技術構造分析講座ブログ

東工大の科学史・技術史・科学技術社会論・科学方法論研究室のブログです。公式情報、研究の詳細はホームページをご参照下さい。

バージニア工科大学のギャリー・ダウニー教授が州最高教員称号を受賞

2011-01-27 13:54:34 | Weblog

私が修士課程でお世話になり、今も共同研究をやっているバージニア工科大学のギャリー・ダウニー教授が、バージニア州(Commonwealth)で最高の教員称号を受けたというニュースを聞きましたので紹介しましょう。

 

Virginia Tech's Gary Downey receives commonwealth's highest faculy honor

http://www.vtnews.vt.edu/articles/2011/01/012611-clahs-downey.html

 

研究業績については、高等教育における工学系と人文系の恐ろしいほど広いギャップをつなぐ役割を果たしていると評価されています。

研究内容は、大学における工学教育を人類学的・歴史学的視点から把握することを試みています。つまり、大学の工学教育は、文化的背景に大きく影響されているということを明らかにしています。また、その研究成果を工学部の学生の教育内容に精力的に還元していることが評価されたようです。

工学部への人文・社会学的な科目の導入が、工学部生がエンジニアとしての自分を客観的に見ることに役立っているというのですね。

 

それと、日本の感覚とちょっと違うのですが、アメリカでは学位論文の指導(mentoring)が大学教員の業績のひとつとして強調されています。実際に、ダウニー教授の場合には、これまでに79人の論文審査にかかわって、そのうち40人の学生について主査および指導をしたことが記されています。

ところで、STS学科のホームページを見ると、すごい数の教員が所属しています(27人)……。これは隣接する分野の学科(歴史や哲学)に所属する教員も掲載されているからです。それでも、STS学科の専任は14人もいます。

http://www.sts.vt.edu/

いま学生数も数えたら87人もいる! 僕もちょっと前まで載っていたので、誇張されていると思っていましたが……、最近卒業した学生も既に載っておらず、この数は今の実態を反映しているといえます。人文系にしてはでかい学科ですね。

和田正法


アトランタ訪問 随感(その1)

2011-01-08 03:13:46 | Weblog

詫間です。

2011年1月6日~7日、ジョージ工科大の建築学専攻の研究者Jason Brown講師およびAugenbroe教授と、当地の省エネ建築と日本のそれとの違いについてて意見交換を行うため、アトランタ入りしました。

夏は高温多湿、冬はそれなりに寒い(0℃かそれ以下まで気温が下がる)ということで、日本の熊谷市とか名古屋市と気候条件が似ています。ということは、自然条件以外の条件、すなわち文化や社会的条件の違いによる省エネ建築技術の発達の差異が分かりやすいと踏んで、ここを訪問した次第です。

Augenbroe教授とは、2年前にジョージア工科大を訪れたとき、急用でお会いできず、その後2年間お会いできる機会を窺っていたので、面会できて感激でした。

アカデミックな報告は別の機会にするとして、ここでは、アトランタ市内に入ってみて、気がついたことを述べていきます。

空港から出ているMARTA(Metropolitan Atlanata Rapid Transit Authority)の
Train(市内鉄道)は優れものです。

空港からでジョージア工科大の近くのNorth Avenue駅まで、
約30分というはやさで到着します。

運賃は1回の乗車につき2ドルと、タクシーの30ドルと較べるとかなり安いです。

ただ、間違えて高いカードを買ってしまいました。 失敗ました

次の図はMARTA Trainの路線図です。

(↑ MARTA Trainの路線図。車内にて。)

MARTA Trainは、バリアフリーです。すべての駅の階段にエスカレータが着いています。

東京なみです。 (ドイツのようなバリアフリーで通っている国のフランクフルトやデュッセルドルフのような大きな駅でも、エスカレーターが完備しているわけではありません。)

(↑ 空港駅のエスカレーター)

(↑ North Avenue駅)

 

ところが、地表の道路は、低いですが段差がところどころあって、バリアフリーとはいえません。車椅子など通りにくいでしょう。スーツケースもあちこちでつっかえました。

また、市の慢性的な財政難のため、道路の舗装を定期的に行うことができないのです。

ただ、前の市長(民主党)はインフラの整備努力したそうで、下水はかなり整備されたそうです。 (Jason Brown氏の情報です。)

 

次の記事では、日本人シェフのいる寿司屋にいったときの話か、ジョージア工科大の話をしたいと思っています。