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宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

台風の狭間で

2013年10月07日 01時05分18秒 | Weblog

台風23号から北東に伸びた雨雲がようやく北に逃げた。そのすぐ後を24号が追っている。しかし今日一日くらいはなんとか晴れそうだ。そう踏んで上がってきたみかんの丘は青空が広がっていた。雲の塊がいくつかのんびりと流れている。二つの台風の狭間とは言いながら穏やかだ。

今日は少し進めなければ。実は昨日雨の中で増築部分の仮床を張って、仮物置をその上に移動して帰った。今日はその仮物置の有った場所に脚立を立てて西側の本体の柱にほぞ穴を開ける。これが手間だ。何しろ電柱は硬い。15センチ×6センチ、深さ5センチのほぞ穴を掘るだけで4時間近く掛かった。その間2回ノミを研ぐ。

穴が開いたら壁板の溝を少し掘って今日は終わり。この後が今日の本番になる。

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予想通りの夕暮れ

2013年09月28日 23時10分49秒 | Weblog

分かっていた。大陸から張り出している高気圧がいつまでもそのままのはずがない。しかし、何も木曜日に千切れて移動し始める事は無いと思う。おかげで僕が動けない金曜日の夜は最高の星空となり、土曜日は夕方から曇りになってしまった。そう、本当に夕方から。明らかに嫌がらせだ。

今日は昼過ぎからみかんの丘に上がった。朝は一時雲が広がったものの、すぐに青空に変わり、丘に着いた頃にはかなりいい感じの空になっていた。

これならひょっとすると午後9時頃までならいけるかな、そう期待しながら始めた大工仕事。柱の加工はまだ残っていたが、それより先にする事が有る。土台の追加だ。これを作らなければ物置代わりのテントが引っ越せない。短い松材を差し込むだけなのですぐに出来ると思っていたが、これが意外に手間取った。ようやく入ったころにはふもとのミュージックサイレンが5時を告げる。

やれやれと思いながらほぞ穴を一つ開けて空を見上げたら西のほうから雲が攻めて来ていた。やっぱり。今日は撮影道具一式持ってきたのに。これから一週間は多分曇りがち。晴れ間が多くなるのはきっと再来週の月曜日あたりからだ。

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後ろ髪を引かれながら

2013年09月26日 23時25分25秒 | Weblog

道具を片づけてドアに鍵をかけ、竹取庵を後にした。車をバックさせて坂を下りながら空を見る。
今夜はけっして透明度が高くない。けれども月の出は昨日よりさらに50分遅い。星空くらいなら撮れるかな。でも明日は仕事。それに持ってきた小さい方のカメラには標準ズームしか付いていない。それでも…

坂を下りた車の屋根の真ん中あたりにカメラを置き、レンズの下に財布を挟んで狙ってみた。カメラ感度1600露出20秒絞り解放。アングル当てずっぽう。指でカメラを抑えてシャッターを切った。

さよならみかんの丘。また来週来るね。

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自ら撒いた種

2013年09月25日 22時13分10秒 | Weblog

三連休の中日は仕事。それもかなり夜が遅かった。そのせいと言う訳でも無いが、最後の休みの23日に丘に上がった時にはすでに午後2時半になっていた。これからどこまで出来るかな。
この天文台は最初ブロックを積んで作るはずだった。それも簡単な観測施設だけ。休憩や食事は車の中でするつもりで、当時の設計図には天文台とワゴン車の横の出入り口を繋ぐ渡り廊下まで描いてある。しかしおじさんが古い電柱を指さして言った「これを使うたらええ」という一言で、天文台は掘立柱のログハウスへと方針転換した。いや、おじさんはそこまでのつもりは無く、余った電柱を使えば材料代が安くつくだろうという提案だったそうだ。

あれから13年。そのおじさんは肺がんで帰らぬ人となり、僕もリウマチを患って一時は再起不能だと思われた。そんな悲しみや災難を刻み込みながら、天文台は少しずつ少しずつ出来上がっていった。竹取庵の名前を思いついたのは月明りに照らされたこの丘の上だったことを思い出す。そして今、寝室を作るために新たな工事が始まった。あの時の様な古い電柱はもう無い。やむなく松や桧の角材を使っているが、元がログハウスだけに増築部分も出来るだけデザインを合わせたい。そんな思いが柱を複雑な形にした。
本職の大工が見たら噴飯ものだ。こんな柱で梁を支えられるのか。そう笑われるだろう。もちろん僕もそう思う。まあ、だからこそいろいろな工夫を僕なりに組み込んでいるつもりなのだが。それにしてもこの加工には本当に手間が掛かる。それも使えるアイテムは中型の丸鋸とノミと金槌だけ。1本作るのにほぼ3時間掛かる。ここまで凝らなくてもと人には言われるが、仕方が無い自ら撒いた種だ。ただ始めたからには出来上がりだけを夢見て進む事にした。

今日もこの柱を土台のほぞ穴に差し込み、倒れないように壁板を2枚取り付けている間に日がとっぷり暮れてしまった。クレオソートを塗って写真を撮る頃には頭の上で星が瞬いている。これで5本目が立った。体を包む幸福感。こうしてものを作っていくのは本当に楽しい。いつもそう思う。

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やられた!

2013年09月22日 23時11分00秒 | Weblog

大工道具を片付けて竹取庵の階段を上がる。当然だが明かりを付けていない観測デッキは薄暗い。そこに一か所外の明かりが漏れている場所が有った。デッキを覆う屋根の南側、妻の部分に丸く穴が開いている。えっ。初め目を疑ったが確かに穴だ。直径は8センチくらいか。前の台風で何かが飛んできたのかと思ったが、板の他の部分は無傷だ。だとすれば弾丸ほどのスピードが無い限りこうはならない。キツネにつままれた様な気がして振り返るとなんと北の妻にも穴が開いていた。
なに!? 何かがここを高速で通過したのか?そんな馬鹿な。よく見ると穴の下に木屑が落ちている。それを見てやっと頭が働きだした。キツツキだ。以前どこかの高原に別荘を持つ人が、この世で一番恐ろしいのはキツツキだと話していたのを思い出した。その人は別荘全体を穴ぼこだらけにされたと言っていた。


やれやれ。夜になって気が付いたものも含めて穴は3つ。なんでこんなことを。中に虫がいるとでも思ったのだろうか。そう言えばキツツキは少し叩いて中が空洞だと知ると、虫がいると思って必死で穴を開けるらしい。どいつだろう。この辺りに居るのはコゲラかアカゲラくらいだ。アカゲラが竹取庵の妻を叩いて穴を開けているところ想像してみた。悔しいけれども可愛い。そうか、よしよし。仕方無いなあ。と言う気になる。彼が僕に「この世で一番恐ろしい」と言った理由はここだ。犯人はかわいいキツツキ。穴ぼこだらけにされたのに誰も同情しない。そればかりか、みんなにキツツキに建物を譲ってやれと言われたと言っていた。

確かにこれでは巣箱だ。雨が降る前に修理しなくては。それにしても板と板の境目をつつくから、一か所に付き2枚ずつ板を換えなければならない。この外壁は普通の板じゃないんだ。樹脂で固めた特殊な板。ああ、当面応急修理しておいて空気抜きの窓でも作るかな。いずれにしてもまた手間が増えた。

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猛暑を乗り越えて

2013年09月21日 22時27分22秒 | Weblog

前の連休は台風でほとんど作業が出来なかったが、今週はなんとか天気が持ってくれた。遅れている増築の工事を進めなければ冬になってしまう。

と言う訳で昼過ぎから上がった丘ではみかんが色付き始めていた。例年より少し早い気がする。表となる今年はどの木も鈴生り。久しぶりに丘が黄色に染まりそうだ。今年の夏は無茶苦茶だった。猛暑に続く猛暑。みかんの丘は陽射しが強いほど海風が強くなる。だから竹取庵の中や日陰に居ると何とかしのげるが、みかんの木はそうはいかない。おばさんの家族は今年、水遣りにずいぶん苦労したようだ。そのお蔭でみかんはどれもはじける事無く大きくなっている。農家の苦労は消費者には分からないと思う。安ければいいと言うものではない。


そんなみかんの木々に囲まれて作業は始まった。北側の土台にほぞ穴を開け、そこに立てる三寸柱を刻んでゆく。取り回しが良いからとやや小ぶりな丸鋸を買ったのが今になって悔やまれる。午後1時半に作業を始めて夕方までにようやく柱1本。全部で8本ある柱のうち5本が立った。すべて立ち上がったら梁に移る。梁が出来ると棟に掛かる。さて、いつになるやら。まあ、命が尽きるまでに仕上がればよしとしよう。

本職では無いので作業工程が有る訳じゃない。休憩しながらのんびりと作業するうちに海の近くの集落で5時のミュージックサイレンが鳴り始めた。そろそろ日が暮れる。今日は思ったより天気が持った。この分なら星も撮れるかもしれない。だったらいい加減にやめてデッキで準備をしなければ。

そして上がった観測デッキでとんでもないものを見つける事になる。

 

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縞々な風景

2013年07月21日 00時25分46秒 | Weblog

梅雨が明けて、小中学校は今日から夏休み。確かに猛暑が夏を演出してはいるけれども、いつになったらちゃんと晴れるのか。計画では昼間に建て増しの大工作業をして、日が暮れたら星を撮る。そのつもりだったのにこの空。今日も材木を持って上がった丘から見た風景は雲と靄のパイ皮だ。

丸鋸で柱材を切り、ノミと金槌でほぞ穴を開けてゆく。かなり前から気が付いていたが、ノミを叩き始めるとホオジロが鳴き出す。カンカンカンと言う音とあの「一筆啓上仕り候」(僕にはそうは聞こえないが)と言う鳴き声は全く違うと思うのだが。彼の見張り場は竹取庵から70メートルほど離れた電線だ。写真を撮ってやろうと思うのだが、そのためには観測デッキから望遠鏡を持って来なくてはならない。そうしているうちにどこかに行ってしまうだろう。

柱にほぞを切ってほぞ穴を開け、壁板を貼り付けるみぞを作ったあとクレオソートを塗る。丘のふもとで5時のミュージックサイレンが鳴り始めた頃、ようやく1本仕上がった。一休みした後立ててみる。3時間もかけてまだたった1本だ。

今日はここまで。工具を片づけておばさんに挨拶をする。明日は仕事だ。撮影に来る事は出来ないが天気はどうだろう。丘を下ってしばらくすると、行く手に落日が見えた。これは夕焼けとは呼ばないだろう。明日も曇りかな。そう思いながら帰路に就いた。

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きょうは七夕

2013年07月09日 00時06分36秒 | Weblog

とにかく暑い。それでもやらなければ進まない。照りつける日差しの中で、建て増し部分北側の一段高い土台を仮組みし、コールタールを塗っていく。本体の柱にほぞ穴を開け始めた頃、丘のふもとで5時のミュージックサイレンが鳴った。今日はここまでかな。日中広がっていた青空も、気が付くと雲に覆われている。

 

今夜は曇るのかな。七夕なのに。
雨が降ると天の川の水が溢れ、カササギの橋が壊れて牽牛は織姫の許に行けなくなる。子供の頃この話を聞いて不思議に思った。仮にここで雨が降っていても地球上どこかの町では晴れている。そんな時牽牛はどうすればいいのだろう。そうか、晴れた町の空で天の川を渡ればいい。だったら毎年必ず会える。きっとそうだ。そう折り合いを付けて納得していた。その後ずいぶん経ってこの話を人にしたら、雲の上はいつも晴れているのだから何の問題も無い。だいたい地上の雨で天上の天の川が溢れる訳がないではないかと言われた。それが本当ならひどい話だ。だったら雨の話など最初からしなければいい。

そんなことを次々に思い出しながら家路についた。そして、食事も済ませ、用事が有って外に出てみると星が瞬いている。あれ、晴れたのか。良く見ると街中なのに天の川さえ薄っすら見える。ああ、丘に残っていればよかった。早々に切り上げたことを悔しく思いながらそれでもと撮影した1枚。我が家の庭の天の川だ。狭い空に牽牛も織姫も白鳥もちゃんと見える。イルカだって飛び跳ねている。これならカササギも立派な橋を掛けているだろう。
きょうは七夕。見上げているうちに、やっぱり天の川の水は地上の雨で溢れるような気がしてきた。

 

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赤とんぼ舞う

2013年07月08日 02時06分20秒 | Weblog

土曜日に続いて大工仕事に上がった日曜日。新しく仕入れた米松を竹取庵の前に下ろして加工に掛かった。この材木は少し高かったけれど狂いの無い上物だ。ゆがみや狂いが有るとあとの手間がずいぶん掛かる。それはこれまでの作業で身に染みていた。
丸鋸を使ってほぞを切っていると材木の端に停まるものが有る。見ると塩辛トンボだ。あれ、梅雨が明けたのかな。気が付くと他にもたくさんのトンボが丘の上を飛んでいた。アキアカネ、通称赤とんぼだ。

アキアカネは暑さに弱い。いつもなら5月の終わりから6月に掛けて羽化し、一気に高原など涼しい所に移動して夏を過ごす。そして朝夕が涼しくなった頃、体が赤くなって里に戻ってくるはずだ。なぜ今頃ここにいるんだろう。羽化がひと月以上も遅れたのだろうか。今年は田植えがずいぶん遅かった。そのせいだろうか。

仕事の手を止めると、トンボの群れが僕の周りを舞いだした。みんな体の色がまだオレンジ。そうだ。やっぱりこれから旅に出るんだ。この子たちはどこまで行くんだろう。北の高原までゆうに70キロは有る。頑張れえ、僕も頑張るから。

太陽はジリジリと照りつけるけれども丘を渡る風は涼しい。休憩と水分補給をはさみながら材木を刻んでいった。専用の工具を持たない僕はどうしても手間が掛かる。まあ、それもいいか。きっと僕の命が尽きてもまだ完成しないだろう。

そうだ、除草剤で全滅したはずのトルコの食材セミズ・オトゥが他の雑草に交じってまた芽を出していた。除草剤の効き目はおよそ3週間。彼らにとっては除草剤の散布も織り込み済みだったのかも知れない。雑草だけにしたたかだ。

こんどこそ大きくなるかな。実はあの後除草剤の掛かっていない場所や他の荒地でこの草を集めていた。すでにかなり大きくなっている。食べられるようになったらここにアップしよう。

 

 

 

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少し見えてきた

2013年06月24日 00時31分25秒 | Weblog

夢のような晴れ間から一週間が過ぎた。台風の影響でしとしとと降り続いていた雨が週末には上がると言う。今やらなければいつ出来るか分からない。と言う訳で土日とも大工仕事に専念することにした。ほぞ穴掘りも慣れてくると手際が良くなる。以前本体の工事に精を出していた時を思い出した。もうずいぶん前の事だ。土曜日はかなり遅くまで頑張り、見上げてみると雲間に小望月が掛かっていた。せめてもと撮った一枚。これは天体写真とは言えないだろうな。なんだか絵のようだ。

二日間でやっと主な土台の外周だけが出来た。建て増し部分のフロアーが少し見えてきた感じがする。今日はこれで終わり。コールタールが乾かなければ次の作業がしにくい。
そう、食べられる雑草セミズオトゥは全部枯れていた。先週、雨の前に除草剤を掛けたのだそうだ。言わなかった僕が悪いのだが、言えば農作業の邪魔をする事になる。まあいいか、きっとこの丘のどこか、畑では無い所に生えているだろう。今度来た時に探して見る事にする。

丘のふもとで5時のチャイムが鳴った。いつもの「夕焼け小焼け」。まだ明るかったが今日は帰ろう。来週は来られるだろうか。それも天気と仕事次第。

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青空の誘い

2013年06月17日 01時44分30秒 | Weblog

今日は午後4時過ぎまで仕事だった。僕の職場からは外が見えない。だから建物から出て驚いた。青空だ。それもかなりの透明度。え、写真が撮れるのかな。どうせまた日が暮れたら曇るのだろう。ここ最近ずっとそうだ。でもそうかな。いやこの空はいつもと違うぞ。はやる気持ちを抑えながら家に帰り、撮影機材が一式入った手作りのカメラバッグを車に積んでみかんの丘を目指した。

丘に到着した時は5時半を回っていた。もう大工仕事は出来ない。観測デッキは風が強かったためかずいぶん埃が入っていた。望遠鏡の掃除をした後外気に慣らすためにデッキの屋根を少し開け、外に出る。昨日のまとまった雨で、丘の植物が勢いを得ていた。あの食べられる雑草セミズオトゥもはびこっている。みかんの実は直径1センチほどに膨らんでいた。その実の向こうに八日月が浮かんでいる。幽月と呼ぶには存在感が有りすぎる。もう6時を過ぎていた。

この月が沈むのは夜半だ。それまでは空が明るすぎて淡い星は撮影できない。だとすれば今夜狙うのはこの月だな。そう決めてデッキに戻った。

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久々の大工仕事

2013年06月09日 03時04分31秒 | Weblog

いろんな障害を乗り越えて、竹取庵北の増築部分に作っていた地業がようやく出来上がった。と言ってもそんな大それた工事では無い。幅100ミリのブロックを数十個縦横に並べただけの簡単なものだ。竹取庵は掘立造り。本来地業など必要無いはずだった。しかし、かなりの急斜面に建てた事で山側に延長すれば自ずから床が地面に着いてしまう。地下に掘り込む訳にはいかないから、増築部分は床が既存の部分より50センチ余り高くなってしまった。それでも北の端は地面からブロック一個分しか余裕が無い。

出来上がった地業の上に土台になる松材を組み付ける。その松材と竹取庵の掘立柱とを繋ぐ為のほぞ穴を開けた。80×150、深さ50。柱に使っている古い電柱は硬い。ノミと金づちでこれだけ掘るのに3時間もかかってしまった。ようやく開いたほぞ穴に差し込むほぞを刻んでコールタールを塗って組み付ける。気が付くと辺りが暗くなっていた。材木を持ってきたのは午後1時。5時間もかけて出来上がったのは土台たった1本だった。
今夜は晴れないだろうと思っていたが、やはりただ暗くなるだけの夕暮れだった。

ところで、みかんの丘では梅雨時になると必ず生える植物が有る。『スベリヒユ』だ。多肉植物で葉も茎もみずみずしく、丸く平たく葉を伸ばして、大きいものでは直径50センチ以上にもなる。引き抜いても引き抜いても生えて来るこの雑草が食べられると教えてくれたのは、最近までトルコで暮らしていた日本人女性だった。トルコでは「セミズオトゥ」と言うらしい。サラダに入れても炒め物にしてもおいしいそうだ。へえ、食べられるのか。うまいのかな。

そのセミズオトゥが今年も生えてきた。ただ、今年の梅雨は雨が少ない。ちゃんと大きくなるだろうか。

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残念な黄昏

2013年05月20日 00時05分20秒 | Weblog

久々に、本当にひさびさに竹取庵の北側にブロックを積んだ。積んだと言ってもたった2個。それでも2時間も掛かってしまった。なにしろセメントを練る道具やブロックを切る工具など、みんなどこに置いたか分からない。ようやく探し出して地面を均し、水平を出しながらブロックを仮積みする。その後場所に合わせてブロックを切りながらモルタルで固定するのだ。これにも結構時間がかかるのに、作業途中でディスクグラインダーというブロックを切る道具が故障してしまった。モーターが過熱したのが原因かもしれない。仕方無い。ノミとハンマーで少しずつブロックを掻き落として必要な形にしてゆく事にした。

時間と手間と体力を消耗する作業。文明の利器の有り難さが身に染みて分かる。やっと終わったころには太陽が西の山に沈もうとしていた。天気予報では明日は雨。それでもみかんの丘は、薄雲を通して差し込む日の光に染まっていた。今夜は晴れないだろう。それは分かっていたが、せっかく自由な時間が出来たのに。そう思うと雲量の増す黄昏が恨めしくもあった。

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甘い香りに誘われて

2013年05月19日 01時36分27秒 | Weblog

激しすぎる勤務がようやく峠を越え、何とか週末に休めるようになった。今ならきっと咲いている。止まったままの大工仕事も進めなければ。そう思いながら上がったみかんの丘は、思った通り甘い香りに包まれていた。まだ満開ではないが陶酔するには充分な開花量だ。丘への道の途中から車の窓を開け、速度を落として香りを堪能する。

来ることが出来た。無理だと思っていたのに。それが嬉しかった。大きな木の数は以前より減ったけれど、丘のみかんは今いっぱいの花を付けている。

ただ、良く見ると、枝のあちこちにハナムグリが居る。おしべや花びらを食べているのだ。そう言えば、前に見たアカホシテントウの幼虫はどこに居るのだろう。いくら探してもあの怪獣のような姿は見当たらなかった。殺虫剤にやられたのだろうか。それなのにこのハナムグリ。悔しい思いで花から弾き飛ばした。

ハナムグリだけでは無い。葉の上を、地面を、いろんな毛虫が這い回っていた。なぜ天敵の幼虫のほうが死ぬんだろう。少し悲しくなって竹取庵に入ったら、居間のカレンダーが1月のままなのに気付いた。そう。この部屋にちゃんと入ったのは4か月ぶりだ。

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今年は表作

2013年05月01日 00時59分31秒 | Weblog

昼過ぎまで仕事。夕方から仕事。その合間を縫ってみかんの丘に上がった。ゴールデンウィークに入って2日間は青空が広がって暖かかったが、次の日は曇り。今日は午前中雨。まあいいか、どうせ星の写真を撮れるとしたら5月末だ。

何本かずつ植えているみかんの木が青葉を付けている。その間に黄緑色の若葉とつぼみがのぞいていた。そう。丘は今初夏の準備をしている。去年みかんは裏作。散々な収量だった。その分今年は花をいっぱい付けている。

ここまでしなくても「と思うのだが、みかんにも都合が有るのだろう。今間引いておけば木が傷まなくて済む。しかしそうしたらあの甘い香りが薄くなる。どちらが良いのか一瞬迷ったが、そう、甘い香りは丘のトレードマークだ。と思いついて間引かないほうに決めた。まあどう決めようが、今の僕にその暇は無い。心配なのはむしろ、その甘い香りがするタイミングにここに来ることが出来るかどうかのほうだ。

ふと見ると、つぼみの間にアカホシテントウがいる。交尾をしていた。頑張ってたくさん子供を作っておくれ。アカホシテントウはアブラムシの天敵。みかんにとっては強い味方だ。ただ害虫防除の薬剤散布に、このアカホシテントウも無事ではいられない。そうかといって彼らだけに頼っても、天敵と言うものはなかなか害虫を食べつくしてはくれない。だから薬剤散布もやむを得ない。なやましいところだ。
次はいつ来られるかな。来られたら枝の間を覗いてみよう。きっとあの怪獣のような灰色の幼虫がアブラムシを食べているはずだ。

 

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