスキーコンクールではコンチェルトを続けて2曲も弾かせるのですね。

カントロフに興味を引いたのは、コンクールの時のチャイコフスキーピアノ協奏曲第2番の演奏動画を観てからです。メロディが頭に残るほど軽快な動き、オーケストラの音に負けないくらいパワフル。

今年6月に聴いた、読響X反田恭平さんのラフマニノフ第3番はパワフルで凄い演奏でしたが、反田流の第3番という印象でした。
ラフマニノフの曲性を感じさせてくれるのは、やはり藤田真央さんではないでしょうか。

今回のカントロフの演奏を聴いた翌日に、2021年のショパンピアノ国際コンクールで優勝したブルース・リウのラフマニノフピアノ協奏曲第2番を聴きました。
勢いがあり指の動きが細やかでとても素晴らしい演奏ではありましたが、ブルース・リウは、やはりショパン弾きのピアニストだなと思いました。
藤田さんのように、ラフマニノフを全身で感じ、オーケストラの音の細部に耳を傾け、ラフマニノフの協奏曲全体を楽しんで弾いている、ようには見えなかったわけです。

個人的な印象ですが、チャイコフスキーコンクール受賞者は、ショパンコンクールに向けて何年もショパンの練習を重ねてきたピアニスト達とは見ている景色や音の描き方が違うような気がします。
チャイコフスキー、ラフマニノフに関しては、チャイコフスキーコンクールの受賞者には敵わないし、ショパンに関しても同じことが言えるでしょうね。

参考までに、2019年チャイコフスキーピアノ国際コンクールの結果発表時のレポートをお借りして貼り付けました。


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小林愛実さんの9月〜10月のコンサート延期、出演者交替

2023-08-07 | ピアノ
無事第一子を出産されたピアニストの小林愛実さんですが、出産後の体調不良により9月〜10月に予定されていたコンサートが延期になったそうです。

母親になられたばかりの愛実さんのピアノの音色がどう変化するか楽しみですが、育児が落ち着く頃の演奏を聴くのも楽しみですね。
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