文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

フルバッチ。写研で制作した印刷物が機能が高すぎて(16)

2006-10-28 14:33:24 | 組版プロの思考からXMLを考える
 日本に於いては、sapcolが作りあげたフルバッチの世界が確立しました。
その結果。SGMLやXMLレベルでデータファイリングを考えたときに、どうしても写研の印刷レベルを参考にして、案をまとめようとすると、情報量過大でうまく出来ません。入力側に過大な条件設定が多数は入り込む為もあります

 なまじ、写研等が高精細な印刷技術をを普及させてしまったがために、いざXMLをベースにして、標準化した印刷フオーマットからワンソースマルチメディア対応で、入力までのワンライティングを達成しようとすると、とても設計も大変、入力手書き等の原稿が実質作れない事態に、さらにバッチでのデータ入力はもっと大変になってしまします。その為になかなかSGMLもxmlも普及出来ないという事態を招いてしまったと考えています。

 でも、XMLを印刷レベルで理解することの困難さは、受け身と働きかけの立場の違いにあります。標準化した印刷レベルでのフオーマット提案(XML形式)が当該会社から提案が可能か否か、判断の分かれる所です。大きな大きなキーワードです
 第2は、顧客先との技術対応で、コンテンツ発信に係わる事項です。最も大切なことであります

フルバッチ、写研システムの功罪。とても深い罪かも(15)

2006-10-28 14:32:14 | 組版プロの思考からXMLを考える
 それは、XMLの機能が組版レベルの標準化した環境を生成する機能であること、写研のsapcolが果たしてきた役割は、まさに支援体系が整備されたことにあります。 写研のシンパと言われようが、そのフルバッチ技術が背景にあってこそのビジネスであったことを、きちんと認識すべき時代に至ったと知るべきです。
 
 私どもはその現実を見据えて、写研や㈱モリサワが、印刷産業のステータスの要の一つであった事を改めて思い知らされる分けです。

 フルバッチがプログラムの世界にかかわらず、アナログ的な発想に留まっている。印刷の世界は最高度の論理的思考を要求される分野も含む。ものつくり技術の分野であるという社会的なコンセンサスに、どのようにして答えられるのでしょうか。

 写研の社長が、なぜ、現在のような撤退戦略を組んでしまったのかは、不明です。でも、そこに「原罪」を感じ取っているとしたら、全てをブラックホールに持ち込んで、俗に言う「フオントまで」が正しいのだとの、確信を持たざるを得ない、深い状況があるのかも知れません。
 そこまでは分かりませんが。
 写研のsapcolの表現力こそ、今になって本領を発揮してきましたが、誰も、どの会社も技術的に凌駕出来なかった事実の事です。
 ある面で、そのために高品質な文書管理の標準化が諸外国と比較して大変遅れてしまった原因を作りだしてしまった責任を感じているとしたら見事です。

 かって、諸外国で行政の方々が報告書を配布した折り、相対した欧米の方々から
「印刷された資料の品質は世界一」しかし、行政マンやNPOの報告資料は「世界最低」とまで揶揄された、技術ギャップこそが、いま話した印刷技術ギャップを生じてしまった日本の姿でした。

 その間を埋めるべく、印刷産業全体がもっと顧客先と協力すべきであったとの
感覚は痛切です。


フルバッチ。写研の組版がもたらした市場効果と現状(14)

2006-10-28 13:21:31 | 組版プロの思考からXMLを考える
 日本の印刷産業のかなりの部分は、写研のもたらした組版技術の標準化環境で、そのステータスでビジネス成立を期してきていたと感じています。フオント価値とその値段の高さ。写研システムの全体的な高価さ、習熟するまでの技能職への投資額、そしてバッチ特有のプログラム思考による、発注者への柔軟なサービス(デザイン的で美しい数式作成など)、同時に考えられる限りの高能率化。それによる高収入の獲得。
 この部分は十分に認識すべき技術であり、価値観です。

 現在のInDesign環境+MAC環境を考えたときに、それで適応出来る印刷市場は
全体の7割程度。特にチラシや端物や、かっての原色版の分野は、InDesignが最適でしょう。が、この部分はInDezignの販売戦略を見ても分かるごとく、最終顧客側が、中抜きで対応する世界です。まさにプリプレスであって、印刷産業の技術を売ると言う姿勢では、どんどん商売が成立しなくなる部分だと考えられます。
 
 コピ-産業に徹すればよいという考え方の確かにあります。しかしこれも液晶TVやカラーコピー機器の普及で、アナログフイルムのごとき不確実性が見えます

 InDezign等は。同時に、ほぼ流通でのコピー等の蔓延、その発見の困難さもあって、予定の収入にほど遠い結果に。結果としてadobe社でも今後は、日本語の部分の開発を見送り、メンテナンスのみに絞るかという決定をくだしたという事態と、開発グループ情報として、聞かされています。
 かってのクオークで生じたと同様にして、あるべきシステムの発展性を結果として阻害してしまうことになりかねません。
 
 ビジネスが誰でも出来る状態で、品質もほどほどで十分なのであれば、発注者側が、InDesignで自分で作ってしまいます。投資金額が殆どかからず、内容が発注者に掌握された環境では、誰が考えてもビジネスになりません。

 InDesignの価格戦略は、印刷会社だけでなく、あらゆる関連産業にとっても、とても大変なことなのだと理解すべきです。

 まさに印刷物制作の世界が、町毎にあった豆腐屋や和菓子屋のごとく、職人的な世界から、一括大手がつくるコンビニエンスの世界へ変わったようになりそうです。 このままでは。ではどうしたらよいのでしょうか

フルバッチ。写研システムが、かって日本の標準組版技術である(13)

2006-10-28 13:00:07 | 組版プロの思考からXMLを考える
 いま、写研の技術をきちんと統括しておかないと、今でも大変ですが、さらに事態は悪化します。
 写研のSAPCOLは30年も前に開発され(凄い!)、印刷ベースの日本語組版の標準化した技術として、隅々まで使われてきました。多数の統合技術が組み合わされています。まず、日本語フオントとの一体化がありました。和欧混植、縦組み、多様な禁則処理など、その組版規則ルールは枚挙にいとまがありません。さらに対抗会社㈱モリサワやモトヤ等と、競うようにして日本語の表現力を飛躍的に高めてきました。何よりも日本語文字コードを、30年前から現在まで変更していません。
 その、折角の写研が構築してきた技術体系が、まさによくわからない理由で消滅すると見なされたと同時に、そこで運用されてきた価値観が大きく下落してしまいました。
 まさに現状は、写研が築き上げた組版原則の部分が大きすぎたために、市場価値の下落に伴って、周辺を巻き込むブラックホール化して、多くの印刷企業を含む集団までが道連れにされてしまう。まさにその現象が生じているとしか言いようがありません。
 最終顧客先にとって、そのシステムが将来にわたって利益をもたらしてくれるか、自己の仕事に有用なのか、それによってシビアな価値観が生じます。

 データ処理に於けるホストコンピュータ …… IBMのエンタープライズ
ドキュメント処理に於ける写研 …… InDesignなのか、あるいはInDesign+○○○○と考えられるのか

 ある面での、フルバッチ技術がもつ、宿命です。
TEXをも巻き込んで。その可能性を秘めて、多様な言語技術体系が、標準化戦略に沿ってここでも将来性に関して、そのシェアがもたらす結果では危機に瀕する分けです。

フルバッチ。最近の印刷市場を客観的に観察する(12)

2006-10-28 12:40:21 | 組版プロの思考からXMLを考える
(1) SGML関連での医薬品関係とか、海外発表論文の作成現場では、SGML対応のソフト一式を、H社など大手電機の関連会社等を介して購入。指定されたシステム環境を整備して講習を受けて、要望仕様と、その指示書に沿ってのみ、作業をすることで、学会等の仕事の受注が出来るというフローがすでに確立されてきています。
 
(2) 同様に、文芸書版でも、文庫翻制作上で、出版者毎に異なる特殊機能。肝心な部分は、出版者毎に微妙に異なる異体字処理、複合ルビの行末処理、割り注等を対処出来るInDesign対応の環境ソフトを指定の会社から購入し、そしてInDesignで仕事をする。というパターンも今年から本格化しつつあります。
 異体字処理や禁則関連、複合ルビ対応等印刷会社のノウハウ部分が、見事に出版会社側のソフト会社によって解析され、そのソフトを購入して、指示通りの仕事を任せて貰える……。
 と言うことは、急速に取引上の力関係が変化し、受け手の企業規模に関係なく、仕様書通りに部品を生成する自動車会社の下請けレベルにまで落ちこんでしまっているという事実です。
 企業規模が数百人であろうと、家庭の主婦であろうと、InDesignで同じ土俵で仕事をする……という事態になってきています。

(3) 組版・製版の中抜きが話題にされて数年、現状の進展はまさにCTP化の次のステップが、完全自動組版化にあることを示唆しています。
 さらにデータのワンソースマルチメディア化を本格的に展開を始めようと言う発注者側からの、強烈な意思を感じ取れます。

 理学書で言えば、SGML化に取り込まないていない分野として、多くの数式が残っていて、その市場対応として写研が存在する部分があります。
 それは、数式のデザイン的な感覚のところで、写研のシステムの存在で繋がっているとの感覚があります。写研が築いてきた組版技術をどのように解釈するかと言うところで、写研で数式のデザイン的な美しさを愛でてこられた方々が、それをTEXで自己の力で実現しようとして、無理を言いすぎて妖怪呼ばわりされてしまったのではないでしょうか。

フルバッチ。TEXの妖怪に次いで、今度は女帝の出現か(11)

2006-10-28 12:27:52 | 組版プロの思考からXMLを考える
 理学系出版での数式に引き続いて、文芸関係の出版物からの視点から見ますと
(1) 大手著名な出版社が、Adobe社製InDesignを大量導入し、今後の組版ソフトとして、出版社での内製化を前提にした制作ツールとして、モデル作りから始めています。印刷会社等へ組版での制作手法に介入を始めて、要望→指示という経過を経て、早や3年目です。
 現在、主要な委託先印刷会社でも、すでにInDesignの本格導入と効率的な制作手法のフローを必死に求め対応中です。
(2) 出版者側でも、文芸書等の制作等も、InDesign導入によって浮かび上がった課題を整理中の模様です。いろいろな意見と情報を集約し、合理化策とワンソースマルチメディア化をベースにした新たな制作手段の整備を決め、その上で基本方針を定める方針のごとくだと感じています。それまでに、あまり時間がありません。

 この過程で浮かび上がってきた幾つか大きな課題があります。
(1) 多くの印刷会社を訪問して、まず気がつくことは、経営者が社業の将来性への自信の喪失です。良く話しを聞きますと、企業間での主体性の問題があります。
 これは、かってないことですが、大手発注者側の、特定の方々に対しての誹謗に近い話しが飛び交います。特定の女性への反発のごときです。
 TEXの妖怪に次いで、今度は女帝の出現か という題目は、物事の本質と捉えるべき課題です。要は、どの分野からでも印刷会社はかって経験したことのない角度から、話し合っても理解出来されない立場で、顧客先から経営干渉され出していると言うことにあります。パートナーから下請への変化という、自立した技術をまさに否定されるという、この面でも、まさにかってない事態であるという認識です。
  
(2) これは1次産業での農業分野で、かって起こったと同様な事態に発展か?
 土地改良事業で、400もの農法と呼ばれた稲の栽培手法が、慣行農法というたった一つの農法に収斂された流れと重なります。
 国策として行われた方法で、結果として誰でも稲が作れる、最小工数で稲が作れる。3ちゃん農法とも、パートタイム農法とも呼ばれ、結果としてたった40年ほどで、農家人口が全所帯の40%が、4%以下にまで減らせた事が結果です。
 この人口の農家からの移動流失が、日本の高度経済成長の源野一つであったことは自明です。