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2004年4月7日[satochiba:0021] 里山シンポジウム委員会への提言(2)

2006-06-17 17:18:41 | 里山シンポジウム実行委員会のこれから
 里山林の問題点を現場認識として、整理してみます。
調査すればするほど、愕然とすることばかりで言葉を失います。
一体全体これは何事なのか? 
 悪夢でも見ているのではないか? 頬をつねってみても痛いし、

 以下の内容をこの議論に乗せるべきか、今でも忸怩たる思いです。
見てはいけないモノ、知ってはいけないモノに触れた、あの感覚です。
 でも、現状掌握と、情報開示、人事の刷新こそがこれから進むべき路であろうと、勇気をふるって前に進みます。 
 このような状況で、実は一番立ち往生して困惑しているのが、千葉県の各行政担当者のみなさま方なのです。

 ですから、これからは一緒になって問題解決に邁進しようと[里山シンポジウム委員会]の委員のひとりとして頑張るつもりです

本日の新聞で、環境省も日本の林業の現状を少しつかんだのでしょう、少なくとの千葉県の里山林で見る限り、修正せざるを得ないと思います
 先日、千葉県の山武郡にある木材市場へ、4月3日、里山シンポジウム委員会のメンバー達と見学に行って参りました。
 前回、50年ものの山武杉が150円と申しましたが、誤っていました。訂正します。ただです。価格がつきません。
 それどころか、市場には原木がごろごろしていて、ほとんど放置状態です。
なかには、80~100年を超す立派な山武杉もありますが、売約ずみのシールの付いたものは数えるほどもありません。最近は持ち込みもほとんど無い状態だそうです。
 原木を丸太に加工する作業代金も持ち込んだ方の負担となり、引き取り手がないために代金を払っての持ち帰りを要求されているそうです。
 山の中には80年~100年モノの優れた山武杉までが、そのまま放置された状態だと聞きました。
 製品売り場には、確かに製材された木材は適正な価格で売買されています。それはほとんど他県産のものです。

 現地見学では、一山全体が山武杉で、50年ものが、全域でぽきぽきと折れており、先日の春一番の風だけで、相当数の杉が中途から消えて無くなっていました。
 持ち主は、先代の親父と一緒に県の指導で山武杉を一面に植えて、今が収穫期のはずが1円にもならない、それどころか、毎年数百万もの出費になっているとのこと。 全員しゅんとしました。複数の山を見て回りましたが、全て同じ状況。

 それよりもショックなことは、山武杉では挿し木でなく、苗木をきちんと育てた木にも同じ状況になってしまっているとのこと。現在山武杉での不良材の比率は90%に達するとのこと

 さらに、県の森林研究所から非公式な話しとしては、ヒノキでも同様な病気が発生しており、見て回った地域での針葉樹全体が同じ状況に陥ってきているのではないかと疑われているとのことでした。

 山武杉での植林は、戦後徹底して県の指導で行われてきました。県の公式見解は、山武杉主体の溝腐れ病は、杉の苗床の消毒不良によって生じたことで、林業家の手入れ不良に原因があるとの事で、一貫しています。
 この病気の原因として、杉の苗床の問題はあっても、温暖化による原因、酸性雨による影響等も指摘されだしています。アカマツの枯死が、この先駆けではなかったのかと
 こうなると、山武杉の問題は30年前から始まったアカマツ崩壊に次ぐ、針葉樹での第2ステージでは無いかとの恐れを、林業家は抱いていました。
 すでに、千葉県下での林業経営は全く成り立たなくなる恐れを感じているとのことです。
 
 実際、地域全体に活気がありません。関連の製材業も大工さんも廃業しています。
まるで山全体が、資産ではなく、不良債権のかたまりでしか無くなってしまっています。山に中も谷地も、産廃で埋まってきている状況を随所で見せつけられました。

  そういう実態を現場で肌で感じて、今後どの様な方向性が考えられるか、どの様な提案が行政と一緒になって考えていけるか思案をしているところです。なぜなら、これは大なり小なり日本の全域で生じている事です。

 地域に何百年と根付いてきた方々の、そのやるせない気持ちを聞かされるたびに、同時に、我々の世代が何をやらかしてしまったかは、この無惨な千葉の森を見て、そして平地では、なぜ、ここまで田んぼを砂漠化してしまう農法を徹底的に普及させてしまったのかを見てもらえば、そのための言葉を発する必要がありません。

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