技術構造分析講座ブログ

東工大の科学史・技術史・科学技術社会論・科学方法論研究室のブログです。公式情報、研究の詳細はホームページをご参照下さい。

江戸東京博の「夢 大からくり展」

2006-01-29 01:46:27 | Weblog
 いま江戸東京博物館で「夢 大からくり展」という展覧会をやっています。常設展のある6階と5階の一部をつかって、江戸時代のからくり人形が展示されています。
 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/josetsu/tokushu/karakuri/yumekarakuri.html
2月5日までで午前9時30分~午後5時30分(1月30日は休館、2月2日と3日は20時まで)です。
 東芝の創業者とされる田中久重の製作したさまざまなからくりを初めとして、江戸時代に作られた時計、鉄砲(なかに空気銃もありました)、天文測定器、医療器具、ガラス機材などが展示されています。なかでも圧巻なのは、田中の作った万能時計(「万年自鳴鐘」)の復元(国家プロジェクトとか)の様子と時計の原理の説明のビデオと文字書き人形の修復の様子のビデオです。文字書き人形は、毎日10時半、14時半、16時の三回、実演をやっているそうです。(梶 雅範@東工大)

読書会を開催します(くりはら)

2006-01-28 19:56:33 | Weblog
東大と東工大で科学史を学ぶ大学院生の有志で,読書会を開催します.

日時: 2月15日(水) 17:30 開始予定
場所: 東大駒場

使用する文献は, Osiris Vol. 20(2005) です.この号のOsiris は「戦時における政治と科学」の特集号で,第二次世界大戦期の主要国の科学動員について,各国の比較研究をしています.

参加を予定している院生は,研究課題としている分野はさまざまですが,20世紀の科学の歴史について学ぶという点で共通しています.というか,それしか共 通点がありません.でも,近い時代を調べているのだから,何かみんなで議論できることをやろう,というのがこの会の趣旨です.

別に20世紀を専門としていなくとも,関心のある方の参加は大歓迎です.

参加を希望される方は,くりはらまで連絡をください.メールアドレスは,お手数ですが,技術構造分析講座のホームページから 「院生・研究生紹介」 に入って,私の名前を探してください.


西洋音楽史

2006-01-17 09:58:58 | Weblog
 岡田暁生『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』中公新書という本を紹介します。

 とてもオーソドックスな表題(「「クラシック」の黄昏」という副題におやっとさせられますが)で、新書という小著にもかからわず、内容的に非常にインパクのある本です。現在は、京大の人文研にいる著者が前任校の神戸大学で9年間にわたって担当した「西洋音楽史」の授業に基づいているそうです。西欧音楽の通史を書いて、その価値を見事に相対化してみせています。
 たとえば、「まじめなクラシック」(門外漢にとって難解で敷居が高く、演奏会で静かに傾聴すべき、真面目な芸術音楽)というイメージは、19世紀にドイツ語圏で、堅実な教養市民層に支えられて、当時の音楽の通俗化にさからう形で形成されたものに過ぎないといいます。
 現在、ポピュラー音楽を含め、すべてが西洋音楽の言葉で書かれ演奏されているためにその「普遍性」に疑問をもちませんが、じつは「世界最強」であるにしても民族音楽の一つに過ぎない西洋芸術音楽の歴史を語ります(芸術音楽とは「楽譜として設計された音楽」)。科学史の通史的な記述の参考にもなりそうです。

梶 雅範

ノイマンの生家の銘板

2006-01-03 06:37:39 | Weblog
 前の書き込みに写真を掲載したノイマンが生まれ育った家には、そのことを記したパネルが右のようにはめ込まれています。ちなみに、この家の所在を詳しく示す地図が、ジョルジュ・マルクス著、盛田常夫訳『異星人伝説』の最後の近くに収録されています。

住所・Bajcsy Zsilinszky ut 62

 中島秀人