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「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

日本の最期(2)―二度も情報戦で敗れる惨めさ―

2007年04月05日 | 中国の野望─その外交と軍事─
1.失われる緊張感
 前大戦の教訓を私達は忘れてしまった。
 ミッドウエー海戦
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真珠湾攻撃直前に変更された日本軍の暗号は、アメリカの諜報部よりJN-25と呼ばれており、4月頃に情報隊が日本軍の暗号を談判的に解読し、日本軍が太平洋正面で新たな作戦を企図していることについてもおおまかに把握されていた。しかし、その時点では時期・場所などが不明であった。5月ごろから暗号解読を進めるにつれて資料が増え、検討していくにつれて作戦計画の全体像を明らかにしていくと、解読文中に登場する「AF」という場所が主要攻撃目標であることはわかってきた。しかし「AF」がどこを指しているのかが不明であった。しかし「A」「AO」「AOB」がアリューシャン方面であることは明白だと判断した。
ワシントンは攻撃目標をハワイ、陸軍航空部隊ではサンフランシスコだと考え、またアラスカ、米本土西岸だと考える者もいた。決定的な情報がなく、5月中旬になっても米軍は日本軍の進攻目標も時期も分からなかったが、ニミッツ大将はミッドウェーが目標であると各種情報と戦略的な観点から予想して、ハワイ情報関係者らも次第にミッドウェーが目標であるとの確信を深めていった。5月11日ごろ諜報部にいた青年将校ジャスパー・ホームズの提案により、決定的な情報を暴くための一計が案じられた。彼はミッドウェー島の基地司令官に対して、ハワイ島に向けた、「海水のろ過装置の故障により、飲料水が不足しつつあり」といった緊急の電文を英語の平文で送信するように伝えた。その後程なくして日本のウェーク島守備隊から発せられた暗号文に、「AFは真水不足という問題あり、攻撃計画はこれを考慮すべし」という内容が表れたことで、ミッドウェー島及びアリューシャン方面が次の日本軍の攻撃目標だと確定された。5月26日までにハワイの情報隊は暗号解読に成功し、各部隊の兵力、指揮官、予定航路、攻撃時期などが判明した。
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 事前に察知されていことに気がつかないまま、南雲機動部隊はミッドウエー島を爆撃、近くにアメリカ機動部隊がいることを十分警戒しなかったため、偵察、掃海も充分ではなかったことで、奇襲を受けてしまった。この敗戦は、よく知られているように太平洋戦争のターニングポイントになった。
 情報はすべての鍵である。

2.中国による情報戦
 中国が組織的な謀略活動と同時に諜報活動を行っていることは既に知られている。2005年、中国人亡命スパイがそれを明らかにしている。
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前中国国家安全局警官:日本にもスパイを多数派遣
 【大紀元日本7月31日】中国の海外スパイ事情に関する秘密文書を持ち出し、オーストラリアに逃げ出した前中国天津市国家安全局警官、元中共天津市公安局610オフィス職員・郝鳳軍氏(32)は7月17日、オーストラリアのテレビ局の特集番組『中国の赤い壁の裏(Behind Chinese Walls)』に出演し、米国、カナダ、オーストラリアのほか、日本も法輪功取締本部(通称610オフィス)の主要活動地域に指定されていると暴露した。郝鳳軍氏は先日、日本大紀元の電話インタビューに応じ、日本が中共と近い関係にあること、法輪功取締本部のスパイが日本全国で活動しているなどのことから、日本を亡命先として最初から考えていないと話した。
 郝氏によると、2001年6月26日、天津で開かれた「全国秘密勢力3ヵ年計画」の会議で、日本も北米やヨーロッパと同様に、法輪功及び反体制派の主要監視国として指定されたと証言した。郝氏はオーストラリア地域を担当していたので、日本からの情報に関わっていなかったが、他の国より大量の情報が送られ、日本に多くのスパイが活動していると察したという。
 さらに、反日デモについて意見を伺ったところ、郝氏は、日本の国連常任理事国入りを阻止するために、中国政府が裏で指図して行われたことだと明言した。郝氏によると、中国では関係部門の許可なしでは街に出て堂々とデモ行進することは不可能。
 また、郝氏は、最近日米安全保障条約問題にめぐって、日中関係に多少の摩擦があったが、日本は中共と親密な関係にあると感じているという。
 郝氏は、日本は地理的に中国に非常に近いため、法輪功学習者及び反体制派の人々は特に安全に注意すべきだと警告した。また、日本に潜入しているスパイを見分けることに協力したいと表明した。
 海外監視スパイ3ヵ年計画
 郝氏はインタビューの中で、中共の海外監視3カ年計画について詳しく紹介した。2001年6月26日、天津で開かれた全国規模の会議では、全国各省、市の海外と連絡のある部門及び海外情報網が全て法輪功の監視へ切り替える指示が出されたと話し、3年間で海外の法輪功に関する情報を徹底的に収集するようにと要求された。この計画は2004年6月26日に終了し、各省、市は当初の計画通りに海外の法輪功の監視任務を遂行したはずだと述べた。
 また、3ヵ年計画については上部からの正式な指示はあるが、具体的な活動内容は各省、市に任せられている。例えば、法輪功の活動の現場に必ずスパイを派遣しれ、その活動を監視する。または法輪功学習者に成りすまして情報収集に当たるなどはよく見られる手口である。中国政府に反体制派や他の宗教団体などに対しても同じ手口で監視している。
 日本での監視方法は他の国とほぼ同様。主にビジネスマンに成りすまし、架空の会社を利用して日本へ派遣するなど方法を取っている。現地駐在スパイの他、地元のビジネスマン、華人、中国と貿易を行っている日本人まで買収し、監視対象となるグループに潜伏させ、各種の情報収集に当たっている。
 郝氏はまた、海外の監視活動は個人情報の収集に重点を置いていると述べた。法輪功学習者の場合、法輪功の活動に積極的に参加しているかいないかに関わらず、パスポートに記載された氏名、住所、電話番号、年齢などの情報を収集することが要求される。さらに、これらの情報を中国国内へ送られ、現地の610オフィスを通じて北京公安部へ転送され、そして、外務省を通じて各国大使館へ通知される。各国の大使館はこのように法輪功学習者リストを入手したという。
 また、法輪功学習者のリストは中国の各空港にも送られ、コンピューターに登録される。リストに載っている人が通関すれば、直ちに逮捕され、公安局へ引き渡される仕組みになっている。
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 中国大使館も同じ働きを持っていることは以下の中国人亡命外交官が証言している。
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在シドニー総領事館元工作員が実名告発日本の最先端技術を盗む中国国家全部「産業スパイ・工作員の全手口」(SAPIO 2006年3月22日号)
「日本には中国情報機関のダミー会社が多数存在する」
さらに陳氏は、工作活動が露見するのを防ぐために行なわれる、いわゆる“口封じ”が徹底していることも指摘する。
「私自身“亡命”してから、自分が追尾されていることはよくわかっている。娘が通っている学校にも監視がある。彼らが実際に暗殺を遂行するときは事故に見せかける方法を使うので、自分の自動車の車輸のネジが緩んでいないか、常にチェックしている。
これは日本ではなくアメリカのケースだが、かつて毛沢東の主治医だった人物が、アメリカで毛沢東についての本を出版した。ところが、彼が第2弾を準備しているとき、突然心臓病で死んだことがある。あれだけ健康だった人が突然心臓病になるはずがない。FBIも調査したが、殺されたという確証は出てこなかった。殺されたのだとすれば、実に手が込んでいると言わざるを得ない」
陳氏は、米下院議員のヘンリー・ハイド(共和党・イリノイ州選出)の招聘で渡米し、人権に関する下院小委員会をはじめとする各委員会の公聴会で、中国のスパイについて証言しているが、そこで「オーストラリアには、1O00人以上のスパイがいる」と述べ、さらに「アメリカにはさらに多いスパイがいる」と付け加えた。私のインタビューに対しても、「アメリカにはオーストラリアの3倍の数のスパイがいるはずだ」と答えている。
では、日本にいる中国人スパイはどうか。
「オーストラリアよりも多くいるはずだ。これは法輸功のような反政府分子を弾圧する目的というより、日本の技術を盗むためだと言っていい。
アメリカから盗んでいるのは、核やミサイルの軍事技術だが、日本の場合は(軍事転用が可能かどうかにかかわらず)最先端技術に関する情報だ。日本企業に普通に就職している中国人研究者は、入社当時はスパイではなくとも、途中でリクルートされて、エージェントになるケースが多い。
研究者をスパイとして使う理由は、彼らが中国に必要な技術が何か見極める能力を持っているからだ。
さらに日本には、(国家安全部が作った)多くのダミー会社があることは間違いない」
日本の防諜体制は皆無に等しいと陳氏は認識している。
中国が先進国に追いつくには、技術を盗むしか方法がないということかもしれないが、これに対して日本の対策はあまりにも杜撰なのである。アメリカは陳氏の告発を重要視し、ハイド議員らは彼を公聴会に招聘した。日本政府、あるいはスパイ活動に晒されている日本企業は、陳氏の発言をアメリカ以上に重く受け止めるべきであろう。
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 こうした文脈で見るとき、日本で今年出た二つの事件はまことに日本の危機を象徴するできごとである。

3.中国の産業軍事スパイ活動
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デンソー事件の中国人容疑者、本国企業支援の団体で活動
2007年3月22日(木)07:07
 大手自動車部品メーカー「デンソー」(本社・愛知県刈谷市)で、設計データの入ったパソコンが持ち出された事件で、逮捕された中国籍の同社技術者、楊魯川容疑者(41)が幹部を務める在日中国人の自動車技術者の団体が、中国企業への好待遇での就職や起業などを目的にした組織であることが関係者の話で分かった。中国の自動車関連企業から資金面で支援を受けているという。楊容疑者は積極的に活動していたといい、「将来起業する際に生かそうと、データを取得したのではないか」と指摘する団体関係者もいる。
 この団体は「在日華人汽車工程師協会」で、大手企業の技術者や大学の研究者らが会員になっている。協会の元幹部によると、05年10月に設立され、日本の自動車メーカーの研究員が初代会長に就いた。初代会長は、その数年前にアメリカで設立された同種団体の幹部が中国企業に役員で迎えられたことを知り、立ち上げたという。06年11月の総会で、別の自動車メーカーの研究員が会長に就き、楊容疑者ら7人が副会長になった。これまで総会は東京の中国大使館で開いてきたという。
 元幹部によると、日本企業での昇進に限界を感じた技術者らが参加し、中国企業に好待遇で就職したり、中国で自分で会社を起こしたりすることを目指してパイプ作りなどをしているという。
 一方、中国の自動車業界の側は在米や在日の技術者の獲得に迫られているといい、中国企業から協会には資金が提供されているという。イベント費用として約5000万円を出したり、会員が交流などのため帰国した際の費用十数万円を負担したりするケースがあった。設立時には、中国企業などから100通近い祝電が寄せられたという。
 中国の企業や地方政府、関係学会などの訪日団があると、協会は東京都内のホテルや中国大使館で懇親会を開いてきた。楊容疑者はこうした集会に毎回、愛知県から駆け付け、人脈作りなどに励んでいたという。
 楊容疑者が約13万件のデータを取り込んだのは06年10~12月。協会の副会長就任はこの間の同11月で、年末年始は協会幹部数人とともに中国に帰国したとされる。
 協会の会長は朝日新聞の取材に、データ入手について「あくまで個人行為で、協会は関係ない」と話した。中国大使館は「協会には場所を貸しただけで、それ以上の関係はない」としている。
(05/07/31 11:02)
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 企業情報が重要な日本での諜報活動を占めていたことは以上の記事からも分かる。中国の政府組織などが公然と関与している様子も窺える。当然、軍事情報も同じである。
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イージス艦情報も持ち出す 2等海曹 秘密保護法違反も
2007年3月30日(金)21:59 * 朝日新聞
 海上自衛隊第1護衛隊群(神奈川県横須賀市)の護衛艦「しらね」の2等海曹が護衛艦の情報を持ち出していた問題で、この情報の中にはイージス艦に関する情報も含まれていたことが30日、神奈川県警の調べで分かった。イージス艦の情報の中には日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法で「特別防衛秘密」に指定される秘匿度の高い情報も含まれており、県警は2曹が持ち出した情報の分析を進めている。
 捜査当局によると、今年1月、県警が2曹の中国籍の妻を入管難民法違反容疑で逮捕して自宅を家宅捜索した際、護衛艦のレーダーのデータなどを記録したフロッピーディスク(FD)を押収したほか、イージス艦の情報が持ち出されていたことが判明したという。
 県警は、2曹の担当職務や階級に照らして接触できる秘密情報が限られていることから、情報の入手経路に関心を寄せて捜査。秘匿性の高い情報に接触できる別の人物が2曹に渡した可能性も視野に慎重に調べている。
 関係者によると、2曹は95~99年にイージス艦「きりしま」(横須賀基地)に乗っていた。また、2曹は中国への渡航歴はないという。
 イージス艦は、米国海軍が開発した最新型の対空ミサイル管制システムを装備した艦船。400キロ以内の距離にある200以上のミサイルや航空機を同時に探知し、速度や飛行コースを捕捉して撃ち落とすことが可能。海自は現在、5隻を保有している。
 特別防衛秘密は、日米相互防衛援助協定などに基づき、米国から供与された装備品の(1)構造や性能(2)製作、保管、修理に関する技術(3)使用方法(4)品目、数量――が対象。特別防衛秘密を漏洩(ろうえい)した場合、10年以下の懲役と定められている。
 弾道ミサイル防衛などの分野で日米両国は軍事に関する情報共有の流れを強めている。仮に2曹が特別防衛秘密を持ち出していた場合、日本側の情報管理のあり方に対し、米側から強い懸念が示されるのは必至だ。
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 このニュースは中国ではあまり大きくは出ていない。『人民日報』:日本軍官洩密案驚動安倍の”日本の謀略だ”という記事だけである。いつもなら大騷ぎするところ、様子見をしているのは裏に隠されたスパイ網がどれだけ探知されたか見ているというところだろう。

4.盗んだ技術で他国を侵略する中国
 中国は欧米からも多数の技術を盗んでいる。
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米軍事機密漏洩、中国系米国人が27日に審判
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 【大紀元日本3月26日】AP通信社の報道によると、米海軍の先端武器開発技術に協力した中国系米国人科学者の麦大志容疑者(66)は、軍事機密を中国へ漏洩した容疑で2年前に勾留され、3月27日に審判されることになった。報道によると、麦氏は1983年より中国当局のために働き、逮捕される2年前までの20数年間で、武器、原子炉および米国潜水艦における推進システムを含む100以上の軍事機密書類を盗み、中国当局へ渡したという。
 報道によると、麦容疑者が有罪となれば、50年以上の有期懲役になる可能性が高いという。
 一方、バージニア州を本拠とする独立シンクタンク国際評価および戦略センターの費謝爾副総裁は、これらの容疑が事実であれば、米海軍の優勢に挑み続ける中国は、極めて有益な重要な情報を得たであろうとコメントした。
(07/03/26 10:13)
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 これは最近に限ったことではない。
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中共軍事スパイ4人、米連邦捜査局によって逮捕
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【大紀元日本11月9日】米連邦捜査局は5日、15年間にわたって米軍先端ハイテク兵器の情報を収集した容疑で中共スパイ4人を逮捕した。当局関係者によると、これは1985年の米海軍暗号情報漏洩事件以来、最大級のもの。ワシントン・ポスト紙6日付が伝えた。
 この4人は米海軍基地内で1990年から工作活動を開始し、米軍側との工事契約の機会を利用して米軍ハイテク兵器の情報を収集していた。これには、イージス戦闘艦、シーウルフ級攻撃型潜水艦、海軍各級航空母艦、無人偵察機、航空核爆発パルス等の科学技術があり、収集された情報は人民解放軍の情報部門に引き渡されていた。
 報道によると、容疑者4人は中共出身で、馬起とその妻・邱来華は米国籍を取得しており、その弟である馬台旺とその妻・李福恒(以上音訳)はグリーンカードを取得していた。
 馬起は電子機器の技術者で、米軍側との契約工事200件あまりを利用して高度な軍事機密管制部に出入りしていた。米海軍航空母艦・ステニスにも乗艦したことがあり、ハイテク軍事情報をフロッピーにコピーしていた。
 連邦捜査局は内偵によって馬夫婦が先月28日に広州に行って人民解放軍にフロッピーを手渡す計画を突き止め、馬家を捜索したところ数万ページ分のコピー資料とフロッピーが見つかった。当局によると、押収された資料の中には米海軍のハイテク軍事機密に属す、艦艇静態電子駆動システム(QED)も見つかった。
(05/11/09 06:53)
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中国のスパイ、ベルギーで亡命申請
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 【大紀元日本7月5日】相次いで発生している中国政府幹部の海外亡命に続き、先日ある中国のスパイが、ベルギーに亡命申請をしたことが明らかになった。本人は申請がまだ許可されていないため、個人情報を公開しない意向である。
 亡命を申請したのは十数年間ヨーロッパの大学と企業に務めながら、中国政府に情報提供していたスパイである。亡命申請とともに、ベルギーの情報機関に欧州企業の情報の獲得を目的とする数百名の中国政府のスパイに関する詳しい資料をも提供したという。フランスを本拠とする世界屈指の電気通信会社アルカテル社(Alcatel)も被害に遭っていると伝えられている。
 更に、中国当局が既にヨーロッパ全域で企業スパイの組織を作り、中国の情報機関が冷戦時代のスパイ活動から現在の企業情報の入手に重点を置く新型のスパイ活動にシフトしたことも証言した。
 この元スパイが提供した情報に基づいて、ドイツ、フランス、オランダとベルギーの情報機関は既に調査を始めた模様だ。北京でリスク管理コンサルタントを経営しているイギリスの元政府幹部は、中国の国家安全部が計画的に海外の中国人から入手したい情報を獲得していると述べた。中に観光客、ビジネスマン、学者も含まれているという。中国の日を追って膨らむ野心によって、スパイ活動も活発に行われているようだ。
 近年出国制限が緩和されたため、ヨーロッパにやって来る中国人は増える一方。各国の情報機関は中国のスパイ活動がますます盛んになるのではないかと懸念している。
(05/07/05 16:00)
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英情報局、中国の産業スパイ活動に憂慮
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 【大紀元日本11月16日】英紙「ガーディアン」は、中国当局は大量の工作員を英国に潜伏させ、産業スパイの活動はますますエスカレートし、英国情報局を悩ませていると報じた。
 同紙は「中国の経済発展に伴い、両国の外交と商業関係が強化され続けているが、一方で英国情報局であるMI5は、こうした中国当局による深刻な産業スパイ活動の範囲を確定できず、非常に憂慮している」と伝えた。
 英国安全部門のある官僚は、中国スパイは英国の国家安全や、商業、工業などの分野の詳細情報を収集し、随時、中国当局に流していると指摘した。
 同紙は反スパイ活動のリスク管理企業・C2iの総裁ジーン氏の発言を引用した。同氏は「中国はハイテク産業と科学技術の研究開発に高い興味を持ち、先進国の企業運営の詳細情報をも欲しがっている。我々が受理した一部の案件から分析すると、イギリス企業の情報技術部門に従事する中国人は、データベースに接触する権限を所持している。これは高い商業リスクを意味する」と警告を発し、中国スパイは集中的に安全と監視技術を狙い、特に民間と軍事上兼用できる設備に興味あるという。
 英国政府もこのほど、数件の中国スパイ活動の案件を公表した。それによると2000年と去年2回にわたり、同国で事故死した中国人の身元を確認するために、中国当局は英国に警察関係者を派遣したが、あまりの人数の多さに英国情報局が疑い始め、反スパイ活動を行い、その後中国警察の1人が英国の全国警察ネットワークに潜入したことが発見されたという。
 ある英国企業は、ビジネスのために、中国代表団を工場参観に招待したが、実際に工場に現れたのが少人数で、ほかの人たちは皆計画外の英国各地の国防と科学研究施設を視察した。そのため当企業は中国側に異議を申し出たが、貿易許可証を取り上げると脅迫されたという。
 評論家らは「ガーディアン」紙のこの報道は、中国共産党との経済関係の確立に急ぐ英国企業に処方した鎮静剤である」と同調した。
(記者・周囲)
(05/11/16 10:08)
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 日本の最期は情報から始まっている。


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