セトに殺され、切り刻まれたオシリスの体は、
エジプト中にばら蒔かれたという。
イシスは、それらを拾い集めて一つにし、
オシリスを復活させたとされているのだけど、
他に、イシスとネフティスが、ばら蒔かれた断片を
一つ一つ、丁寧にその場に埋葬して歩いた、という話もあるという。
この方が、日本人の感覚に合うだろう。
必ずしも遺体が一つにまとまる必要はなく、
仏舎利(お釈迦さまの遺骨)のように、そ . . . 本文を読む
根源意識の中に、存在の原型のようなものが内在すると、
チベット仏教では言う。
根源意識が存在のイデアであり、肉体の雛型となるために、
生まれ変わりはソックリになるのだと思う。
だから、それによって“生まれ変わり”を判断する場合は、
肉体の向こうにある根源意識の印象を抽出し、
それを、過去の人間の根源意識の印象と照らし合わせる、という
作業をすることになる。
それによって、似ているか似ていな . . . 本文を読む
北エジプトにあった、ヘルモポリスという都市には、
アトゥム(アポピス)とシュウ、テフヌトを祖とするヘリオポリス神話の
前段階を補う神々が伝わっていた。
原初の混沌・ヌンを、さらに分化させた、
混沌の中の神々八柱を中心とした神話を、伝えていたのである。
その八柱の最後の二柱の神々が、
“不可視性”を象徴するアメンとアメネトだった。
後に至高神としてエジプト中の信仰を集めることになるアメンは、
. . . 本文を読む
もしも言葉が生まれなかったら、
人は動物のままだったでしょうか?
人が動物のままだったら、
世界はこのようにならなかったでしょうか?
最初の言葉が、愛する人と意思を交わしたいと
ただそんな思いから生まれたとしたら
生み出されたものが、広がっていくうちに
何かボタンを掛け違えたように
違うものになっていくことを
生み出した人たちは、何を思って、
見ていたかと。
人々は文明を憎みながら、
文 . . . 本文を読む
王仁三郎の霊界解説である“霊の礎”という本を読み、
随分と悩み、考えたのだけれど、
王仁三郎の言うような霊界はない、と思う。
根源意識が還る世界はあるが、
それはチベット仏教が語るような、抽象的な世界、
イデアの世界だと思うのだ。
和魂に、帰還を妨げる種々の執着が残っていると、
根源意識はそれに引っ張られ、
それにふさわしい場所へ生まれ変わることになる。
ただ、日本人の場合、中有にいる期間 . . . 本文を読む
大石凝真素美がオオ“イシ”ゴリマ“ス”ミでイシスだと思う。
そしてイシスは、石スだと思う。
(スは水分の意味で、石の水分である)
ス神信仰は大石凝が確立した。
エジプトでは彼女の執着によってミイラ作りが始まったのだ。
オシリスをセトに殺されたイシスは、
バラバラにされた遺体を探し求め、一つにまとめてミイラにした。
イシスはオシリスを永遠に自分のものにするために、
根源意識への帰還と風化を許さ . . . 本文を読む
王仁三郎の鎮魂について知りたいのだけど、
適当な資料が見付からない。
“鎮魂”とは、魂が肉体から離れることを防ぎ、
肉体の中府(チャクラ)にしっかり結びつけ、鎮めること、
また、神により自らの魂を増大させるための修法をもいう。
それ自体は、もちろん王仁三郎の専売特許ではなく、
神社神道や家伝神道の諸流派でも行われている。
西洋的な“霊魂”の概念からすると、想像しにくいかもしれないが、
日本で . . . 本文を読む
他人との相互作用によって
明らかにされる余地があるということ。
それを自覚していること。
それを受け入れる謙虚さがあること。
そういう女性は、可愛らしいのだと思う。
“わたしはこう”という自己規定がきつく、
他人にもそう見られることを求める人。
たとえ美人でも、
“わたしは美人! そう思いなさいよ!”
という人。
他人によって明らかにされるべき曖昧さが
自分にもあるということを
認めない . . . 本文を読む
わたしは、日本人のルーツを、
古代インダスー古代エジプトに仮定して思索を進めているのだけど、
謂わば原インド、原エジプトとでも言うべき文明を想定しているので、
なにも、現在の日本が、現在のインド・エジプトと
まったく同じになるべきだと言っている訳ではない。
原インド・エジプト人が、東の果ての列島に移住して先住民族と混じりあい、
その後東アジア系の勢力に屈し、混血し、東アジア文化に染められ、
そ . . . 本文を読む
もしも、生物の死した後に、
力で何かが破滅させられた後に、
思念が残らないのなら、
神は無慈悲であり得るでしょう。
各物質のわがままなど、神の知ったことではなく、
自らの体の一部でありながら、各自勝手な
物質心・肉体心で好き放題の存在はうるさいだけで、
消滅させてしまいたいのが本当かもしれません。
しかし、思念が残るとしたら。
不快な思念の残るやり方は神自身にも苦しく、
そうしたやり方を取っ . . . 本文を読む
なにも男女に限ったことではなく、
例えば同性であっても、
人と人が関われば相互作用は生ずると思うのですが
特に、男性と女性の場合は、
ごく身近にパートナーとして接するがゆえに、
また、その働きの質に補い合うべき相違あるがゆえに、
特に、その相互作用が顕著に現れます。
母胎となりうる無限定は女神として表され、
そこから生み出させる働きは男神として表される、と書きました。
混沌・無秩序・可能性で . . . 本文を読む
古代エジプトでは、人間は、
アク(光明)、バー(魂)、カー(分身)の、
三つの要素からなると考えられていたという。
アクは受肉に先立って存在する純粋な霊であり、光であり、
受肉する存在の型を内に含むイデアである。
バーは、火と共に描かれる渡り鳥の姿で表現される魂である。
それは種子であり、本質であり、
本性(アクに備わった?)に従って、個体性を決定する。
カーは生命力であり、肉体の発生・成長 . . . 本文を読む
古代エジプトにおいて、
原初の混沌、ヌンから生まれた最初の神の名を、
アトゥムという。
自らの意志によって自らを生み出したとされる、
神々の祖にして造物主である。
自ら生まれたアトゥムは、それ故に、
無為に存在したヌンよりも、尊い存在とされたらしい。
***
このアトゥムが、天常立にあたる神ではないか、と
思うのである。
言霊に当てはめれば、
ア=天、トゥ=止める、留める、ム=地の気で、 . . . 本文を読む
セトは、オシリス=ソカルを憎み、妬み、
復活不可能なまでにしようとバラバラに切り刻んだ、
オシリスの弟神である。
オシリスの妻イシスに横恋慕しながら叶わず、
自らの妻、ネプテュスまでも、オシリスを愛して自らを嫌った。
王位への執念以外に、そのことが、
執拗な嫉妬の原因の一つとも言われる。
***
大地の神、ゲブの魂(バー)であるソカル=オシリス=スサノオは、
体霊を浄化する働きを持つ。
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